みなさん、パネトーネをご存知ですか?
「名前は聞いたことあるけど、食べたことはない」 「シュトーレンは知ってるけど、パネトーネはよく分からない」
こんな方、けっこう多いのではないでしょうか。
実は私もそうでした。
パン教室の講師をしている私ですが、つい2〜3年前までパネトーネを食べたことがなかったんです。正直に言うと、「なんだか地味そうだし、本当に美味しいのかな?」と思っていました。
ところが、あるきっかけで本物のパネトーネを口にした瞬間、その考えは一瞬で吹き飛びました。
あまりの美味しさに驚いて、自宅で家族に食べさせたら…なんと最後の一切れを巡って取り合いが発生!
この記事では、パネトーネってどんな味なのか、食わず嫌いだった私の体験談を交えながらお伝えします。「気になってるけど、まだ食べたことない」という方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

この記事を書いている私について
本題に入る前に、少しだけ自己紹介をさせてください。
私は現在、パン教室の講師をしています。パン作りを本格的に学び始めたのは数年前。パン屋さんのシェフに直接教わる機会がありました。
そのシェフから教わったパンのひとつが、今回ご紹介するパネトーネです。
教室では生徒様にもパネトーネをお伝えしていますが、「初めて食べました!」「こんなに美味しいとは思わなかった!」という声をたくさんいただきます。
つまり、パネトーネの美味しさを知らない人がまだまだ多いということ。
だからこそ、この記事で「パネトーネってこんなパンなんだよ」ということをお伝えしたいと思いました。
パネトーネとは?イタリア生まれのお祝いパン
まずは基本的なところから。
パネトーネってそもそも何? という方のために、簡単にご説明しますね。
クリスマスや誕生日に贈られる特別なパン
パネトーネは、イタリア・ミラノ発祥の伝統的なパンです。
イタリアでは、クリスマスや誕生日、引越し祝いなど、特別な日に贈られるお祝いのパンとして親しまれています。日本でいうと、お祝いの席で出てくる紅白まんじゅうや赤飯のような存在でしょうか。
とはいえ、最近のイタリアでは一年中食べられているそうですよ^^

シュトーレンとパネトーネの違い
「クリスマスのパン」と聞くと、多くの方が思い浮かべるのはシュトーレンではないでしょうか。
シュトーレンはドイツ発祥で、日本でもすっかり定番になりましたよね。12月になるとパン屋さんやケーキ屋さんでよく見かけます。
では、シュトーレンとパネトーネは何が違うのでしょうか?
| シュトーレン | パネトーネ | |
|---|---|---|
| 発祥 | ドイツ | イタリア |
| 食感 | ずっしり、しっとり | ふわふわ、軽い |
| 甘さ | 粉糖たっぷりで甘め | 優しい甘さ |
| 食べ方 | 薄くスライス | 大きめにカット |
| 日持ち | 長い(2週間〜1ヶ月) | 長い(独自酵母のおかげ) |
一番の違いは食感です。
シュトーレンはずっしりとした重みがあり、薄くスライスして少しずつ味わいます。一方、パネトーネは驚くほどふわふわで軽いんです。
この「軽さ」が、パネトーネ最大の魅力といっても過言ではありません。
正直、最初は期待していなかった【私の偏見】
ここからは、私の正直な気持ちをお話しします。
「食パンの大きいバージョン」だと思っていた
パネトーネの存在は以前から知っていました。でも、食べてみようという気持ちには、なかなかなれなかったんです。
その理由は、見た目の地味さ。
写真で見ると、なんだか「大きな食パン」に見えませんか?茶色くてドーム型で、華やかさがない。ケーキのようなキラキラ感もない。
「これがお祝いのパン?」
失礼ながら、そう思っていました。
ドライフルーツが苦手な人にはキツそう…という先入観
もうひとつ気になっていたのが、ドライフルーツの存在です。
パネトーネにはオレンジピールやレモンピール、レーズンなどがたっぷり入っています。ドライフルーツって、ものによってはエグ味があったり、独特の風味が強かったりしますよね。
「甘さ控えめで、ドライフルーツの味がガツンときそう…」
勝手にそんなイメージを持っていました。
今思えば、完全な偏見です。でも、食べたことがないと、どうしてもイメージだけで判断してしまいますよね。同じように思っている方も多いのではないでしょうか。

偏見が覆った瞬間|本物のパネトーネを食べてみたら
そんな私の偏見が、一瞬で消え去る出来事がありました。
プロのシェフが作るパネトーネとの出会い
きっかけは、私にパン作りを教えてくださったシェフが作ったパネトーネを食べたことでした。
シェフが「パネトーネ、みんなで試食しましょう」と作ったばかりのパネトーネをカットしてくれました。
正直、あまり期待せずに口に運びました。
その瞬間——
「え!!パネトーネってこんなに美味しいの!?」
思わず声が出ました。
フワフワ食感とレモン・オレンジピールの爽やかさに感動
まず驚いたのは、そのふわふわの食感です。
口に入れた瞬間、ふわっと溶けていくような軽さ。「パンを食べている」というより、「上質なブリオッシュを食べている」という感覚に近いかもしれません。
そして、レモンピールとオレンジピールの爽やかな香りが口いっぱいに広がります。
私が心配していたドライフルーツのエグ味は、まったくありませんでした。むしろ、柑橘の爽やかさが生地の甘さと絶妙にマッチして、いくらでも食べられそうな軽さなんです。
ラムレーズンもいい味を出していて、バターたっぷりなのにペロリと食べられてしまう。
「なんで今まで食べなかったんだろう…」
心からそう思いました。
家族に食べさせてみた結果【取り合い発生】
この感動を家族にも味わってほしい!
そう思って、自宅でパネトーネを作り、家族に食べさせてみることにしました。
高校生・小学生・4歳児の反応
我が家には、高校生の娘、小学生の息子、そして4歳の娘がいます。
正直、ドライフルーツたっぷりのパンを子供たちが喜ぶかどうか、ちょっと不安でした。特に4歳の娘は好き嫌いが多い時期。「食べてくれるかな〜」と心配しながら出してみたんです。
すると——
「もっと欲しい!もう一個ちょうだい!」
「この上に乗ってるサクサクめちゃ美味しい!」

あっという間に売り切れてしまいました。
高校生の娘も「これ美味しい!何個でもいける!」と大絶賛。小学生の息子は黙々と食べ続け、気づいたら3切れ目に突入。
4歳の娘でさえ、パクパクとペロリ。
子供たちがこんなに食いつくとは、正直予想外でした。
最後の一切れを4分割した話
そして事件は起きました。
残り一切れになったとき、みんなの視線がそこに集中。夫も含めて「最後の一個、誰が食べる?」という無言の駆け引きが始まったんです。
結局、喧嘩にならないように最後の一切れを4分割することに。
均等に分けるのが大変でしたよ^^;
その様子を私はじーっと見ていました。作った本人が一番食べられないという…(笑)
でも、家族がこんなに喜んでくれるなら、それが一番嬉しいですよね。
パネトーネの味の特徴まとめ
ここで、パネトーネの味の特徴を改めて整理してみましょう。
軽い口当たりなのに満足感がある理由
パネトーネの最大の特徴は、「軽いのにリッチ」 という絶妙なバランスです。
配合を見ると、バター、卵黄、砂糖がたっぷり入った、いわゆる「リッチな生地」。普通なら重くなりそうですよね。
でも、パネトーネはパネトーネ種という特別な天然酵母を使って、長時間かけて発酵させます。この発酵のおかげで、リッチな配合なのに驚くほど軽い食感が生まれるんです。
だから、いくつ食べても胃もたれしない。むしろ「もう一切れ…」と手が伸びてしまう。
これがパネトーネの魔力です。
子供でも食べやすい優しい味わい
「ドライフルーツが入っているから、子供は苦手かも…」
そう思う方も多いかもしれません。私もそうでした。
でも実際は、4歳の子供でもペロリと食べられる優しい味わいなんです。
その理由は、質の良いドライフルーツを使っていること。そして、生地自体がふわふわで甘すぎないこと。柑橘の爽やかさが、子供でも食べやすいバランスに仕上げてくれています。
もちろん、個人差はあります。でも「うちの子、ドライフルーツ苦手だから…」と諦めるのは、ちょっともったいないかもしれません。
まとめ|クリスマスのパンにパネトーネという選択肢を
いかがでしたか?
パネトーネってどんな味? という疑問に、少しはお答えできたでしょうか。
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- パネトーネはイタリア・ミラノ発祥のお祝いパン
- シュトーレンとの最大の違いは「ふわふわで軽い食感」
- ドライフルーツのエグ味はなく、柑橘の爽やかさが魅力
- リッチな配合なのに、いくつでも食べられる軽さ
- 子供からお年寄りまで、幅広い世代に愛される味わい
日本ではまだまだ知名度が低いパネトーネ。でも、一度食べたらきっとファンになるはずです。
今年のクリスマスは、シュトーレンと一緒にパネトーネも食卓に並べてみませんか?
家族みんなで取り合いになるかもしれませんよ^^

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