パン作りってどれくらい時間がかかるか想像できますか?
パン作りをしたことのない人にとっては、未知の世界かもしれませんね。手軽に作れるからとホームベーカリーを買った人の中でも、パンが出来上がるまでに意外と時間がかかるんだと、買ってから知った、驚いたという方も多いんです。
一方で、パン作りが趣味な方や少し勉強したことのある人なら、「まあ、こんなもんでしょう。普通にこのくらい時間かかるよね」と思うはず。普段お米を炊いている人が、米が炊けるまでにどのくらい時間がかかるか想像できるように、パンも大体このくらいはかかるなと予測がつくものなんです。
この記事では、ホームベーカリーで実際に何時間かかるのか、そしてなぜそんなに時間が必要なのかを分かりやすく解説していきます。購入を検討している方も、すでに使っていて「思ったより時間がかかる」と感じている方も、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

私がこの記事を書ける理由
私はパン作りを趣味として長年続けてきました。手ごねでのパン作りはもちろん、ホームベーカリーも愛用しています。
その中で、多くの方が「ホームベーカリーを買ったけど、思ったより時間がかかってびっくりした」という口コミを書いているのを見てきました。通販サイトのレビュー欄には、「初めから知りたかった」「もっと早くできると思っていた」という声がたくさんあります。
パンの発酵や酵母の仕組みについて学んできた経験から、なぜホームベーカリーでも時間がかかるのか、その理由をしっかりお伝えできると思い、この記事を書くことにしました。「購入前に知りたかった」という声に応えたい、そんな想いで書いています。
ホームベーカリーでパンを作ると実際に何時間かかる?
一般的な食パン作りの所要時間は2〜4時間
結論から言うと、パン作りには早くても2〜4時間ほどは普通にかかります。これはホームベーカリーを使っても同じこと。
世の中には「時短パン」とか「こね3分でできちゃう」などという言葉が飛び交っているから、パンってすぐできるんだ!と勘違いしてしまうのでしょう。でも実際は、ホームベーカリーだから10分20分でできるわけではないのです。
「こね3分」というのは、あくまで「こねる作業」だけの時間。パン作りには、こねる以外にも発酵や焼成といった工程があり、それぞれに時間がかかるんですね。

ホームベーカリーの工程別時間の内訳
ホームベーカリーで食パンを作る場合、実際にどんな工程があって、それぞれ何分かかるのか見てみましょう。
- こね:約25分
- 一次発酵:約60〜90分
- ガス抜き・成形:数分
- 二次発酵:約40〜60分
- 焼成:約50分
これらを合計すると、最短でも約2時間半、標準的なコースだと3〜4時間はかかる計算になります。
機種やコースによって多少の違いはありますが、基本的な流れと所要時間はどのホームベーカリーでも大きく変わりません。
「ホームベーカリーなのに時間がかかる」口コミが多い理由
10分20分でできると勘違いしている人が多い
ホームベーカリーの口コミには、こんな内容をよく見かけます。
- 「パン作りにこんなに時間がかかるなんて知らなかった」
- 「初めから知りたかった」
- 「もっと早くできると思っていた」
これらの口コミを書いている方は、おそらく家電製品だからもっと短時間でできると思っていたのでしょう。炊飯器でご飯を炊くように、セットしたら30分〜1時間くらいで完成するイメージを持っていたのかもしれません。
でも、パン作りは炊飯とは根本的に違うプロセスなんです。

発酵時間は短縮できない絶対的な時間
なぜパン作りに時間がかかるのか。それは、発酵という工程が絶対に必要だからです。
発酵時間は、どんなに技術が進歩しても、どんなに高性能な機械を使っても、基本的に短縮できません。 なぜなら、発酵は生き物である酵母の活動だからです。
この「生き物の活動」という部分が、パン作りに時間がかかる最大の理由なんですね。
なぜホームベーカリーでパンを作るのに時間がかかるのか?発酵の仕組みを解説
酵母は生きている微生物だから時間が必要
パン作りには酵母を使います。酵母はパンを膨らませる元になるもの。この酵母は自然界に存在する菌(微生物)なので、実は生き物なんですね。
生き物である酵母が活動することで、パン生地の中で二酸化炭素が発生し、その気泡がパンを膨らませます。同時に、アルコールや香り成分も作られて、パンならではの風味が生まれるんです。
つまり、パンの美味しさは、酵母という生き物がゆっくり時間をかけて活動してくれるおかげなんですね。


温度と時間の関係性が美味しさを左右する
酵母は暖かいところが好きで、もちろん適温があります。これは人間と同じですね。
人間も40度以上の場所で活発に活動できますか?サウナの中で仕事はできませんよね。逆に10度以下の環境ではどうでしょう?体が温まり活動できるまでに時間がかかりますよね。
酵母も同じです。活動しやすい温度帯は約28〜35度と言われています。この温度帯で、酵母は最も活発に活動してくれます。
ホームベーカリーはこねた後、発酵に移りますが、この時、酵母が活動しやすい温度帯に自動で調整してくれます。温度センサーやヒーターを使って、パン生地を最適な環境に保ってくれるんです。
美味しいパンを作ろうと思ったら、時間と温度はとても大切なんです。温度が高すぎても低すぎても美味しくない、時間が早すぎてもかかりすぎてもふわふわにならない。この絶妙なバランスでパン作りを自動でしてくれているのがホームベーカリーなんですね。
発酵に1時間以上かかる理由
酵母が活動して、パン生地が適正値まで膨らむのにはどうしても1時間ほどはかかってしまいます。
これは酵母の活動スピードによるもので、急がせることはできません。無理に温度を上げて早く発酵させようとすると、酵母が死んでしまったり、パンの味が悪くなったりします。
逆に、温度が低すぎると発酵が進まず、いつまで経ってもパンが膨らみません。
この微生物が活動することで旨みが出たり膨らんだりするので、当然時間がかかるんです。これは自然の摂理であり、どうしても変えられない部分なんですね。

ホームベーカリー購入前に確認すべきこと
取扱説明書(PDF)をネットで事前チェック
もし、ホームベーカリーの詳細を知りたかったら、取扱説明書を見るといいです。
「まだ購入していないのに取扱説明書なんて見られないでしょ?」と思うかもしれませんが、実は購入していなくても、ネット上に取扱説明書のPDFを閲覧することができます。
多くのメーカーが公式サイトで製品の取扱説明書をPDF形式で公開しています。例えば、アイリスオーヤマのホームベーカリーなら、こちらから見られます。
https://www.irisohyama.co.jp/products/manual/pdf/516395.pdf取扱説明書には、各コースの所要時間が詳しく書かれています。
- 食パンコース:約4時間
- 早焼きコース:約2時間半
- ソフト食パンコース:約4時間半
こんな風に、コースごとの時間が明記されているので、購入前に「こんなに時間がかかるんだ」ということが分かります。
また、必要な材料(強力粉、砂糖、塩、バター、水、ドライイースト)の分量も書かれているので、ランニングコストの計算もできますね。

口コミだけでなく公式情報を見ることの重要性
通販サイトの口コミや商品説明を見るのも一つの方法ですが、このように取扱説明書を見て、食パンを作るならどれくらい時間がかかって、材料はどんなものを使うのだろう?と調べてみるのも一つの方法ですよ。
口コミは実際のユーザーの声なので参考になりますが、主観的な感想も多く含まれます。「思ったより時間がかかる」という口コミも、その人がどれくらいの時間を想定していたかによって意味が変わってきますよね。
一方、取扱説明書は客観的な事実が書かれています。所要時間、使用材料、操作方法など、最も正確な情報源です。
購入を検討する際は、口コミと取扱説明書の両方をチェックすることをおすすめします。
ホームベーカリーの時間がかかるのは当たり前!美味しいパン作りには理由がある
時間をかけることで得られる美味しさ
ここまで読んで、「やっぱりホームベーカリーは時間がかかるんだな」と思ったかもしれません。
でも、これは決してデメリットではありません。
時間をかけることで、酵母がじっくり活動し、パンに深い味わいと香りが生まれます。ふっくらとした食感、小麦の甘み、ほのかな酸味。これらはすべて、時間をかけた発酵の賜物なんです。
ホームベーカリーは、この絶妙な温度と時間のバランスを自動で最適化してくれます。あなたは材料を入れてスイッチを押すだけ。手間はかからないが時間はかかる、それがホームベーカリーなんですね。

「待つ時間」を理解して賢く使おう
ホームベーカリーは時間がかかります。でも、その時間はあなたが作業する時間ではありません。
材料を入れてスイッチを押したら、あとはホームベーカリーが全自動でやってくれます。その間、あなたは自由に過ごせるんです。
特に便利なのがタイマー機能。夜寝る前に材料をセットして、翌朝焼き上がるようにタイマーをかけておけば、目覚めたときには焼きたてのパンの香りが部屋中に広がっています。
- 朝7時に焼き上がるようにセット→前日の夜にセット
- 夕食に合わせて焼き上がるようにセット→朝出かける前にセット
こんな風に、ライフスタイルに合わせて使えば、時間がかかることはむしろメリットになります。
「待つ時間」を理解して、上手に活用することで、ホームベーカリーはとても便利な家電になりますよ。
まとめ:ホームベーカリーは2〜4時間かかることを理解して購入しよう
ここまで、ホームベーカリーでパンを作るのに何時間かかるのか、そしてなぜ時間が必要なのかを解説してきました。
最後にポイントをまとめます。
• パン作りには必ず発酵時間が必要(生き物である酵母の活動時間)
• ホームベーカリーでも2〜4時間は普通にかかる
• 発酵時間は短縮できない絶対的な時間
• 購入前に取扱説明書で所要時間を確認しよう
• 時間がかかるからこそ美味しいパンができる
ホームベーカリーは「手間をかけずに本格的なパンが作れる」家電です。「時間をかけずに」ではありません。この違いを理解しておけば、購入後に「こんなはずじゃなかった」とガッカリすることもありません。
通販サイトの口コミを見ると、「時間がかかることを知らなかった」という声が多いですが、この記事を読んだあなたは大丈夫。時間はかかるけれど、その分美味しいパンが自動で作れるということを理解できたはずです。
待つ時間を楽しむ心構えで、ぜひホームベーカリー生活を始めてみてくださいね。朝起きたときの焼きたてパンの香りは、本当に幸せな気持ちにさせてくれますよ。
━━━━━━━━━━━━━━━
🎁 メルマガ:電子書籍PDF版(1000円相当)を無料プレゼント中!
━━━━━━━━━━━━━━━フリーゼのメールマガジンでは、「レッスンのご案内」、「パン作りのコツやポイント」、「講師のつぶやき」などを配信しています。
メルマガ登録してくださった方には、Amazon Kindleで出版中の書籍『「こねる」からはじまる、おいしいパン作り』PDF版(1000円相当)を無料でプレゼントしています💝
ぜひ受け取ってくださいね♪👉 [メルマガ登録はこちら]
━━━━━━━━━━━━━━━
🥐 こだわり酵母パン教室フリーゼについて
━━━━━━━━━━━━━━━フリーゼでは、対面レッスン・オンラインレッスン随時受付中!
詳細はホームページをご覧ください♪👉 [ホームページはこちら]


コメント