こんにちは!こだわり酵母パン教室フリーゼのひとちゃんです。
パン作りをしていると、「レシピ通りに作ったのに、なぜかうまくいかない…」って経験、ありませんか?
実は、その原因のひとつが塩の量にあるかもしれません。
私は麹種(こうじだね)という自家製酵母とイーストを併用したパン作りを続けていますが、レシピを考える中で気づいたことがあります。
それは、塩の量をほんの少し変えるだけで、生地の感じも、味も、発酵のスピードも全部変わってしまうということ。
この記事では、麹種パンにおける塩の量の最適解と、減らしたとき・減らしすぎたときに何が起こるのかを、実際の経験をもとに詳しく解説していきます。

パン作りで「塩の量」が重要な3つの理由
「塩なんて、味付けのためだけでしょ?」
そう思っている方も多いかもしれませんが、実はパン作りにおける塩の役割は、想像以上に大きいんです。
塩がパンに与える影響は、大きく分けて3つあります。
①味のバランスを整える
まず一番わかりやすいのが、味ですよね。
塩は、ただ塩辛くするためではなく、パン全体の味の輪郭をはっきりさせる役割があります。
卵焼きに、砂糖を加える場合、塩を少量入れますよね?これも味の輪郭をはっきりさせるためです。
特に、麹種パンは麹の酵素が糖を作り出すため、普通のパンより甘みが強くなります。
この甘みを引き立てるために、塩が必要なんです。甘さと塩気の対比効果で、おいしさがぐっと引き立ちます。
②発酵スピードをコントロールする
これ、意外と知られていないんですが、塩は酵母の働きを調整するんです。
塩が少なすぎると、酵母が元気になりすぎて発酵が暴走してしまいます。
逆に塩が適量だと、発酵がちょうどいいペースで進んで、扱いやすい生地になります。
「発酵しすぎて生地がベタベタになっちゃった…」という失敗、実は塩不足が原因かもしれません。
③生地の締まり(グルテン)を調整する
3つ目が、生地の構造に関わる部分。
パンのもちもち感を作っているのは「グルテン」というタンパク質なんですが、塩はこのグルテンを引き締める働きがあります。
塩が少ないと生地が緩くなって、成形しづらくなったり、焼き上がりがダレてしまったりします。
反対に、塩が適量だと生地に弾力が出て、扱いやすくなるんです。
塩の量でパンはこう変わる【実例比較】
ここからは、実際に塩の量を変えて作ったときに、パンがどう変わるのかを具体的にお話しします。
標準の2%:バランスが良く失敗しにくい
麹種パンの基本は、粉の量に対して塩2%です。
例えば、粉が300gなら塩は6gという計算になります。
この2%で作ると、こんな仕上がりになります:
- 味の輪郭がはっきりしている
- 発酵が安定して管理しやすい
- 生地に適度な弾力があって扱いやすい
- 焼き上がりもふんわり、翌日もおいしい
初めて麹種パンを作るなら、まずはこの2%で作ってみてください。
1.8〜1.5%に減らすとどうなる?
「もう少し甘みを感じたいな」と思ったときは、塩を少し減らすのもありです。
1.8%〜1.5%くらいまでなら、大きな失敗はしにくい範囲です。
この量だと、こんな変化が起こります:
- 甘みがより際立つ(麹の甘みを感じやすくなる)
- 生地が少し緩む(柔らかくなる)
- 発酵が早く進む(いつもより早めに発酵完了)
- 味の輪郭が柔らかい印象になる
ただし、生地が扱いにくくなる可能性があるので注意してください。
特に、夏場や室温が高いときは発酵が早すぎて、タイミングを逃しやすくなります。
1.4%以下に減らしすぎると失敗する理由
「塩分控えめがいいから、もっと減らそう!」
これ、実は危険なんです。
塩を1.4%以下にすると、こんなトラブルが起こりやすくなります:
- 発酵が暴走してコントロール不能になる
- 生地がダレて成形できない(ベタベタで手にくっつく)
- 焼き上がりの形が悪くなる
- 老化が早くなり、翌日硬くなる
- 味がぼやけて「なぜかおいしくない」
特に麹種パンの場合、もともと酵素の力で生地が緩みやすい特性があります。
そこに塩不足が加わると、もう手がつけられないほどベタベタになってしまうんです。
麹種パンの塩の量は「2%」がベストな理由
ここまで読んで、「結局、何%がいいの?」と思った方へ。
私の結論は、麹種パンなら塩2%が基本です。
その理由を、もう少し詳しく説明しますね。
麹種特有の甘みと塩のバランス
麹種を使うと、麹の酵素が生地の中のデンプンを糖に変えます。
だから、普通のパンよりも甘みが若干強めになるんです。
この甘みを生かしつつ、味の輪郭をはっきりさせるには、塩2%がちょうどいいバランスなんです。
塩が少なすぎると、甘さだけが主張して、味がぼやけてしまいます。
麹種は生地を緩めやすい特性がある
麹種には酵素がたくさん含まれているので、グルテンを分解して生地を柔らかくする働きがあります。
これ自体は悪いことではないんですが、生地が緩みすぎると扱いにくくなります。
だからこそ、塩でグルテンを引き締めて、バランスを取る必要があるんです。
麹種の配合量によって塩も調整が必要
実は、麹種をどれだけ入れるかによっても、塩の量は変わってきます。
麹種の配合が多いレシピほど、生地が緩みやすく、甘みも強くなります。
だから、麹種が多い場合は塩も少し増やす(2.2%くらいまで)ことがあります。
逆に、麹種が少なめなら塩も2%以下でOKなこともあります。
ここは、生地の感じと味を見ながら微調整するのがコツです。
自家製酵母とイーストで塩の量は変わる?
「イーストだけで作る場合と、自家製酵母を使う場合で、塩の量は変えるべき?」
と思うかもしれませんね。
使う酵母によって塩分量の調整が必要
結論から言うと、使う酵母によって少し調整が必要です。
- 天然酵母のみ:酵母により発酵速度がさまざま。酵母によって違いが出る。→ 塩1%〜2%
- イーストのみ:発酵が早く安定している → 塩1.8%〜2%
- イースト併用(私の方法):発酵が安定しやすく扱いやすい → 塩2%
私は麹種とイーストを併用していますが、この方法だと発酵が安定して失敗しにくいので、塩2%で十分です。
レシピごとに塩の分量が違う理由
パンのレシピを見ると、「あれ?このレシピは塩1.8%だけど、こっちは2%だ」って気づくことがあると思います。
これは、作り手の意図や使う酵母の種類、粉の配合によって変わるからなんです。
だから、初めて作るレシピは必ず計量して、忠実に作ることをおすすめします。
一度レシピ通りに作ってみて、自分の好みや生地の感じを確認してから、次回に調整するのが安全です。

失敗しない塩の量の調整方法【実践編】
「じゃあ、実際に自分でレシピを作るときは、どうやって塩の量を決めればいいの?」
ここからは、実践的な調整方法をお伝えします。
基本は粉に対して2%で計算
まず基本の計算式です。
塩の量(g)= 粉の量(g)× 0.02
例えば:
- 粉300g → 塩6g
- 粉250g → 塩5g
- 粉400g → 塩8g
デジタルスケールで、0.1g単位まで正確に計量してください。
「大体このくらいでいいや」はNG!たった1gの違いでも、パンは変わります。
減らすなら1.6〜1.8%が安全ライン
「甘みを出したい」「塩分を控えたい」という場合は、1.6%〜1.8%までが安全ラインです。
この範囲なら、大きな失敗はしにくいです。
ただし:
- 発酵が早くなるので、いつもより早めにチェック
- 生地が緩くなるので、成形はやさしく扱う
- 焼き上がりの形が崩れやすいので注意
初心者はまずレシピ通りに作る
これが一番大事です。
塩の役割を体感してから、調整する。
最初から「自分流にアレンジ!」とやってしまうと、何が原因で失敗したのかわからなくなります。
まずはレシピ通りに作って、塩2%の生地感や味を覚えてください。
そこから「もう少しこうしたい」という希望が出てきたら、少しずつ調整していきましょう。

まとめ:塩はパンのおいしさを決める「縁の下の力持ち」
さて、ここまで麹種パンにおける塩の量について、たっぷりお話ししてきました。
最後に、もう一度ポイントをまとめますね。
- 麹種パンの塩の量は2%が基本
- 減らすなら1.6〜1.8%が安全(それ以下は失敗リスク大)
- 塩が少なすぎると、発酵暴走・生地ダレ・味ぼやけの原因に
- 麹種の配合量によっても調整が必要
- 初めてのレシピは必ず忠実に計量して作る
塩って、パンの中では目立たない存在ですが、実はおいしさを決める「縁の下の力持ち」なんです。
ほんの数グラムの違いで、生地の感じも、味も、発酵のスピードも変わってしまう。
だからこそ、塩の量を意識して、丁寧に計量することが大切なんですね。
塩の量を少し変えるだけで、あなたのパンがワンランク上の仕上がりになりますよ♪
ぜひ、次のパン作りで試してみてください!

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