美味しいバゲットの条件とは?クープより大切な3つのポイント

バゲット作りで「クープが立たない」と悩んでいませんか?

パン教室で生徒様とレッスンをしていると、「今日はクープがうまく入らなかった〜」「立ち上がらなくて残念…」という声をよく聞きます。

実は、私も初心者の頃は同じように悩んでいました。クープがバリッと立ち上がっていないと、失敗したような気持ちになっていたんです。

でも、本当に美味しいバゲットの条件は、クープの立ち上がりではありません

私の師匠であるプロのパン職人から学んだのは、「見た目より、味わいと食感が大切」ということ。この考え方に出会ってから、私のバゲット作りは大きく変わりました。

今日は、本当に美味しいバゲットとは何か、そしてクープが立たなくても気にしなくていい理由をお話しします。

バゲット
バゲット

私がこの記事を書ける理由

私は、パン教室を主宰している講師です。

これまで多くの生徒様にバゲットの作り方を教えてきましたが、私自身も最初からうまく作れていたわけではありません。初心者時代は失敗ばかりで、何度も落ち込みました。

そんな私が変われたのは、プロのパン職人である師匠との出会いがあったからです。

師匠のバゲットは、見た目は派手ではありません。でも一口食べた瞬間、「これが本当のバゲットなんだ」と衝撃を受けました。その味わいに惚れ込んで、何度も通って学ばせていただきました。

今では、その師匠から学んだレシピを教室で生徒様に伝えています。生徒様からも「今までのバゲットと全然違う!」「こんなに美味しいバゲットが作れるなんて」と喜んでいただいています。

そんな経験をもとに、本当に美味しいバゲットの条件についてお伝えしていきますね。

バゲットのレッスン中

バゲット作りでよくある誤解「クープが立たない=失敗」

生徒様が陥りがちな悩み

レッスンでバゲットを焼き上げた後、「クープが立ち上がらなかった…」と肩を落とす生徒様をよく見かけます。

クープというのは、バゲットの表面に入れる切り込みのこと。焼成中にこの切り込みが開いて立ち上がると、見た目がとても美しくなります。

SNSやパン屋さんで見るバゲットは、クープがバリッと立ち上がっているものが多いですよね。だから、「クープが立っていないと失敗」という思い込みが生まれてしまうんです。

でも、ちょっと待ってください。

バゲットって、何のために作るんでしょうか?写真を撮るため?それとも、美味しく食べるため?

フランスパン4:3

私も初心者の頃は同じでした

実は、私も最初は「クープが立たない=失敗」だと思っていました。

バゲットといえば、クープがバリッと立ち上がっていて、中身はスカスカの大きな気泡が入っているもの。そういうイメージを持っていたんです。

だから、クープがうまく入らないと「また失敗しちゃった」と落ち込んでいました。何度も練習して、クープの入れ方を研究して、立ち上がらせることばかり考えていました。

でも師匠のバゲットに出会って、その考えは180度変わりました。


師匠が教えてくれた本当に美味しいバゲットの条件

師匠のバゲットを初めて食べた時のことは、今でも忘れられません。

クープはそれほど立ち上がっていない。でも、一口食べた瞬間、口の中に広がる旨味と優しい食感に衝撃を受けたんです。

「バゲットって、こんなに美味しかったんだ…」

そこから私は、師匠に「どうしたらこんなバゲットが作れるんですか?」と何度も質問しました。

そして師匠が教えてくれたのが、美味しいバゲットの3つの条件です。

条件①気泡が全体的に均等に入っている

美味しいバゲットの1つ目の条件は、気泡が均等に入っていることです。

「気泡が大きければいい」と思っている方も多いのですが、実はそうではありません。

大きな気泡がポツポツあるより、小さめから中くらいの気泡が全体に均等に入っている方が、食感が良くなります。これは、発酵がしっかりと均一に進んでいる証拠なんです。

均等な気泡は、生地の中に空気がバランスよく含まれていることを意味します。この状態だと、パンを食べた時に口当たりが滑らかで、もっちりとした食感が楽しめるんですね。

逆に、気泡が偏っていたり、大きすぎる穴があると、食感がボソボソしたり、パサついてしまうことがあります。

見た目のインパクトより、食べた時の満足感。これが大切なんです。

バゲット

条件②味わいが濃厚である

2つ目の条件は、味わいが濃厚であることです。

師匠のバゲットは、麹の酵母を使っています。この麹酵母が、小麦の旨味や甘みを最大限に引き出してくれるんです。

噛めば噛むほど、口の中に広がる深い味わい。何もつけなくても、そのままで十分美味しい。

そして特に感動したのが、トーストした時に感じる焼き餅のようなお米の風味麹を使っているからこそ生まれる、独特の香ばしさと甘みがあるんです。

「バゲットって、こんなに味が濃いんだ」

初めて食べた時、そう思いました。

一般的なバゲットは、シンプルだからこそ素材の味がダイレクトに出ます。でも逆に言えば、発酵が不十分だったり、酵母の力が弱いと、味が薄くなってしまうんですね。

本当に美味しいバゲットは、バター不要。そのまま食べても満足できる味わいがあります。

トースターでパンを焼いている様子

条件③食感が良い(しっとりもっちり)

そして3つ目の条件が、食感の良さです。

師匠は「口の中を怪我しないバゲット」を目指していると言っていました。

確かに、バゲットの皮が硬すぎると、口の中の粘膜を傷つけてしまうことがありますよね。特に焼きたては、皮がガリガリに硬くなりがちです。

でも師匠のバゲットは違います。

外側の皮はバリッとしているけど、硬すぎない。そして中身はしっとりもっちり。

この食感のバランスが絶妙なんです。

さらに面白いのが、時間が経つと皮もしっとりしてくること。焼きたてはパリッとしていた皮が、少し時間を置くと程よく水分を含んで、また違った美味しさになるんです。

朝焼いたバゲットを、お昼や夕方に食べても美味しい。これって、すごいことだと思いませんか?

バゲット

クープが立っていなくても美味しいバゲットは作れる

師匠のバゲットに惚れ込んだ理由

ここまで読んでいただいて、お気づきかもしれません。

師匠のバゲットの説明で、「クープが立ち上がっている」という話は一度も出てきていないんです。

実際、師匠のバゲットはクープが控えめです。でも、しっかりと膨らんでいます。気泡も均等に入っています。そして何より、圧倒的に美味しい。

師匠は言っていました。

「クープが立っているからいいバゲットじゃない。大切なのは、食べた人が幸せになれるかどうかだよ」

この言葉を聞いた時、私の中で何かが変わりました。

見た目の美しさを追求するのではなく、食べた時の満足度を追求する。これが、本当のパン作りなんだと気づいたんです。

バゲット

見た目の美しさと美味しさは別物

もちろん、見た目も大切です。美しいバゲットを見ると、テンションが上がりますよね。

でも、SNS映えするバゲットと、本当に美味しいバゲットは、必ずしも一致しません。

クープがバリバリに立ち上がっているバゲットは、確かに写真映えします。でも、そのために生地を乾燥気味にしたり、無理な発酵をさせたりすると、味や食感が犠牲になることもあるんです。

プロのパン職人が重視しているのは、「食べた時の満足度」。

見た目はその次です。

だから、あなたが作ったバゲットのクープが立ち上がらなくても、全く問題ありません。気泡が均等で、味わい深く、食感が良ければ、それは素晴らしいバゲットです。


私が教室で伝えているバゲット作りのポイント

初心者の方へ伝えたいこと

私が教室でいつも生徒様にお伝えしているのは、「クープの立ち上がりに一喜一憂しなくていい」ということです。

バゲット作りを始めたばかりの頃は、どうしても見た目が気になってしまいます。でも、本当に大切なのは、味わい・食感・気泡の3つ

これらがしっかりできていれば、あなたのバゲットは成功です。

特に初心者の方は、まずは生地の状態を見極めることに集中してください。

  • 発酵はしっかり進んでいるか
  • 生地の弾力はどうか
  • 成形の時、生地を傷めていないか

こういった基本をしっかり押さえることで、自然と美味しいバゲットが作れるようになります。

麹酵母を使った深い味わいの作り方

私の教室では、師匠から学んだ麹種を使ったバゲットを教えています。

麹種は、天然酵母の一種。時間をかけてゆっくり発酵させることで、小麦本来の甘みや旨味を引き出すことができます。

発酵に時間はかかりますが、その分、深い味わいとしっとりもっちりの食感が生まれるんです。

ポイントは、発酵時間と温度管理。

急いで発酵させようと温度を上げすぎると、酵母が元気になりすぎて、味が薄くなってしまいます。逆に、低温でじっくり時間をかけることで、酵母がゆっくり働き、旨味成分が増えていくんですね。

最初は時間がかかって大変かもしれません。でも、焼き上がったバゲットを食べた時の感動は、その苦労を忘れさせてくれますよ。

自家製酵母の麹種

まとめ:美味しいバゲットは見た目じゃない

ここまで長く読んでいただき、ありがとうございます。

最後にもう一度、大切なことをお伝えしますね。

バゲットの美味しさは、気泡・味わい・食感で決まります。クープの立ち上がりではありません。

もしあなたが作ったバゲットのクープが立ち上がらなくても、落ち込む必要はありません。断面を見て、気泡が均等に入っていたら、それは良い発酵ができている証拠です。

食べてみて、味わい深く、もっちりした食感があれば、それは素晴らしいバゲットです。

私は師匠から、「本当のバゲットの美味しさ」を学びました。それは見た目の派手さではなく、食べた人を幸せにする味わいと食感でした。

この本質を、これからも生徒様に伝え続けていきたいと思っています。

そして、この記事を読んでくださったあなたにも、ぜひ「美味しさ重視」のバゲット作りを楽しんでいただきたいです。

クープが立たなくても大丈夫。あなたのバゲットが、誰かを笑顔にできるなら、それが最高のバゲットです。


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