
「美味しければいいじゃん!」
昔の私は、本気でそう思っていました。食材にこだわるとか、産地がどうとか、そんなの関係ないって。でも今は違います。食材へのこだわりが、料理の味を本当に変えるんだということを、身をもって実感しているんです。
トンカツ屋の娘として育ち、現在はパン教室の講師をしている私が、どうして食材のこだわりの大切さに気づいたのか。その経験をお話しさせてください。
私がこの記事を書ける理由
私には、ちょっと特殊な立場があります。
まず、トンカツ屋の娘として、料理人の父が毎日作る本物の味で育ちました。鹿児島県産の黒豚や取り寄せた生パン粉を使った、こだわりの料理を当たり前のように食べていたんです。
そして今は、パン教室の講師として、食材と味の関係を日々実感しています。プロの職人が選ぶ小麦粉や酵母によって、パンの味がまったく変わる瞬間を何度も目の当たりにしてきました。
つまり私は、「こだわりのない側」と「こだわる側」、両方の視点を持っているんです。だからこそ、食材へのこだわりが味をどう変えるのか、リアルにお伝えできると思っています。
料理人の娘なのに食にこだわりがなかった私

毎日が特別だった子ども時代
昔、小学生の土曜日は3時間授業でした。お昼ご飯は家で食べるのが普通ですよね。でも私の場合はちょっと違って、家ではなく自分のお店に帰っていました。
お昼はお父さんが作ってくれる、カツ丼、トンカツ、生姜焼き。しかも、メニューにはない私だけのスペシャルご飯もありました^^この話を夫にすると、めちゃくちゃ羨ましがられるんですけどね(笑)
でも、これって別に自慢したいわけじゃないんです。問題は、ご飯屋さんの娘なのに、私が食にまったくこだわりがなかったということなんです。
カップラーメンもコンビニ弁当も大好きだった
美味しいご飯が当たり前にある環境で育ったからこそ、逆に「何でも美味しい」と思っていました。
カップラーメンにご飯をぶち込んで食べるのが大好きだったし、市販のパンもコンビニのお弁当も本当に美味しいと思っていたんです。
父が話す「どこどこ県産の肉がうまい」とか「パン粉はこういうものを使っている」とか、そういう話は私には関係ない話だと思っていました。「美味しければいいじゃん!」くらいの気持ちだったんです。
父が選んでいた食材へのこだわり
大人になって、父とゆっくり話をする機会が増えました。そこで初めて知ったんです。父が料理人として、どれほど材料にこだわっていたかを。
鹿児島県産の黒豚を使用
父が使っていた豚肉は、鹿児島県の黒豚でした。
「なんでわざわざ鹿児島から取り寄せるの?」って当時は思っていましたが、今なら分かります。豚肉の質が、トンカツの味を左右するんです。
脂の甘み、肉のやわらかさ、噛んだときのジューシーさ。すべてが、豚肉の質で決まります。父は、お客さんに本当に美味しいものを食べてほしかったんですね。
取り寄せた生パン粉の違い
パン粉も、わざわざ取り寄せた生パン粉を使っていました。
市販の乾燥パン粉と生パン粉、何が違うのか。それは、衣のサクサク感とふんわり感です。生パン粉で揚げたトンカツは、外はサクッと、中はふんわり。この食感が、料理を何倍も美味しくするんです。
他にもあった見えないこだわり
豚肉やパン粉以外にも、おそらく父はたくさんのこだわりを持っていたと思います。
調味料、揚げ油、キャベツの千切りに使う野菜…。すべてに意味があったはずです。でも当時の私には、それが見えていませんでした。料理人として妥協しない父の姿勢が、お店の味を支えていたんですね。
パン教室講師になって気づいた食材選びの重要性

パン職人やパン講師たちの「こだわり」に驚いた
パン教室の講師になって、私の価値観が大きく変わりました。
パン教室の講師になると決めてから、パン職人や現役のパン講師の方々と関わる機会が何度もありました。
プロは、それぞれ強い「こだわり」を持っているんです。
「砂糖はこれじゃないとダメ」
「塩はこのメーカーのを使っています」
「小麦粉はこの産地のものが好き」
「酵母は自家製酵母です」
こんな話が、次々と耳に飛び込んできました。最初は「私でも味の違いわかるかな?」と正直思っていました。
実際に食べて分かった味の違い
でも、実際に食べてみると「違う!」と味の違いを目の当たりにしたんです。
同じレシピで作っても、使う小麦粉が違うだけで、パンの風味がまったく変わります。砂糖の種類を変えれば、甘さの質が変わります。酵母が違えば、香りなどの風味が変わります。
これは、本当に衝撃的でした。食材ひとつで、こんなにも味が変わるんだって。
こだわりが食べ物を美味しくする
そこで初めて気づいたんです。
食材や作り方への「こだわり」って、食べ物を美味しくするんだなって。
そんなの当たり前の話なんですけど、料理人の娘としては、美味しいご飯というのは当たり前に身近にあって、それがこだわって作られているとか、材料は何を使っているなんて意識すらしたことがなかったんです。
父の背中から学ぶべきことを、私は遠回りしてようやく理解したんですね。
自分に合った食材のこだわり方

選択肢が多すぎる現代の食材選び
今の世の中、本当にいい商品がたくさん販売されていますよね。
スーパーに行けば、同じ醤油でも10種類以上。小麦粉も、砂糖も、塩も、選ぶのが難しいくらい選択肢が山ほどあります。
どれを選べばいいのか分からないと悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。
人の真似ではなく自分の味を目指す
ここで大切なのは、人の真似をするのではなく、自分の目指す味に近づけるために選ぶということです。
「インフルエンサーがこう言ったから」
「有名なシェフが使っているから」
「みんながこれを選んでいるから」
そうではないんです。
他の人にとっての「最高」が、あなたにとっての「最高」とは限りません。人の味ではなく、自分の味を作る。それが本当のこだわりだと思うんです。
自分の環境に合わせた食材選びを
住んでいる地域や環境は、人それぞれ違います。
地方に住んでいれば、地元の新鮮な野菜が手に入るかもしれません。都心に住んでいれば、専門店で珍しい食材が買えるかもしれません。予算も、時間も、家族構成も、みんな違います。
だからこそ、自分の置かれている状況の中から選んで、自分なりにこだわって選んだものが一番美味しいんです。
自分なりのこだわりが一番美味しい
「この小麦粉で作ったパンが、私は一番好き」
「この塩を使うと、料理の味がしっくりくる」
「この野菜を使うと、家族が喜んでくれる」
そういう、自分だけの基準を持つこと。それが、食材へのこだわりの第一歩だと思います。
人の味ではなく、自分の味に近づくために。ぜひ、あなたなりのこだわりを見つけてみてください。
まとめ:食材へのこだわりが料理を変える

私は、トンカツ屋の娘として育ちながら、長い間、食材へのこだわりの大切さに気づきませんでした。
でも、パン教室の講師になって、たくさんの人と出会い、実際に味の違いを体験して、ようやく理解できたんです。
美味しさの裏には、必ず「こだわり」があるということを。
父が選んでいた鹿児島県産の黒豚、取り寄せていた生パン粉。そのひとつひとつに、料理人としての誇りと、お客さんへの想いが込められていました。
そして今、パン教室で生徒様が選ぶ小麦粉や酵母にも、「こんな味にしたい」という願いが込められています。
あなたも、自分なりのこだわりを見つけてみませんか?
高級な食材を選ぶ必要はありません。大切なのは、「なぜこれを選ぶのか」を自分なりに考えること。そして、自分の味を追求していくことです。
食材へのこだわりが、あなたの料理をもっと美味しく、もっと楽しくしてくれるはずです。
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