12月に入り、朝晩の冷え込みが厳しくなってきましたね。こんな寒い季節になると、私のパン教室では毎年恒例の「デニッシュ系パンレッスン」がスタートします。クロワッサンやフルーツデニッシュなど、サクサク食感が魅力のパンたちです。

レッスンを始めると、生徒様から必ず聞かれる質問があります。
「先生、なんで冬限定なんですか?」
実は、クロワッサンやデニッシュ系のパンは、冬が圧倒的に作りやすいんです。今日は、パン教室で指導してきた経験から、クロワッサン作りの「なぜ?」と「コツ」をお伝えしていきますね。
私がこの記事を書ける理由
私はパン教室の講師として、毎年1月から3月にかけてデニッシュ系のパンレッスンを開催しています。初めてパン作りに挑戦する方から、何度も作っているベテランの方まで、さまざまなレベルの生徒様を指導してきました。
その中で見てきたのは、成功パターンと失敗パターン。どんなときにバターが溶けてしまうのか、どうすれば綺麗な層ができるのか。実際の現場で積み重ねてきた経験をもとに、「失敗しないクロワッサンの作り方」をお伝えできると思っています。
なぜクロワッサンは冬に作るべきなのか
バターが溶けにくい温度環境が重要
クロワッサン作りで最も大切なのは、「バターを溶かさないこと」です。
夏場の室温は30度を超えることもありますよね。そんな環境では、作業している間にバターがどんどん柔らかくなって、最悪の場合は溶けてしまいます。一方、冬の室温は15〜20度程度。バターが溶けにくく、ゆっくり丁寧に作業できるんです。
もちろん、夏でもクロワッサンを作ることは可能です。ただし、手早く作業する必要があり、途中で何度も冷蔵庫に入れて冷やす手間がかかります。
レッスンで時間をかけて教えられる利点
パン教室では、生徒様一人ひとりの作業を確認しながら進めていきます。「このバターの硬さで大丈夫?」「伸ばし方はこれで合ってる?」と、じっくり丁寧に指導したいんです。
冬なら、焦らずゆっくり教えることができます。初めての方でも失敗なく、安心して作れる。だから、私の教室では冬限定でデニッシュ系のレッスンを開催しているんですね。
クロワッサンのサクサク食感を生む「層」の秘密
生地とバターの層構造とは
クロワッサンやデニッシュの最大の特徴は、「生地とバターが何層にも重なっている」ことです。
作り方はこんなイメージです。生地でバターを包んで、それを薄く伸ばします。伸ばしたら三つ折りにして、また伸ばして、また三つ折り。この作業を何度か繰り返すことで、生地・バター・生地・バター…と交互に層ができていくんです。

焼くときに何が起こるかというと、この層の間にあるバターが熱で蒸発します。すると、生地の層が押し上げられて、あのサクサクっとした軽い食感が生まれるんですね。まるで何枚もの薄い紙が重なっているような、あの独特の食感です。
層がうまくできないとどうなる?
もしバターが溶けて生地と混ざってしまったら、どうなると思いますか?
層ができず、普通のパンみたいなフカっとした食感になってしまいます。これはこれで美味しいのですが、「クロワッサン」ではなくなってしまうんですね。
だからこそ、バターをしっかり層として保つことが、クロワッサン作りの最重要ポイントなんです。
クロワッサン作りで最も失敗しやすい「伸ばし作業」
生徒様からよく相談されるのが、「伸ばすときにバターが切れちゃうんです」という悩みです。この伸ばし作業が、実はクロワッサン作りの最大の難関なんですよね。

バターが切れてしまう原因と対策
バターが切れてしまう原因は、バターが硬すぎることです。
冷蔵庫から出したばかりのバターは、カチカチに固まっています。この状態で無理に伸ばそうとすると、バターがポキッと割れて、生地から飛び出してしまうんです。
対策としては、バターを少し室温に置いて、指で押したときに少しへこむくらいの硬さにすることです。「まだちょっと硬いかな?」くらいが、実はちょうどいい状態なんですよ。
バターが溶けてしまう原因と対策
逆に、バターが柔らかすぎると、今度は溶けて生地に染み込んでしまいます。
特に、伸ばす作業に時間がかかりすぎると、手の熱や室温でバターがどんどん柔らかくなっていきます。だから、スピード感を持って作業することが大切なんです。
もし「あ、バターが柔らかくなってきたな」と感じたら、すぐに冷蔵庫で10分ほど休ませてください。これが失敗を防ぐコツです。
理想的なバターの状態とは
薄い板状のバターが、常に生地の間にある。これが理想の状態です。
生地を伸ばすとき、中のバターも一緒に薄く伸びていくイメージを持ってください。生地とバターが同じくらいの硬さで、同じスピードで伸びていく。これが綺麗な層を作る秘訣なんです。
失敗しないクロワッサンの作り方【実践的なコツ】
ここからは、実際に私が教室で指導しているコツをお伝えしますね。
生地とバターの硬さを合わせる
生地とバターの硬さを揃えること。これが最も重要です。
触って確認する方法は簡単。生地を指で押してみて、バターも同じように指で押してみる。どちらも同じくらいの弾力があればOKです。生地がふんわり柔らかいのに、バターがカチカチだとうまくいきません。
伸ばすスピードと力加減
伸ばすときは、均一な力で、リズミカルに。めん棒を使って、中心から外側に向かって伸ばしていきます。
よくある失敗が、力を入れすぎること。ギュッと押しつけると、バターが潰れて生地から飛び出してしまいます。優しく、でもしっかりと。そんな力加減を意識してください。
作業時間の目安は、1回の伸ばしで3〜5分程度です。それ以上かかりそうなら、一度冷蔵庫で休ませましょう。
作業環境を整える
冬でも、暖房がきいた部屋では室温が高くなりすぎることがあります。できれば、室温18〜20度くらいの涼しい場所で作業するのがベストです。
また、道具も冷やしておくといいですよ。めん棒や作業台を冷蔵庫や冷凍庫で少し冷やしておくと、バターが溶けにくくなります。

伸ばし作業の合間には、必ず冷蔵庫で15〜30分休ませてください。この休憩時間が、生地を安定させて、次の作業をしやすくするポイントになります。
デニッシュ系パンは難しい?コツを押さえれば初心者でも成功できる
「クロワッサンって難しそう…」
そう思われるかもしれませんね。確かに、普通のパンより工程は多いですし、気をつけるポイントもたくさんあります。
でも、ポイントさえ理解すれば、失敗を防ぐことができるんです。
私の教室でも、初めてパン作りに挑戦する方が、綺麗な層のクロワッサンを焼き上げています。「できた!」という達成感と、焼きたてのサクサク食感。その喜びは、普通のパンとはまた違った特別なものがあるんですよ。


まとめ
クロワッサンが冬に作りやすい理由、おわかりいただけたでしょうか。
バターが溶けにくい冬の環境こそが、初心者でも失敗なくクロワッサンを作れる秘訣なんです。
最後に、成功のための3つのポイントをもう一度おさらいしておきますね。
- 生地とバターの硬さを揃える – 同じくらいの弾力を保つ
- 素早く丁寧に伸ばす – 3〜5分を目安に、途中で冷やしながら
- 冷蔵庫をうまく活用する – バターが柔らかくなったらすぐ冷やす
この冬、ぜひクロワッサン作りに挑戦してみてください。焼きたてのサクサク食感は、本当に格別ですよ。
あなたのキッチンから、バターの香ばしい香りが広がる日を楽しみにしています!
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