こんにちは。こだわり酵母パン教室フリーゼのひとちゃんです。
麹酵母を使ったパン作りを教えている私ですが、先日のレッスンで生徒様から聞いたお話が、とても衝撃的だったんです。
その方は魚釣りが趣味なのですが、「魚って実は、釣ってすぐより2〜3日寝かせた方が美味しいんですよ」と教えてくれました。
え?とれたてが一番美味しいんじゃないの?
私はずっとそう思っていました。船の上で食べる新鮮な魚は最高に美味しいはず、と。でも、それは大きな勘違いだったんです。
この話を聞いて、私はハッとしました。「これって、パン作りと全く同じじゃないか」と。
今日は、魚もパンも美味しくなる「熟成」の秘密について、パン教室を主宰する私だからこそ伝えられるお話をしていきます。時短が当たり前の今だからこそ、知ってほしい「待つことの価値」をお伝えしますね。
なぜ私がこの記事を書こうと思ったのか

よくお寿司屋さんに行くと、切り身が並んでいるガラスケースを見ますよね。今まで私は「あの魚たち、売れ残ったら捨てられちゃうのかな…」なんて思っていたんです。
でも生徒様の話を聞いて、全く違うことが分かりました。
あれは適切な管理のもとで熟成させて、甘みや旨みを引き出し、一番美味しいタイミングでお客様に提供するための陳列だったんです。
釣りたての魚は身に水分が多く、味が薄い。それを2〜3日寝かせることで、魚の身に含まれる酵素がタンパク質を分解し、アミノ酸という旨み成分を生み出していく。これが「熟成」というわけです。
この話を聞きながら、私は思いました。「これ、パン作りと全く同じだ」と。
パンも発酵という時間をかけるプロセスを経て、生地が熟成し、旨みを出していく。時短で作ったパンと、じっくり熟成させたパンでは、味わいが全然違うんです。
パン教室を主宰している私だからこそ、この「熟成の共通点」をお伝えできると思い、この記事を書くことにしました。
熟成は食の世界共通の知恵

実は、熟成という考え方は魚やパンだけではありません。
うどんは一晩寝かせるとコシが出ますし、お肉も数週間から数ヶ月熟成させることで、驚くほど柔らかく深い味わいになります。味噌、醤油、チーズ、ワイン…挙げればキリがないほどです。
熟成は人間が長年かけて培ってきた食の知恵なんです。
そして、この熟成にはある共通点があります。それは「時間をかける」ということ。
急いで作っても、素材本来の美味しさは引き出せない。ゆっくり待つことで、素材が持つ力が最大限に発揮されるんです。
時短vsタイパ時代に見直したい「待つ」という価値
今の時代、「時短」や「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉をよく耳にしますよね。
できるだけ短い時間で、効率よく結果を出す。それが良しとされる風潮があります。
もちろん、時短が悪いわけではありません。忙しい毎日の中で、少しでも時間を有効に使いたい気持ちは私もよく分かります。
でも、すべてを時短で済ませてしまうのは、もったいないと思うんです。
時短で作るパンは、確かに焼きたてのうちは美味しいかもしれません。ふわふわで、温かくて、香りも良い。
でも、しっかり発酵をとり、よく熟成されたパンの生地は、格別に美味しいんです。噛むほどに甘みが広がり、翌日になっても美味しさが続く。時短パンにはない、深い味わいがあります。
「待つ」という時間は、決して無駄な時間ではありません。
むしろ、その時間こそが、素材本来の美味しさを最大限に引き出すために必要な、大切な時間なんです。
熟成とは何か?酵素が旨みを生み出すメカニズム
熟成の仕組みを科学的に理解する
ここで、少し科学的なお話をしますね。難しく聞こえるかもしれませんが、とてもシンプルな仕組みです。
熟成とは、食材に含まれる酵素の力によって、タンパク質やでんぷんを分解し、アミノ酸やブドウ糖などの旨み成分を生み出すことを言います。
酵素は、私たちの体の中や食材の中に存在する、いわば「働き者の分解係」です。大きな分子を小さな分子に分解してくれる役割を持っています。
例えば、タンパク質という大きな分子を、酵素が分解すると「アミノ酸」という小さな分子になります。このアミノ酸こそが、人間が「うまい!」と感じる旨み成分の正体なんです。
でんぷんも同じです。酵素がでんぷんを分解すると、ブドウ糖という甘い成分に変わります。だから、熟成させた食材は甘みが増すんですね。
ここまで読んでいただいて、お分かりいただけたと思います。
熟成には「酵素」が必要不可欠なんです。
酵素がなければ、どれだけ時間をかけても、旨みや甘みは生まれません。ただ時間が経過するだけで、むしろ劣化してしまうこともあります。
でも、酵素がしっかり働いてくれる環境を整えてあげれば、時間が素材を美味しく変えてくれる。これが熟成の魔法です。
麹酵母パンが美味しい理由

私がパン教室で使っているのは、麹を使った酵母です。
なぜ麹なのか?
それは、麹にはたくさんの消化酵素が含まれているからなんです。
麹の酵素は、大きく分けて3つの働きをします。
- 糖質の分解→甘みが増す
でんぷんをブドウ糖に分解することで、パン生地が自然な甘さを持つようになります。砂糖をたくさん入れなくても、ほんのり甘いパンが焼けるのはこのためです。 - タンパク質の分解→ふんわり食感が生まれる
小麦粉に含まれるタンパク質(グルテン)を適度に分解することで、生地がふんわりと柔らかくなります。硬くならず、もっちりとした食感が生まれるんです。 - 脂質の分解→風味と香ばしさが出る
脂質が分解されることで、パン特有の香ばしい風味が生まれます。焼いたときの香りも、格段に良くなるんですよ。
麹酵母を使ったパンは、時間をかけて熟成させるほど、これらの効果が最大限に発揮されます。だから私は、生徒様にいつも「焦らず、じっくり待ちましょうね」と伝えているんです。
長時間発酵のパン作りで言えば、酵母や麹に含まれる酵素が、生地の中でせっせと働いてくれています。私たちが寝ている間も、冷蔵庫の中でゆっくりと発酵している間も、酵素は休まず働き続けているんです。
時短で作るパンには、この「酵素がじっくり働く時間」がありません。だから、焼きたては美味しくても、翌日になると硬くなってしまったり、味が物足りなく感じたりするんです。
私がパン教室で伝えたい熟成の魅力
私がパン教室を主宰している理由。それは、熟成という時間をかけることの価値を、多くの人に知ってほしいからです。
今の時代、スーパーに行けば美味しいパンがたくさん売っています。わざわざ家で作らなくても、いつでも食べられます。
でも、自分で麹酵母を育て、生地をこねて、発酵を待ち、焼き上げたパンの味は格別です。
そして何より、その過程を楽しむことができるんです。
生地が膨らんでいく様子を見るのは、まるで生き物を育てているような感覚です。「今日はよく発酵してるな」「ちょっと寒かったから、もう少し待ってあげよう」なんて、生地と対話するような時間が生まれます。
時短ではなく、時間をかける。
これは、決して非効率なことではありません。日々の食生活をより豊かに色づける、大切な時間なんです。
素材に含まれている酵素を最大限に活かして、熟成による旨みをしっかり引き出した食事作り。それができたら、毎日の食卓がもっと楽しくなると思いませんか?

まとめ:熟成パンで味わう、時間が生み出す深い旨み
魚釣りが趣味の生徒様から聞いた、「魚は寝かせた方が美味しい」という一言。
そこから始まった今回のお話、いかがでしたか?
熟成とは、酵素の力を借りて、時間をかけて旨みを引き出すこと。
これは魚だけでなく、パン、肉、うどん、味噌、チーズ…あらゆる食材に共通する、人間が長年培ってきた食の知恵です。
時短やタイパが重視される今だからこそ、「待つ」という時間の価値を見直してみませんか?
酵素の力を信じて、じっくり時間をかけること。
それが、素材本来の美味しさを最大限に引き出す秘訣なんです。
もしあなたが「パン作りに興味があるけど、時間がかかりそう…」と思っているなら、ぜひ一度、熟成パン作りに挑戦してみてください。
時間をかけた分だけ、生地は応えてくれます。噛むほどに広がる甘みと旨み、翌日も美味しい深い味わい。それは、時短では決して味わえない特別なものです。
あなたも、熟成パン作りを始めてみませんか?
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