【実験レポ】早焼きパン2時間40分の動きを追跡!ホームベーカリーの賢い仕組み

ホームベーカリーって、材料を入れてボタンを押すだけで本当においしいパンが焼けるの?

そんな疑問を持ったことはありませんか?

私もそうでした。アイリスオーヤマのホームベーカリーIBM-020を使い始めて、ふと思ったんです。

「この機械、中で一体何をしているんだろう?」

特に気になったのが「早焼きパン」です。

通常の食パンは4時間もかかるのに、早焼きパンはたった2時間40分で完成。

これって手抜きなんじゃない?味は落ちないの?

そんな疑問を解決するため、今回は早焼きパンを作りながら、2時間40分ずっと観察してみました。

すると、驚くほど計算された動きが見えてきたんです。

早焼きパン

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Evoto

自己紹介

高校卒業してから23年勤めた、航空自衛隊を退職。2024年に自宅教室「こだわり酵母パン教室フリーゼ」をオープン。

“自分時間を大切に”“職場でも家でもない場所に居場所を作る”そんな教室作りをしています。ホームベーカリーで叶える“無理しない”パン生活で、ふんわり美味しいパンをいつでもそばに。『簡単に、でも本格的に!』をモットーに、生活にワクワクをお届けします!

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今回作るのは「早焼きパン」メニュー2番を徹底検証

前回の食パン(メニュー1番)で発見したこと

実は、これは私の「ホームベーカリー全メニュー制覇プロジェクト」の一環なんです。

前回はメニュー1番の食パンを作りましたが、そのとき気づいたことがあります。

ホームベーカリーは「こね→ねかし→こね」を繰り返すことで、グルテンをしっかり形成しているということ。

パン作りで重要なのが「グルテン」という成分です。これは小麦粉に含まれるタンパク質が、水と混ざってできる網目状の構造。この網目がパンのふんわり感を生み出します。

ところが、バターなどの油脂類を最初から入れてしまうと、グルテンができにくくなってしまうんです。

でも、ホームベーカリーは材料を全部一緒に入れますよね?

そこがすごいところ。こねとねかしを繰り返すことで、油脂が入っていてもしっかりグルテンを形成できる工夫がされていたんです。

じゃあ、早焼きパンはどうなっているんだろう?

時間が短い分、何か省略されているのか、それとも別の工夫があるのか。

ワクワクしながら観察開始です!


早焼きパンと通常食パンの違い

まず、基本的な違いを整理してみましょう。

項目通常食パン早焼きパン
所要時間約4時間約2時間40分
こね時間長めやや短め
発酵時間しっかり効率的に短縮
仕上がりふんわりふんわり(ほぼ同等)

早焼きパンのメリット

  • 朝食に間に合う時間で焼ける
  • 電気代が節約できる
  • 急な来客でも対応可能

実際に作ってみると、味も食感も通常の食パンとほとんど変わらないレベルでした。


IBM-020早焼きパンの材料と置き換えのコツ

基本材料(1斤分)

今回使った材料はこちらです。

材料分量備考
180g → 108g牛乳置き換えのため減量
強力粉270g
バター13g
砂糖15g
4g
スキムミルク8g → 牛乳80gに置き換え
ドライイースト4g

なぜ牛乳に置き換えるのか?

レシピではスキムミルク8gと書いてありますが、私はいつも牛乳に置き換えています。

理由は3つ。

  1. 常備しやすい – スキムミルクは開封後の管理が面倒ですが、牛乳なら冷蔵庫に常にありますよね
  2. コスパが良い – 少量のスキムミルクを買うより経済的
  3. 風味が豊か – 牛乳を使うとミルクの風味がしっかり出て、リッチな味わいになります

ただし、置き換えるときは水分量の調整が必須です。

計算式はこちら:

  • スキムミルク8g × 10倍 = 牛乳80g
  • その分、水を減らす:180g – 80g + 8g = 108g

この計算、最初は戸惑うかもしれませんが、慣れれば簡単!

ポイントは、スキムミルクの10倍が牛乳の量になるということ。そして、増やした牛乳の分だけ水を減らせばOKです。


【実況レポート】早焼きパン2時間40分の全工程を観察

さあ、ここからが本番です!

材料を全部ケースに入れて、スタートボタンをポチッ。

ここから2時間40分、私はホームベーカリーの前に張り付いて観察しました。

工程タイムライン一覧

まず、全体の流れをお見せします。

こね 10分
ねかし 5分
こね 10分
ねかし 5分
(具材投入)
こね 8分
一次発酵 15分
パンチ
一次発酵 20分
成形
二次発酵 40分
焼成 50分

この流れを見て、気づいたことはありませんか?

こねとねかしが3回も繰り返されているんです。


工程1|こねとねかしの繰り返し(0〜33分)

スタートすると、すぐに「ウィーン、ウィーン」という音が始まります。

これがこねの音。

ホームベーカリーの中を覗くと、羽根が回転して生地をしっかりこねています。

10分こねたら、5分休憩。また10分こね、また5分休憩。

この「休憩(ねかし)」が重要なんです。

なぜ「ねかし」が必要なのか?

パン生地をこねると、グルテンが伸びてきます。でも、ずっとこね続けると生地が疲れてしまい、逆に硬くなってしまうんです。

だから、途中で休ませる。

休ませている間に、生地の中でグルテンが自然につながり、より強い構造ができあがります。

これ、手ごねだとなかなか難しいタイミングなんですよね。

でもホームベーカリーは、最適なタイミングで自動的にこねとねかしを切り替えてくれる

バターが入っていても、このリズムでこねることでしっかりグルテンが形成されるんです。

企業努力ってすごい…!


工程2|一次発酵とパンチ(33〜68分)

こねが終わると、次は発酵です。

ホームベーカリーの中がほんのり温かくなって、生地がゆっくり膨らみ始めます。

15分ほど発酵させると、生地が1.5倍くらいに膨らみました。

そこで「パンチ」が入ります。

「パンチ」って何?その役割とは

パンチとは、膨らんだ生地を一度押しつぶすこと。

「せっかく膨らんだのにもったいない!」と思いますよね?

でも、これがパン作りの重要ポイント。

パンチをすることで、生地の中にたまったガスが抜け、新しい酸素が入ります。

酵母(イースト)は酸素を使って活動するので、パンチをすることでさらに元気になるんです。

また、ガス抜きをすることで、生地の中のガスの分布が均一になり、きめ細かいパンができあがります。

手ごねだと、発酵の様子を見ながら自分でパンチするタイミングを判断しなきゃいけません。

でもホームベーカリーは、ちょうど良いタイミングで自動的にパンチを入れてくれる


工程3|二次発酵で最終膨張(68〜108分)

パンチの後、再び発酵タイムです。

二次発酵は、パンの最終的な大きさを決める重要な工程。

この段階で、生地は90%ほど膨らみます。

覗いてみると、ケースいっぱいに生地が膨らんでいました。

パン作りの本を読むと、「焼く直前の生地は90%まで膨らんでいる」と書いてあります。

つまり、焼くことで残りの10%が膨らんで、最高にふんわりした状態になるというわけ。

ここで十分に発酵させることが、ふんわりパンの秘訣なんですね。

パンの発酵温度

工程4|焼成50分の謎(108〜158分)

さあ、いよいよ焼きに入ります。

ここで私、ふと疑問に思ったんです。

「ホームベーカリーって予熱なしでいきなり焼き始めるけど、大丈夫なの?」

なぜ予熱なしで焼けるのか?

オーブンでパンを焼くときは、必ず予熱をしますよね。

180℃とか200℃まで予熱して、それから生地を入れる。

これは、高温で一気に焼くことで、パンが最大限に膨らむからです。

じわじわ温度が上がると、膨らむ前に生地が固まってしまって、ふんわりしないんです。

でも、ホームベーカリーは発酵が終わったらそのまま焼き始めます。

予熱なんてしません。

なのに、ちゃんとふんわり焼けている。

なぜ?

考えてみると、ホームベーカリーは小さな空間です。

オーブンよりずっと狭いから、温度が上がるのが早いんですね。

そして、焼成時間も50分とかなり長め。

じっくり時間をかけることで、予熱なしでも中までしっかり火が通り、ふんわり焼き上がるというわけです。

ただし、ここに問題も。


完成!早焼きパンの仕上がりを検証

ピピピッ!

焼き上がりの音が鳴りました。

フタを開けると、香ばしいパンの香りがふわっと広がります。

これ、幸せな瞬間ですよね。

早焼きパン

見た目と食感のチェック

取り出してみると、表面はこんがりきつね色。

高さもしっかり出ていて、ふっくら焼けています。

粗熱が取れたら、さっそくカット。

断面を見てみると…

しっとりふわふわ!気泡も均一で、きめ細かいクラム(パンの中身)です。

食べてみると、ほんのり甘くてミルキーな味わい。

牛乳に置き換えた効果で、風味がリッチになっていました。

早焼きパン

通常食パンとの比較

前回作った通常食パンと比べてみると、

  • :ほとんど変わらない。強いて言えば、早焼きの方がややミルキー。
  • 食感:どちらもふんわりしっとり。違いはほぼ感じられない
  • 高さ:ほぼ同じ

正直、時間が短い分クオリティが落ちるかと思っていましたが、予想以上のクオリティでした。


気になった点|パンの耳が硬い問題

ただ、一つだけ気になったことがあります。

パンの耳が硬いんです。

噛み切りにくい、歯切れの悪い硬さ。

これは前回の食パンでも感じたことでした。

硬くなる原因を考察

なぜ耳が硬くなるのか?

答えは「焼成時間の長さ」にありそうです。

さっき説明したとおり、ホームベーカリーは予熱をしません。

だから、目標温度に達するまでに時間がかかる。

その間、生地はずっと熱にさらされています。

特に外側の耳は、長時間熱にさらされることで水分が飛んでしまい、厚くて硬い食感になってしまうんですね。

50分の焼成時間は、もしかしたら少し長すぎるのかもしれません。

耳を柔らかくする工夫(次回実験予定)

この問題、なんとか解決したい!

次回は、こんな工夫を試してみようと思っています。

  1. 焼き色調整をしてみる – 今回は「ふつう」で焼きました。次回は「うすい」で焼いてみようかな^^
  2. 焼き上がり直後にバターを塗る – 表面をコーティングして水分を閉じ込める
  3. すぐにラップで包む – 蒸気で柔らかくする
  4. 焼成後すぐに取り出す – 余熱で焼きすぎないようにする

この実験結果も、また報告しますね!


ホームベーカリーIBM-020を使ってわかった企業努力

2時間40分、観察し続けてわかったこと。

ホームベーカリーは、本当に細かく計算されて作られているということです。

驚いたポイント3選

1. こね・ねかしの絶妙なタイミング設計

何度もこねとねかしを繰り返すことで、油脂が入っていてもグルテンをしっかり形成。これ、手ごねだとかなり難しいタイミングなんです。

2. パンチ機能の自動化

発酵の進み具合を見極めて、ベストなタイミングでパンチを入れる。この精密さ、本当にすごい。

3. 予熱なしでも焼ける温度管理

小さな空間で効率的に温度を上げ、長時間かけてじっくり焼く。オーブンとは違うアプローチで、ふんわりパンを実現していました。

これだけの工夫が詰まっているのに、ボタン一つで全自動。

企業努力の結晶ですね。

次回予告|メニュー3番に挑戦します

今回で、メニュー2番「早焼きパン」の検証が終わりました。

次回は、メニュー3番に挑戦します!

メニュー3番は「ソフト食パン」です!

全メニュー制覇まで、まだまだ続きます。

どんな発見があるか、楽しみですね。

もし「このメニューを試してほしい!」というリクエストがあれば、ぜひコメントやメッセージで教えてください。

まとめ|ホームベーカリー早焼きパンは企業努力の結晶だった

2時間40分、じっくり観察してわかったこと。

早焼きパンは決して手抜きではなく、効率的に時間を短縮しながらも、品質を保つ工夫が詰まっていました。

  • こねとねかしの絶妙なリズム
  • 自動パンチ機能による均一な仕上がり
  • 予熱なしでもふんわり焼ける温度管理

パンの耳が硬くなる問題は、次回の実験で改善方法を探っていきます。

でも、それを差し引いても、ホームベーカリーの可能性ってすごいと思いませんか?

材料を入れてボタンを押すだけで、こんなにおいしいパンが焼けるなんて。

技術の進歩に感謝です。


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また次回のブログでお会いしましょう!

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