「また失敗した…」「レシピ通りに作ったのになんで?」
パン作りをしていると、こんな経験ありませんか?私も初心者の頃は、同じレシピで作っているのに「今日はうまくいった」「今度は失敗」の繰り返し。
特に、なあなあで「ま、いいか〜」って温度を測らずに作ってしまうと、確実に失敗率がアップするんです。
実は、パン作りの失敗の9割は 温度管理 が原因・・・だと思っています。逆に言えば、温度をきちんと管理するだけで、失敗はグッと減らせるんですよ。
今日は、パン講師の私が「なぜ同じレシピで失敗するのか」そして「確実に成功させる温度管理のコツ」を、初心者さんにも分かりやすく解説していきますね。
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高校卒業してから23年勤めた、航空自衛隊を41歳で退職。2024年に自宅教室「こだわり酵母パン教室フリーゼ」をオープン。
“自分時間を大切に”“職場でも家でもない場所に居場所を作る”そんな教室作りをしています。ホームベーカリーで叶える“無理しない”パン生活で、ふんわり美味しいパンをいつでもそばに。『簡単に、でも本格的に!』をモットーに、生活にワクワクをお届けします!
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なぜパン作りで失敗するの?温度管理を軽視する危険性

パン作り初心者に多い「まいっか」精神の落とし穴
パン作りを始めたばかりの頃って、温度なんて気にしませんよね。私もそうでした。
「レシピに温度って書いてあるけど、大体でいいでしょ」 「温度計なんて面倒くさい」 「前回は適当でもできたし、今回も大丈夫」
でも、この「まいっか」精神こそが失敗の元凶なんです。
パン作りにおいて、温度は「なんとなく」では絶対にダメ。
過発酵で酸っぱくなったり、発酵不足で硬いパンになったり…これらの失敗は、ほぼ温度管理の問題なんですよ。
酵母は生き物!温度で活動が決まる理由

そもそも、なぜ温度がそんなに大切なのか?
答えは簡単。酵母は生きている微生物だからです。
人間だって、暑すぎると動けなくなるし、寒すぎると活動が鈍くなりますよね。酵母も同じなんです。
- 暑すぎる:酵母が働きすぎて過発酵に
- 寒すぎる:酵母の活動が止まって発酵不足に
- 適温:酵母が程よく活動してふわふわパンに
つまり、パン作りの成功は「酵母さんに気持ちよく働いてもらうこと」が全てなんです。
パン作り成功の鍵!管理すべき5つの温度とは
温度管理と言っても、「何の温度?」って思いますよね。
パン作りで管理すべき温度は、主に5つあります:
- 生地の温度(最重要!)
- 部屋の温度(室温)
- 水の温度
- 酵母の活動温度
- 発酵環境の温度
一つずつ詳しく見ていきましょう。
【最重要】生地温度25-27℃でふわふわパンが決まる

パン作りで一番大切なのが、こね上がった時の生地温度です。
「焼き上がりのふわふわ感は、生地温度で決まる!」
これ、パン教室で必ず伝えることなんですが、理想の生地温度は 25〜27℃。
温度別の結果:
- 28℃以上:過発酵の危険性大。発酵が早すぎてコントロール不可能に
- 25〜27℃:理想的な発酵速度。時間通りに美味しく仕上がる
- 24℃以下:発酵に時間はかかるけど、時間をかければちゃんと発酵する
特に28℃を超えると、一気に過発酵のリスクが高まります。
「ちょっとくらい高くても大丈夫でしょ」は禁物。1〜2℃の違いが、パンの仕上がりを大きく左右するんですよ。
室温(部屋温度)の季節別管理法

次に大切なのが室温。季節によって対策が変わります。
夏場(30℃超)の注意点:
- 過発酵リスクが一気に上昇
- 冷房は必須、できればタイマー発酵を活用
- 作業時間も短めに調整
冬場(15℃以下)の注意点:
- 発酵がほぼ停止状態に
- 発酵器や湯煎で温度確保が必要
- 発酵時間は大幅に延長される
「室温の±2℃で発酵時間は大きく変わる」
これ、本当なんです。同じレシピでも、室温が2℃違うだけで発酵時間が1.5倍くらい変わることもありますからね。
夏のパン作り:冷房とタイマー発酵活用術
夏場は本当に要注意。私の経験上、室温が30℃を超えた日は失敗率が跳ね上がります。
夏場の対策法:
- 冷房で室温を26〜28℃に調整
- 冷蔵庫でのオーバーナイト発酵も検討
- 作業時間を朝の涼しい時間帯に変更
冬のパン作り:発酵器と湯煎の使い分け

冬場は逆に、発酵が進まなくて困ることが多いですね。
冬場の対策法:
- 発酵器があれば30℃設定で使用
- 湯煎なら40℃のお湯で温度キープ
- オーブンの発酵機能も活用
水温調整で生地温度をコントロールする方法

実は、仕込み水の温度が、最終的な生地温度に直結するんです。
季節別の水温調整:
- 夏場:冷水や氷水(10℃以下)で生地温度を下げる
- 冬場:ぬるま湯(30〜40℃)で生地温度を上げる
プロが使う計算式:
仕込み水温度 = (目標生地温度 × 3 − 室温 − 粉温度)
例えば、目標生地温度26℃、室温20℃、粉温度20℃なら:
水温 = (26 × 3 - 20 - 20) = 38℃
この計算、覚えておくと本当に便利ですよ!
ホームベーカリー使用者必見!機械こねの温度注意点

ホームベーカリーやニーダーを使っている方、要注意です!
モーターの発熱で生地温度が上昇する理由
機械こねの最大の落とし穴は、モーターの発熱なんです。
こねている間に、モーターが発する熱で生地温度がグングン上昇。気がついたら30℃オーバー…なんてことも。
私も初めてホームベーカリーを使った時、こね上がりを測ったら32℃になっててびっくりした経験があります。
機械こねでの温度対策テクニック

対策方法:
- 材料(特に水)をいつもより冷たくしておく
- こね時間を短めに調整(オートリーズという製法で作るのもおすすめですよ)
オートリーズについてはこちらのブログも参考にしてみてください。 - こね途中で一度温度チェック
特に夏場は、氷水を使うくらいでちょうど良いですよ。
イースト種類別!適正温度で失敗を防ぐ方法

インスタントドライイーストの活用温度(25-35℃)
一般的によく使われるインスタントドライイースト。
サフ社の公式データによると、25〜35℃で最も活発に働くとされています。
温度と活動の関係:
- 25〜35℃:最適な活動温度
- 50℃以上:失活(死滅)してしまう
⚠️ 注意:「熱いお湯を入れて失敗する初心者多し!」
これ、本当によくある失敗パターン。「溶かした方がいいかな?」とお湯に入れてしまって、酵母を殺してしまうんですね。
天然酵母・ルヴァンの温度管理

天然酵母を使っている方は、さらに温度管理が重要。
室温が28℃程度あると、天然酵母は本当にグングン発酵します。
夏場は冷蔵庫管理が基本になりますね。
【実践編】温度管理でパン作り失敗を劇的に減らす5ステップ
ここからは、実際に温度管理を取り入れた作り方を解説しますね。
ステップ1:温度計を必須道具にする

まずは道具から。温度計は絶対に必要です。
おすすめはデジタル式の温度計。1000円程度で買えますし、一度買えば長く使えます。
「温度計なんて面倒」と思うかもしれませんが、これがあるかないかで成功率が全然違います。
ステップ2:季節に合わせた材料温度の事前準備
季節別準備のポイント:
夏場:
- 水は冷蔵庫で冷やしておく
- 粉類も涼しい場所で保管
- 作業開始前に室温チェック
冬場:
- 水はぬるま湯(30〜40℃)で調整
- 粉類は室温に戻しておく
- 発酵環境の準備を事前に
ステップ3:こね上がり生地温度の必須チェック
これが一番大切! こね終わったら、必ず生地の中央部分に温度計を刺して測定してください。
理想の25〜27℃になっていない場合は:
- 高すぎる:冷蔵庫で少し冷やしてから(30分くらい)発酵開始
- 低すぎる:温かい場所(30℃くらいの場所)に置いてから発酵開始
ステップ4:発酵環境の温度コントロール


生地温度が適正になったら、発酵環境も整えましょう。
理想的な発酵環境:
- 温度:28〜30℃
- 湿度:75〜80%
- 風通し:直風は避ける
ステップ5:失敗パターンから学ぶ改善法
よくある失敗と対策:
過発酵した場合:
- 次回は生地温度を1〜2℃下げる
- 発酵時間を短めに設定
- 室温が高くないかチェック
発酵不足の場合:
- 生地温度が低くなかった?
- 発酵環境の温度は適正?
- イーストの状態は大丈夫?
【まとめ】パン作りは「温度の科学」をマスターすれば成功する

いかがでしたか?
パン作りって、実は 「温度の科学」 なんです。
今日お伝えしたポイントをまとめると:
- 生地温度25〜27℃が最重要
- 室温管理で発酵をコントロール
- 水温調整で生地温度を決める
- 機械こねは発熱に要注意
- イーストには適正温度がある
これらを意識するだけで、パン作りの失敗は劇的に減らせます。
「同じレシピなのになぜ失敗するの?」その答えは、ほぼ温度管理にありました。
温度計を片手に、今度こそふわふわパンを成功させてくださいね!
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