みなさんはパン、うどん、そば。どれが一番好きですか?
実はこの3つ、同じ粉から作られているのに、作り方は似ているようで全く性格が違うんです。パン教室を主宰している私が、その裏側をのぞいてみましょう!
今日は「パンとそばって、何が違うの?」という素朴な疑問に、パン教室の先生である私が、分かりやすくお答えします。
パンとそばの最大の違いは「水加減の自由度」
いきなり結論からお伝えしますね。
パンとそばの一番大きな違い、それは「失敗したときにやり直せるかどうか」です。
- パン・うどん:生地が固すぎたら水を足す、柔らかすぎたら粉を足す。つまり後から調整できる=失敗に優しい
- そば:最初の水回しで全てが決まる。一度失敗したら取り返しがつかない=一発勝負の世界
この違いが、作り手の心構えや難易度を大きく変えるんです。
「えっ、そんなに違うの?」って思いますよね。これから詳しく説明していきます!

なぜ私がこの記事を書こうと思ったのか
突然ですが、私は元自衛官で、今はパン教室を主宰しています。
パン教室を始めてから、生徒さんたちとお話ししていると「先生、そば打ちもやってみたいんです」という声をよく聞くようになりました。
特に、自衛隊時代の男性の同僚たちからは「蕎麦打ちに挑戦してみたい」という話をたくさん聞きました。でも不思議なことに「パンを作りたい」という男性はあまりいなかったんです^^;ちょっと悲しい^^;
そこで気づいたんです。
「そば打ちには、職人技を極める一発勝負の緊張感がある。それが男心をくすぐるんだ」と。
逆に、パン作りには「失敗してもやり直せる優しさ」があるんです。
この2つの魅力を、もっと多くの人に知ってほしい。そう思って、この記事を書くことにしました。
パンとうどんは「グルテン」で繋がる仲良しコンビ
まずは、パンとうどんのお話から始めましょう。
グルテンとは何か?パンが膨らむ仕組み
パンとうどんは、いわば「仲良しコンビ」。どちらも小麦粉が主役です。
小麦粉の中には「たんぱく質」が含まれています。このたんぱく質と水が混ざり合い、しっかりこねると「グルテン」という網目状の組織ができるんです。
グルテンとは、いわば「風船」のようなもの。
- パンの場合:このグルテンの網目の中に、イースト(酵母)が出すガスを閉じ込めます。すると、風船みたいにふっくら膨らんで、あのふわふわのパンができるんです。
- うどんの場合:グルテンが、あのコシとモチモチ食感を生み出します。
つまり、パンもうどんも「グルテン」がないと成立しないんですね。

パンとうどんは「後から調整できる」のが強み
ここからが、パンとうどんの素晴らしいところです。
生地をこねているとき、「あれ?なんだか固いな」と思ったら、水を少し足せば馴染んでくれます。逆に「柔らかすぎたかも」と思えば、小麦粉を足して調整できます。
つまり、失敗してもリカバリーが効くんです。
だから、初心者の方でも安心してパン作りを楽しめる。これが、パン作りの大きな魅力なんです。
私のパン教室でも「先生、水入れすぎちゃいました!」なんてことはよくあります。でも大丈夫。「じゃあ、粉を少し足しましょうね」と言って、一緒に調整すれば問題なし。
「失敗しても大丈夫」という安心感が、パン作りを楽しくしてくれるんです。
そばは「一発勝負」のストイックな職人の世界
さて、ここで登場するのが「そば」です。
そばは、パンやうどんとは全く性格が違います。
そばの「水回し」は後戻りできない理由
そば粉には、小麦粉のような「グルテン」がありません。
だから、パンやうどんのように「ねばり強さ」で生地をまとめることができないんです。
そばの生地をまとめるのは、そば粉自体がもつ「でんぷん」の力。そして、この水回しが全てを決めるんです。
ここが重要なポイント。
そば粉は、一度水を吸ったら、後から水を足しても吸水してくれません。
- 水が少なすぎた場合:生地がボソボソになり、めん棒で伸ばすときにひび割れます。もう修復不可能です。
- 水が多すぎた場合:パンのように後から粉を足しても、粉が生地に馴染んでくれません。ねっとりした生地の周りに粉がまとわりついて、団子のようなモサモサした塊になってしまいます。
そばのあの「つるんとした喉越し」は、最初の水加減で9割決まるんです。



そば打ちの「水回し」の繊細なプロセス
そば打ちの水回しは、本当に繊細です。
- そぼろ状からスタート:最初は小さな粒を作りながら、少しずつ水を加えていきます。ひたすら手で混ぜ続けるんです。
- 泥団子状の塊:水を少しずつ加えながら混ぜ合わせていくと、少し大きい泥団子のような塊がたくさんできます。
- 一つの大きな塊へ:さらに水を加えながら混ぜ合わせていくと、最終的に大きな一つの塊になります。
パンは最初に粉も水も全て計量して、一気にこねていきます。でも、そばは徐々に段階を経て水を加えていくんです。
だから、やり過ぎもやらなさすぎも命取り。
しかも、その日の粉の状態や湿度によっても、水加減を調整する必要があります。これは、経験と勘がものを言う世界なんです。
「90%が生地で決まる」そば打ちの真髄
そば打ちの世界では、こう言われています。
「麺をゆでる前、こねている段階で完成度の9割が決まる」
つまり、茹でる技術も大切ですが、それ以上に生地作りが全てなんです。
まさに、一瞬のミスも許されない「侍(さむらい)」のような世界。
戻れない道を突き進む緊張感。これが、そば打ちの魅力であり、難しさなんです。
だから、男性たちが「蕎麦打ちをやってみたい」と言うんですね。あの職人魂が詰まった一発勝負の世界が、男心をくすぐるんでしょう。
パンの難しさは「発酵」という生き物との付き合い方
「じゃあ、パンは簡単なの?」と思うかもしれません。
いえいえ、そんなことはありません。パンにはパンの難しさがあるんです。
こね終わった後の「発酵」が試練
パン作りで一番難しいのは、実は「発酵」です。
こねた後、パン生地は「イースト(酵母)」という微生物の力で膨らみます。でも、このイースト、気温や湿度で機嫌が変わるんです。
- 寒すぎると発酵が進まない
- 暑すぎると発酵しすぎて、味が落ちる
だから、パン作りは「保育園の先生」のような世界。上手に見極めしないと、パンが膨らまないなんてことにも。
生き物の機嫌を見ながら、「今日はちょっと寒いから、暖かい場所で発酵させようね」とか「今日は暑いから、涼しいところに置いておこうね」と、パンをなだめるんです。
しかも、発酵には時間がかかります。1時間、2時間と待つこともあります。忍耐力が試されるんですね。
パン作りは「失敗も新しい食感」として楽しめる
でも、パン作りの素晴らしいところは、失敗しても、それはそれで楽しめるということ。
ちょっと発酵で失敗しても、「少し重たい焼き上がりだけど、ちょっと食感が面白いな」とか「膨らみは悪いけど味は美味しい」といちをそれなりの形になるんです。見た目はイマイチだけど味はまあまあイケる!なんてこともあります。
多少の失敗は、リカバリー可能。想定外の食感も「それはそれで美味しいね!」と楽しめるのが、パン作りの魅力なんです。
おっちょこちょいな人にも優しい食べ物、それがパンなんですね^^

パンとそば、どっちが難しい?
さて、ここまで読んでくださった方は、こう思うかもしれません。
「結局、パンとそば、どっちが難しいの?」
答えは、「どちらも違う種類の難しさがある」です。
- そばの難しさ:戻れない道を突き進む緊張感。一瞬のミスも許されない、職人の世界。
- パンの難しさ:発酵という不確定要素との長い付き合い。生き物相手の世界。
どちらも奥深く、一概に「どっちが難しい」とは言えません。
でも、キャラクターは全く違います。
そばはストイック、パンは柔軟。
この違いが、それぞれの魅力なんです。
あなたに合うのはパン作り?それともそば打ち?
では、あなたにはどちらが合っているでしょうか?
こんな人にはパン作りがおすすめ
- 失敗を恐れず、楽しみながら学びたい人
- 少しずつ調整しながら完成させたい人
- 家族や友人と一緒にワイワイ作りたい人
- 焼き上がりの香りと温かさを楽しみたい人
パン作りは、「ちょっと失敗しちゃった」もご愛嬌。それもまた、楽しい思い出になります。
こんな人にはそば打ちがおすすめ
- 一発勝負の緊張感を楽しめる人
- 職人技を極めたい探求心がある人
- 集中力と繊細な感覚を磨きたい人
- 静かに向き合う時間を大切にしたい人
そば打ちは、まさに「己との対話」。無心で向き合う時間が、心を整えてくれます。
まずはパン教室で「作る楽しさ」を体験してみませんか?
どちらも魅力的ですが、初めての方には、まずパン作りから始めることをおすすめします。
なぜなら、私がパンの先生だからです^^♡
パン作りは失敗してもリカバリーできるから、楽しく学べるんです。
私のパン教室でも、初心者の方が「先生、失敗しちゃいました」と言っても、「大丈夫ですよ、一緒に調整しましょう」と丁寧にサポートしています。
「手作りの楽しさ」を知ってから、そば打ちにも挑戦する。
そんな流れもいいんじゃないでしょうか?
まとめ
パンとそばは、どちらも奥深い世界です。
- そば:一発勝負のストイックな職人技
- パン:失敗を恐れず、誰でも楽しめる優しさ
そばのストイックな職人技も本当にかっこいいです。でも、パンは失敗しても「あ、ちょっと水足りなかったかな?」とフォローできる、少しおっちょこちょいな人にも優しい食べ物なんです。
あなたもまずはパン作りから、「手作りの喜び」を感じてみませんか?
きっと、焼きたてのパンの香りと温かさに、心が満たされるはずです。
そして、もし「もっと極めたい!」と思ったら、そのときはぜひ、そば打ちにも挑戦してみてください。
どちらの世界も、あなたを待っています。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました!
パン作りやそば打ちに興味を持っていただけたら嬉しいです。これからも、美味しい手作りの世界を一緒に楽しんでいきましょう^^
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