発酵かご(バヌトン)の手入れ方法|洗わないが正解?長持ちのコツ

発酵かご

こんにちは!こだわり酵母パン教室フリーゼのひとちゃんです。

パン教室を運営していると、生徒様から「発酵かごって洗っていいんですか?」という質問をよくいただきます。初めて発酵かごを使った後、粉がたくさん残っているのを見ると、「これ、このままで大丈夫なの?」って不安になりますよね。

カンパーニュ作りに欠かせない発酵かごですが、実は洗ってしまうとカビや雑菌の原因になってしまうんです。正しいお手入れ方法を知らないと、せっかくの道具がダメになってしまうことも。

この記事では、教室で実際に指導している発酵かごを長く愛用するための正しい手入れ方法を、分かりやすくお伝えしますね。


発酵かご(バヌトン)とは?役割と使い方の基本

発酵かご

発酵かごが必要な理由

発酵かごは、別名「バヌトン」とも呼ばれています。主に籐(とう)という植物で編まれた、かご状の道具です。

カンパーニュのような水分量が多くて高さのある生地を発酵させるとき、発酵かごがないと、生地がダラ〜っと横に広がってしまうんです。せっかく丸く成形しても、時間が経つと平べったくなってしまって、理想的な形にならないんですね。

発酵かごを使うと、生地に「形を記憶させる」ことができます。かごの中で発酵した生地は、取り出した後もダラッと広がることなく、高さのある状態で形をキープしてくれるんです。これが発酵かごの一番の役割です。

また、籐でできている発酵かごは、生地の水分を程よく調整してくれる効果もあります。表面が適度に乾燥することで、焼いたときにきれいなクラスト(表皮)ができやすくなるんですよ。

発酵かごの使い方

発酵かご

発酵かごを使うときは、まず最初にかごの内側全体に粉を振ります。これをしないと、生地がかごにべったりくっついてしまって、取り出すときに大変なことになってしまいます。

私の教室では、食パン用の「超強力粉」を使っています。これは、粒子が細かくサラサラとして軽い粉だからです。

カンパーニュの表面についている、あの特徴的なしま模様。実はあれ、発酵かごに振った粉が生地についてできたものなんです。きれいな模様が入ると、見た目もぐっとプロっぽくなりますよね。

使い終わった発酵かごの表面には、振った粉がまだたっぷり残った状態になっています。この粉をどうするか、それがお手入れのポイントなんです。


【基本】籐製発酵かごの正しい手入れ方法

発酵かごは洗わないのが鉄則

ここが一番大切なポイントです。籐製の発酵かごは、基本的に洗いません。

「え、洗わないなんて不衛生じゃない?」と思うかもしれませんね。でも、実は洗ってしまう方が問題なんです。

籐は天然素材なので、水分を吸い込みやすい性質があります。洗ってしまうと、籐の奥深くまで水分が染み込んでしまい、なかなか乾燥しきれないんです。

湿った状態が続くと、カビや雑菌が繁殖する原因になってしまいます。せっかく清潔にしようと洗ったのに、逆効果になってしまうんですね。

それに、籐は水に弱く、繰り返し洗うと劣化が早まってしまいます。大切な道具を長く使うためにも、洗わないお手入れ方法を覚えておきましょう。

ブラシを使った粉の落とし方

では、粉が残ったままの発酵かごをどうやってお手入れするのか、具体的な手順をお伝えしますね。

【手順1】ブラシで擦る
まず、ブラシを使って発酵かごの内側をしっかり擦ります。隙間に入り込んでいる粉を浮かせるイメージです。

使うブラシは、硬めの毛のものがおすすめ。私はキッチン道具の専門店で見つけたブラシを発酵かご専用にして使っています。100円ショップのものでも十分ですし、新品の歯ブラシでもOK。

かごの編み目に沿って、丁寧に擦っていきましょう。力を入れすぎると籐が傷んでしまうので、適度な力加減で。

発酵かごとブラシ

【手順2】ひっくり返してトントン
ブラシで粉を浮かせたら、発酵かごをひっくり返して、底をトントンと叩きます。すると、隙間に入っていた粉がパラパラと落ちてきます。

ゴミ箱や袋などに受け止めましょう。

何度かトントンして、もう粉が落ちてこなくなるまで続けましょう。粉をしっかり落とし切ることが、カビ予防には大切なんです。

乾燥と保管方法

粉を落とし終わったら、あとはしっかり乾燥させるだけです。

風通しの良い場所に置いて、半日〜1日ほど自然乾燥させましょう。直射日光が当たる場所は避けてくださいね。籐が痛んでしまうことがあります。

完全に乾燥したことを確認したら、保管します。保管場所は湿気の少ない場所を選びましょう。

キッチンの引き出しやパントリーなど、湿気がこもりにくい場所がベストです。ビニール袋に入れて密閉してしまうと湿気がこもるので、布の袋に入れるか、そのまま棚に置いておく方がいいですよ。


洗いたい方におすすめ|プラスチック製発酵かごの手入れ

カンパーニュ

プラスチック製発酵かごのメリット

「どうしても洗いたい!」「衛生面が気になる」という方には、プラスチック製の発酵かごがおすすめです。

プラスチック製なら、使用後にしっかり水洗いができます。食器用洗剤とスポンジで普通に洗えるので、お手入れの心理的なハードルがぐっと下がりますよね。

形や機能は籐製とほとんど同じで、ちゃんとカンパーニュの形を保ってくれます。お値段も1000〜2000円ほどなので、初心者の方にも使いやすいかもしれません。

プラスチック製でも注意が必要

ただし、プラスチック製だからといって油断は禁物です。

プラスチック製の発酵かごも、作りの関係で隙間があり、粉が詰まりやすい構造になっています。洗った後に隙間に水分が残っていると、そこからカビや雑菌が繁殖してしまうリスクがあるんです。

洗った後は、しっかり水気を切って、完全に乾燥させることが大切です。

私のおすすめは、洗った後に逆さまにして水切りカゴに置き、さらに風通しの良い場所で半日ほど乾燥させる方法。特に編み目の隙間部分は乾きにくいので、触ってみて湿り気がないことを確認してから保管しましょう。


発酵かごを長持ちさせるためのポイント

カビ・雑菌を防ぐコツ

発酵かごを長く愛用するために、押さえておきたいポイントをまとめますね。

使用後は必ず乾燥
これは籐製でもプラスチック製でも共通です。使ったらすぐに粉を落とし、しっかり乾燥させる習慣をつけましょう。

「また明日使うから」といって、湿った状態で放置するのは絶対にNG。たった一晩でもカビが生えてしまうことがあります。

定期的なメンテナンス
月に1回程度は、いつもより念入りにブラシで擦って、細かい粉まで落としてあげましょう。長期間使わない場合は、保管前に特にしっかりメンテナンスしておくと安心です。

保管環境の見直し
もし発酵かごにカビが生えやすいと感じたら、保管場所を見直してみてください。湿気がこもりやすい場所になっていませんか?

キッチンは意外と湿気がたまりやすい場所です。換気をしっかりする、除湿剤を置くなど、工夫してみましょう。

籐製とプラスチック製、どちらを選ぶ?

発酵かご

それぞれの特徴を比較してみましょう。

籐製のメリット・デメリット

  • メリット:生地の水分調整がしやすい、仕上がりがきれい、伝統的で雰囲気がある
  • デメリット:洗えない、お手入れに少し手間がかかる

プラスチック製のメリット・デメリット

  • メリット:洗える、お手入れが簡単
  • デメリット:水分調整は籐ほどではない

どちらを選ぶべき?
使用頻度が高く、パン作りを本格的に楽しみたい方には籐製がおすすめです。仕上がりの美しさや使い心地は、やはり籐製に軍配が上がります。

一方、「まずは試してみたい」「お手入れの簡単さを重視したい」という方はプラスチック製から始めるのもいいでしょう。

実際、私の教室でも「たまにしか使わないし、洗いたいからプラスチックにする」という方や、「本格的に、美味しいパンにしたいから籐にする」という生徒様。それぞれ、ご自分のライフスタイルや自分に合ったパン作りによって決められています。


まとめ:発酵かごは丁寧な手入れで長く使える道具

発酵かごの手入れ、思っていたより簡単だと感じていただけたでしょうか?

籐製は「洗わずにブラシで粉を落とし、しっかり乾燥」が基本。どうしても洗いたい方はプラスチック製を選ぶのも一つの方法です。

大切なのは、使ったらすぐに手入れをする習慣をつけること。面倒に感じるかもしれませんが、慣れてしまえば5分もかからない作業です。

パン作りの道具は、正しくお手入れすることで、何年も、場合によっては何十年も使い続けることができます。

道具を大切に扱うことは、美味しいパンを焼くことにもつながります。ぜひ今日から、正しいお手入れ方法を実践してみてくださいね。

あなたの発酵かごが、これからもずっと活躍してくれますように!


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