バゲット作りで「クープが立たない」と悩んでいませんか?
パン教室で生徒様とレッスンをしていると、「今日はクープがうまく入らなかった〜」「立ち上がらなくて残念…」という声をよく聞きます。
実は、私も初心者の頃は同じように悩んでいました。クープがバリッと立ち上がっていないと、失敗したような気持ちになっていたんです。
でも、本当に美味しいバゲットの条件は、クープの立ち上がりではありません。
私の師匠であるプロのパン職人から学んだのは、「見た目より、味わいと食感が大切」ということ。この考え方に出会ってから、私のバゲット作りは大きく変わりました。
今日は、本当に美味しいバゲットとは何か、そしてクープが立たなくても気にしなくていい理由をお話しします。


私がこの記事を書ける理由
私は、パン教室を主宰している講師です。
これまで多くの生徒様にバゲットの作り方を教えてきましたが、私自身も最初からうまく作れていたわけではありません。初心者時代は失敗ばかりで、何度も落ち込みました。
そんな私が変われたのは、プロのパン職人である師匠との出会いがあったからです。
師匠のバゲットは、見た目は派手ではありません。でも一口食べた瞬間、「これが本当のバゲットなんだ」と衝撃を受けました。その味わいに惚れ込んで、何度も通って学ばせていただきました。
今では、その師匠から学んだレシピを教室で生徒様に伝えています。生徒様からも「今までのバゲットと全然違う!」「こんなに美味しいバゲットが作れるなんて」と喜んでいただいています。
そんな経験をもとに、本当に美味しいバゲットの条件についてお伝えしていきますね。

バゲット作りでよくある誤解「クープが立たない=失敗」
生徒様が陥りがちな悩み
レッスンでバゲットを焼き上げた後、「クープが立ち上がらなかった…」と肩を落とす生徒様をよく見かけます。
クープというのは、バゲットの表面に入れる切り込みのこと。焼成中にこの切り込みが開いて立ち上がると、見た目がとても美しくなります。
SNSやパン屋さんで見るバゲットは、クープがバリッと立ち上がっているものが多いですよね。だから、「クープが立っていないと失敗」という思い込みが生まれてしまうんです。
でも、ちょっと待ってください。
バゲットって、何のために作るんでしょうか?写真を撮るため?それとも、美味しく食べるため?

私も初心者の頃は同じでした
実は、私も最初は「クープが立たない=失敗」だと思っていました。
バゲットといえば、クープがバリッと立ち上がっていて、中身はスカスカの大きな気泡が入っているもの。そういうイメージを持っていたんです。
だから、クープがうまく入らないと「また失敗しちゃった」と落ち込んでいました。何度も練習して、クープの入れ方を研究して、立ち上がらせることばかり考えていました。
でも師匠のバゲットに出会って、その考えは180度変わりました。
師匠が教えてくれた本当に美味しいバゲットの条件
師匠のバゲットを初めて食べた時のことは、今でも忘れられません。
クープはそれほど立ち上がっていない。でも、一口食べた瞬間、口の中に広がる旨味と優しい食感に衝撃を受けたんです。
「バゲットって、こんなに美味しかったんだ…」
そこから私は、師匠に「どうしたらこんなバゲットが作れるんですか?」と何度も質問しました。
そして師匠が教えてくれたのが、美味しいバゲットの3つの条件です。
条件①気泡が全体的に均等に入っている
美味しいバゲットの1つ目の条件は、気泡が均等に入っていることです。
「気泡が大きければいい」と思っている方も多いのですが、実はそうではありません。
大きな気泡がポツポツあるより、小さめから中くらいの気泡が全体に均等に入っている方が、食感が良くなります。これは、発酵がしっかりと均一に進んでいる証拠なんです。
均等な気泡は、生地の中に空気がバランスよく含まれていることを意味します。この状態だと、パンを食べた時に口当たりが滑らかで、もっちりとした食感が楽しめるんですね。
逆に、気泡が偏っていたり、大きすぎる穴があると、食感がボソボソしたり、パサついてしまうことがあります。
見た目のインパクトより、食べた時の満足感。これが大切なんです。

条件②味わいが濃厚である
2つ目の条件は、味わいが濃厚であることです。
師匠のバゲットは、麹の酵母を使っています。この麹酵母が、小麦の旨味や甘みを最大限に引き出してくれるんです。
噛めば噛むほど、口の中に広がる深い味わい。何もつけなくても、そのままで十分美味しい。
そして特に感動したのが、トーストした時に感じる焼き餅のようなお米の風味。麹を使っているからこそ生まれる、独特の香ばしさと甘みがあるんです。
「バゲットって、こんなに味が濃いんだ」
初めて食べた時、そう思いました。
一般的なバゲットは、シンプルだからこそ素材の味がダイレクトに出ます。でも逆に言えば、発酵が不十分だったり、酵母の力が弱いと、味が薄くなってしまうんですね。
本当に美味しいバゲットは、バター不要。そのまま食べても満足できる味わいがあります。

条件③食感が良い(しっとりもっちり)
そして3つ目の条件が、食感の良さです。
師匠は「口の中を怪我しないバゲット」を目指していると言っていました。
確かに、バゲットの皮が硬すぎると、口の中の粘膜を傷つけてしまうことがありますよね。特に焼きたては、皮がガリガリに硬くなりがちです。
でも師匠のバゲットは違います。
外側の皮はバリッとしているけど、硬すぎない。そして中身はしっとりもっちり。
この食感のバランスが絶妙なんです。
さらに面白いのが、時間が経つと皮もしっとりしてくること。焼きたてはパリッとしていた皮が、少し時間を置くと程よく水分を含んで、また違った美味しさになるんです。
朝焼いたバゲットを、お昼や夕方に食べても美味しい。これって、すごいことだと思いませんか?

クープが立っていなくても美味しいバゲットは作れる
師匠のバゲットに惚れ込んだ理由
ここまで読んでいただいて、お気づきかもしれません。
師匠のバゲットの説明で、「クープが立ち上がっている」という話は一度も出てきていないんです。
実際、師匠のバゲットはクープが控えめです。でも、しっかりと膨らんでいます。気泡も均等に入っています。そして何より、圧倒的に美味しい。
師匠は言っていました。
「クープが立っているからいいバゲットじゃない。大切なのは、食べた人が幸せになれるかどうかだよ」
この言葉を聞いた時、私の中で何かが変わりました。
見た目の美しさを追求するのではなく、食べた時の満足度を追求する。これが、本当のパン作りなんだと気づいたんです。

見た目の美しさと美味しさは別物
もちろん、見た目も大切です。美しいバゲットを見ると、テンションが上がりますよね。
でも、SNS映えするバゲットと、本当に美味しいバゲットは、必ずしも一致しません。
クープがバリバリに立ち上がっているバゲットは、確かに写真映えします。でも、そのために生地を乾燥気味にしたり、無理な発酵をさせたりすると、味や食感が犠牲になることもあるんです。
プロのパン職人が重視しているのは、「食べた時の満足度」。
見た目はその次です。
だから、あなたが作ったバゲットのクープが立ち上がらなくても、全く問題ありません。気泡が均等で、味わい深く、食感が良ければ、それは素晴らしいバゲットです。
私が教室で伝えているバゲット作りのポイント
初心者の方へ伝えたいこと
私が教室でいつも生徒様にお伝えしているのは、「クープの立ち上がりに一喜一憂しなくていい」ということです。
バゲット作りを始めたばかりの頃は、どうしても見た目が気になってしまいます。でも、本当に大切なのは、味わい・食感・気泡の3つ。
これらがしっかりできていれば、あなたのバゲットは成功です。
特に初心者の方は、まずは生地の状態を見極めることに集中してください。
- 発酵はしっかり進んでいるか
- 生地の弾力はどうか
- 成形の時、生地を傷めていないか
こういった基本をしっかり押さえることで、自然と美味しいバゲットが作れるようになります。
麹酵母を使った深い味わいの作り方
私の教室では、師匠から学んだ麹種を使ったバゲットを教えています。
麹種は、天然酵母の一種。時間をかけてゆっくり発酵させることで、小麦本来の甘みや旨味を引き出すことができます。
発酵に時間はかかりますが、その分、深い味わいとしっとりもっちりの食感が生まれるんです。
ポイントは、発酵時間と温度管理。
急いで発酵させようと温度を上げすぎると、酵母が元気になりすぎて、味が薄くなってしまいます。逆に、低温でじっくり時間をかけることで、酵母がゆっくり働き、旨味成分が増えていくんですね。
最初は時間がかかって大変かもしれません。でも、焼き上がったバゲットを食べた時の感動は、その苦労を忘れさせてくれますよ。

まとめ:美味しいバゲットは見た目じゃない
ここまで長く読んでいただき、ありがとうございます。
最後にもう一度、大切なことをお伝えしますね。
バゲットの美味しさは、気泡・味わい・食感で決まります。クープの立ち上がりではありません。
もしあなたが作ったバゲットのクープが立ち上がらなくても、落ち込む必要はありません。断面を見て、気泡が均等に入っていたら、それは良い発酵ができている証拠です。
食べてみて、味わい深く、もっちりした食感があれば、それは素晴らしいバゲットです。
私は師匠から、「本当のバゲットの美味しさ」を学びました。それは見た目の派手さではなく、食べた人を幸せにする味わいと食感でした。
この本質を、これからも生徒様に伝え続けていきたいと思っています。
そして、この記事を読んでくださったあなたにも、ぜひ「美味しさ重視」のバゲット作りを楽しんでいただきたいです。
クープが立たなくても大丈夫。あなたのバゲットが、誰かを笑顔にできるなら、それが最高のバゲットです。
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