パン発酵の見極め方完全ガイド|自家製酵母で失敗しないための2つのポイント

発酵したパン生地

パン作りをしていると、必ずぶつかる壁があります。それが「発酵の見極め」です。

「発酵させ過ぎてしまったのはわかるんだけど、ちょうど良いタイミングがわからない…」

先日、パン作りをしているお友達からこんな相談を受けました。きっと、この記事を読んでくださっているあなたも、同じように悩んだことがあるのではないでしょうか。

実は私も、発酵には本当に悩まされてきました。特に自家製酵母を使い始めてからは、発酵不足や過発酵で失敗することが増えて、何度も落ち込んだものです。

でも大丈夫です。この記事では、私の失敗経験から学んだ「発酵の見極め方」と「成功率を上げるための具体的な方法」を、わかりやすくお伝えしていきます。

この記事を読めば、以下のことがわかります:

  • なぜ自家製酵母だと発酵の見極めが難しいのか
  • 失敗を減らすための2つの重要なポイント
  • 発酵の具体的なチェック方法
  • 自家製酵母パンの魅力

それでは、一緒に見ていきましょう。


*‥…‥*‥…‥*‥…‥*‥…‥*

プロフィール写真
Evoto

自己紹介

高校卒業してから23年勤めた、航空自衛隊を退職。2024年に自宅教室「こだわり酵母パン教室フリーゼ」をオープン。

“自分時間を大切に”“職場でも家でもない場所に居場所を作る”そんな教室作りをしています。ホームベーカリーで叶える“無理しない”パン生活で、ふんわり美味しいパンをいつでもそばに。『簡単に、でも本格的に!』をモットーに、生活にワクワクをお届けします!

対面レッスン・オンラインレッスンご希望の方は、ホームページからお問い合わせください^^

👉ホームページ
👉Instagram 
👉Facebook

メールマガジンを受け取りたい方はこちらからご登録ください。

*‥…‥*‥…‥*‥…‥*‥…‥


なぜパンの発酵見極めは難しいのか?多くの人が悩む理由

パン作りの中で、発酵はとても大切な工程です。でも同時に、最も難しいポイントでもあります。なぜこんなに難しいのでしょうか?その理由を探っていきましょう。

インスタントドライイースト
苺の自家製酵母

イーストと自家製酵母の決定的な違い

まず知っておいてほしいのが、一般的なインスタントドライイーストと自家製酵母の違いです。

インスタントドライイーストは、パンを膨らませるために厳選された「優等生」たちの集まりなんです。つまり、発酵に特化した酵母だけが集められているので、安定してパン生地を膨らませてくれます。

一方、自家製酵母はどうでしょうか。

自家製酵母は、フルーツや穀物、あるいは空気中など、自然界に存在する酵母を培養して作ります。その中には、パンを膨らませるためのパン酵母だけではなく、乳酸菌がいて、酢酸菌がいて、もしかすると雑菌が混ざっている可能性もあります。

これは悪いことではありません。むしろ、この複雑な組み合わせが、自家製酵母パンならではの深い味わいを生み出すんです。

ただ、パン生地を膨らませるという点では、インスタントドライイーストに比べてどうしても時間がかかってしまいます。

自家製酵母で失敗しやすい3つの原因

自家製酵母のパン作りで失敗しやすい原因を、3つにまとめてみました。

原因①:酵母の発酵力が素材によって異なる

りんごで作った酵母と、レーズンで作った酵母では、発酵力が違います。さらに、同じりんごでも、その時期や熟し具合によって発酵力が変わるんです。だから「前回はうまくいったのに、今回は…」ということが起こります。

原因②:温度・湿度による発酵速度の変化

酵母は生き物です。温度が高ければ早く進みますし、低ければゆっくり進みます。梅雨時期の湿度の高い日と、冬の乾燥した日では、全く同じ時間で発酵が完了するとは限りません。

原因③:発酵不足と過発酵の境界線が曖昧

「もうちょっと膨らむかな?」と待っていたら過発酵になってしまった…。これ、本当によくあるんです。ちょうど良いタイミングの見極めが、経験を積まないとなかなか難しいのが現実です。

【体験談コラム】

私も自家製酵母を始めた頃は、最初の数ヶ月は運良くうまくいっていました。ところが季節が変わった途端、急に失敗続きになってしまったんです。同じレシピ、同じ時間で作っているのに、生地が膨らまない…。あの時は本当に落ち込みました。でも、その失敗があったからこそ、今の私があります。


パン発酵の見極めで失敗しないための2つの重要ポイント

では、どうしたら発酵の見極めがうまくできるようになるのでしょうか。私の経験から導き出した、最も大切な2つのポイントをお伝えします。

【ポイント①】まずは「レシピ通り」に作ることが成功への近道

「えっ、そんな当たり前のこと?」と思いましたか?でも、これが本当に大切なんです。

レシピが失敗から生まれる理由

レシピというのは、たくさんの失敗の中から作り出されたものです。レシピを作った人が、何度も試行錯誤を重ねて、「この温度で、この時間なら、うまくいく」という最適解を見つけたものなんですね。

だから、まずはレシピ通りに作って、その結果がどうなるのかを知ることが、成功への最短ルートなんです。

レシピ通りに作って美味しいパンが焼けたら、それは大成功。工程も環境も、そのパンにとってベストな状態だったということです。

レシピ通りに作っても失敗する場合の対処法

でも、ここからが自家製酵母の難しいところ。

「レシピ通りに作ったのに、うまくいかない…」

そうなんです。そんなことがザラに起こるのが、自家製酵母のパンなんです。

その時の温度や湿度の違い、こね具合の違い、使った酵母の状態など、原因は様々です。でも焦らないでください。まずはレシピ通りに作ったらどうなるのかを知ることが、次のステップへの大切な基礎になります。

失敗したら、次はどこを調整すればいいかが見えてくるんです。

【ポイント②】「記録をとる」ことで成功率が劇的に向上

そして、もう一つの重要なポイントが「記録」です。

私は初心者の頃、「レシピに書いてある温度と時間を守ってさえいればいいんでしょ」という感じで、あまり深く考えずに作っていました。

たまたま始めた時期が良かったのか、最初は失敗もなく上手く作れていたんです。でも季節が変わると、何故か失敗続き。特に発酵が上手くいかなくなって、時間が長くなったり短くなったりしてしまいました。

そこで私は、上手くいった時も失敗した時も、とにかく記録を取るようにしたんです。

記録すべき5つの項目

記録と言っても、難しく考える必要はありません。以下の5つを書き留めておくだけで十分です:

  1. 使用した酵母の種類と状態(りんご酵母、元気度など)
  2. 発酵時の室温と湿度(温度計で測った実際の数値)
  3. 一次発酵・二次発酵の時間(実際にかかった時間)
  4. 生地の状態(見た目、触った感じ、匂いなど)
  5. 焼き上がりの結果(成功か失敗か、味や食感)

記録を続けていくと、だんだんと自分なりの「発酵に適した温度と時間」がわかってくるんです。

記録から見えてくる発酵の「勘」

不思議なことに、記録を取り続けていると、感覚が研ぎ澄まされて、勘が働くようになってくるんです。

「あ、今日は暖かいから、もう少し早めに確認しよう」
「これ以上置いておくと、過発酵になりそうだな」

こんな風に、データの積み重ねが、自然と体に染み込んでいくんですね。


発酵の見極め|具体的なチェックポイント

ここからは、実際の発酵の見極め方について、もう少し具体的にお話ししていきます。

パンの生地

一次発酵の見極めサイン

一次発酵が完了したかどうかを見極めるには、3つのポイントがあります。

ポイント1:生地が約2倍に膨らんでいるか

これが基本中の基本です。最初の大きさと比べて、明らかに膨らんでいることを確認しましょう。ボウルに目印をつけておくと、わかりやすいですよ。

ポイント2:フィンガーテストをする

生地に指を軽く差し込んで、跡がゆっくり戻ってくるかを確認します。

  • 跡がすぐに戻る → まだ発酵不足
  • 跡がゆっくり戻る → ちょうど良い
  • 指を入れた瞬間生地が下がる、しぼむ → 過発酵の可能性

このフィンガーテストが、一番確実な見極め方法だと私は思っています。

ポイント3:生地の弾力と触感

触ってみて、ふんわりと柔らかく、でも適度な弾力があること。これも大切なサインです。

二次発酵の見極めサイン

二次発酵は、一次発酵よりも見極めが難しいと感じる方が多いです。

なぜなら、時間だけでなく「生地の状態」をしっかり見る必要があるからです。

成形した生地が、ひと回り大きく膨らんで、天板を揺らすとプルンプルンと生地が揺れるくらいがは行の見極めポイントです!

触ったときに指の跡が少し残るくらいが目安です。でも、このタイミングを逃すと、あっという間に過発酵になってしまうので注意が必要です。

失敗しがちなケースと対処法

発酵不足の場合

生地が膨らみきらず、焼き上がりが硬くなってしまいます。この場合は、次回は発酵時間を長めにとるか、発酵温度を少し上げてみましょう。

過発酵になった場合

生地が膨らみすぎて、焼いたときにしぼんでしまったり、酸味が強くなったりします。もし過発酵に気づいたら、生地を軽くパンチして(ガス抜き)、もう一度成形し直すという方法もあります。ただし、あまりにも過発酵が進んでいる場合は、残念ながら諦めることも大切です。その経験が、次の成功につながります。


自家製酵母パンがやめられない3つの理由

ここまで読んで、「自家製酵母って大変そう…」と思いましたか?

確かに、インスタントドライイーストに比べると手間も時間もかかります。でも、それでも私が自家製酵母をやめられない理由があるんです。

酒種酵母

理由①:小麦の旨みが熟成される

長時間かけてゆっくり発酵させることで、小麦の旨みが熟成されて、風味の良い生地になるんです。

これは、短時間で発酵させるインスタントドライイーストでは出せない、自家製酵母ならではの味わいです。噛めば噛むほど、じんわりと広がる小麦の甘み。これを知ってしまったら、もう戻れません。

理由②:独特の食感と風味

自家製酵母のパンは、もっちりとしていて、しっとりしています。

そして、酵母そのものの香りを感じられるのも魅力です。りんご酵母なら、ほのかにりんごの香りが。酒種酵母(お米と麹)なら、お米の風味が。素材によって、パンの個性が変わるんです。

理由③:作る過程そのものが楽しい

酵母を起こして、元気に育てて、それを使ってパンを焼く。

この一連の流れ全体が、私にとってはかけがえのない時間なんです。時間はかかるけれど、その分愛着が湧いて、焼き上がった時の喜びはひとしおです。

毎回違う表情を見せてくれる生地と向き合うことで、「今日はどんなパンができるかな」というワクワク感も味わえます。


初心者が自家製酵母パン作りで成功するためのロードマップ

最後に、これから自家製酵母パンに挑戦しようと思っている方、あるいはすでに挑戦しているけれどうまくいかないと悩んでいる方へ、成功するためのステップをお伝えします。

ステップ1:まずはシンプルなレシピから始める

最初から難しいパンに挑戦する必要はありません。シンプルな丸パンやカンパーニュから始めて、基本を身につけることが大切です。

ステップ2:記録をつける習慣を身につける

面倒に感じるかもしれませんが、記録は必ずあなたの力になります。スマホのメモでも、ノートでも、自分が続けやすい方法で構いません。

ステップ3:失敗を恐れず試行錯誤する

失敗は悪いことではありません。失敗から学ぶことのほうが、実は多いんです。「なぜ失敗したのか」を考えることが、次の成功への鍵になります。

ステップ4:コミュニティで学びを共有する

一人で悩まず、同じようにパン作りを楽しんでいる人たちと繋がりましょう。SNSやパン教室など、学びを共有できる場所を見つけることで、モチベーションも保ちやすくなります。


まとめ|パン発酵の見極めは経験の積み重ねで上達する

パン発酵の見極めは、確かに難しいです。特に自家製酵母を使う場合は、なおさらです。

でも、「レシピ通りに作る」「記録を取る」この2つを実践すれば、必ず成功率は上がります

そして何より大切なのは、失敗も含めて、パン作りのプロセスそのものを楽しむこと。

自家製酵母パンならではの深い味わい、独特の食感、酵母の香り。これらは、時間をかけて丁寧に作るからこそ得られる特別なものです。

あなたも、自家製酵母パン作りの世界を、もっと楽しんでみませんか?


━━━━━━━━━━━━━━━
📣 パンをもっと楽しむ3つの方法
━━━━━━━━━━━━━━━

1️⃣ Instagram:パン豆知識や教室の日常を配信
👉 [@pankyousitu_frise]

2️⃣ メルマガ:電子書籍1000円分を無料プレゼント
 メールマガジンでは、「レッスンのご案内」、「パン作りのコツやポイント」、「講師のつぶやき」などを配信しています。
👉 [メルマガ登録はこちら]

3️⃣ 体験レッスン:パン文化を学びながら本格パン作り
👉 [ホームページリンク]


📩 お問い合わせはこちらから

👉 お問い合わせフォームへ

パン教室についてのお問い合わせについて↓

🌸 お問い合わせ前にご参考ください(よくあるご質問例)

当教室へのお問い合わせは、下記のような内容が多く寄せられています。
「こんなこと聞いていいのかな?」ということでもお気軽にどうぞ♪

  • レッスン内容について
     例)初心者でも参加できますか?どんなパンが作れますか?
  • 日程・予約に関すること
     例)体験レッスンはいつ開催していますか?予定が合わない場合、振替はできますか?
  • 持ち物・服装について
     例)エプロンや道具は必要ですか?手ぶらで参加できますか?
  • お支払い・キャンセルについて
     例)支払い方法は?キャンセルしたい場合はどうなりますか?
  • アクセス・駐車場について
     例)車で行けますか?最寄り駅からの行き方を教えてください。
  • その他
     例)子どもと一緒に参加できますか?米粉パンや酵母パンはありますか?

最後まで読んでくださって、ありがとうございました!

また次回のブログでお会いしましょう^^

コメント