パンのイースト臭が気になる?原因と対策を徹底解説|過発酵・こね不足を防ぐコツ

こんにちは!こだわり酵母パン教室のひとちゃんです♪

パンを焼いたときにふわっと香ばしい香りが漂うと、幸せな気持ちになりますよね!

でも時々、「なんだかツンとした匂いが…」「少しアルコールっぽい?」と感じることはありませんか?

この不快な香りは、パン業界では一般的に「イースト臭」と呼ばれています。せっかく時間をかけて作ったパンが、変な匂いがしたらショックですよね。

イースト臭を発生させる原因はいくつか考えられますが、今回は特に可能性の高い3つの原因についてご紹介します。そして、その原因を理解すれば、誰でも香ばしくて美味しいパンが焼けるようになります。

この記事では、パン教室を主宰する私が、イースト臭の正体と、それを防ぐための具体的な方法を詳しく解説します。天然酵母とインスタントドライイーストの違いについても触れていますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

ピコパン

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Evoto

高校卒業してから23年勤めた、航空自衛隊を退職。2024年に自宅教室「こだわり酵母パン教室フリーゼ」をオープン。

“自分時間を大切に”“職場でも家でもない場所に居場所を作る”そんな教室作りをしています。ホームベーカリーで叶える“無理しない”パン生活で、ふんわり美味しいパンをいつでもそばに。『簡単に、でも本格的に!』をモットーに、生活にワクワクをお届けします!

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パン業界で言われる「イースト臭」とは?

イースト臭の正体 – ツンとした匂いの原因

パン業界では「イースト臭」という言葉がよく使われます。これは主に、市販のインスタントドライイーストを使ったパンに対して使われる表現なんです。

でも実は、適正な状態で焼かれたパンは、イーストの香りが飛んで弱まるため、臭いと感じることはほとんどありません。むしろ、あの香ばしい「パンらしいいい香り」として感じられるはずです。

私自身、インスタントドライイーストを使って作ったパンが臭いとか不味いと感じることはなく、むしろパンらしい匂いだなと感じています。

では、なぜ「イースト臭」が問題になるのでしょうか?

それは、発酵がうまくいかなかったときに、不快な臭いが発生するからです。イーストは発酵の過程でアルコールや酸を生成します。これが適切な量であれば良い香りになるのですが、バランスが崩れると不快な臭いの原因になってしまうんですね。

インスタントドライイースト

天然酵母とインスタントドライイーストの香りの違い

ここで、天然酵母とインスタントドライイーストの違いについても触れておきますね。

実は、天然酵母で作ったパンの方が独特な香りや味わいがあるんです。これは意外に思われるかもしれません。

例えば:

  • いちごから起こした酵母 → ほんのりいちごの香りや味わい
  • ブドウから起こした酵母 → ほんのり甘く、優しい味わい
  • ハーブや松の木から起こした酵母 → それぞれ独特の風味

天然酵母や自家製酵母のパンには、天然の酵母と乳酸菌などが共生することで、インスタントドライイーストとは異なる多様な酸味や複雑な香りが生まれます。

一方、インスタントドライイーストのパンは、発酵力が安定しており、短時間でパンが完成します。ふっくらと柔らかく、軽い食感が特徴ですね。焼きたての香りは強めですが、適切な工程で作れば「イースト臭」は残りません。

どちらが「より美味しいか」は完全に個人の好みです。製法や風味の方向性の違いであって、優劣ではありません。


イースト臭が臭いと感じる3つの原因

さて、ここからが本題です。イースト臭が不快に感じられる原因は、大きく分けて3つあります。

【原因1】過発酵・発酵不足によるイースト臭

発酵の管理がうまくいかないと、イースト臭の原因になります。これが一番多い失敗パターンですね。

過発酵の場合

発酵させすぎてしまった場合、イーストが過剰に働き、アルコールや酸を多く生成しすぎることで、強いアルコール臭や酸っぱい臭い・味が発生しますこれが不快な臭いや風味の悪化につながるんです。

ちなみに、この酸っぱい臭いは腐敗臭ではありませんので、誤解しないでくださいね。

過発酵の見極めポイント:

  • 生地が膨らみすぎて、表面がしぼんでいる
  • 生地を触るとベタベタして力がない
  • 生地から強いアルコール臭がする

うっかり発酵時間を忘れてしまったり、室温が高すぎたりすると、簡単に過発酵になってしまいます。私も初心者の頃は何度も失敗しました!

実は、今でもうっかり過発酵にさせてしまうことがあります^^;

発酵不足の場合

逆に、発酵不足の場合は、イーストが十分に活性化できず、生地中に不活性なイーストが残ってしまいます。そのイーストが持つ特有の匂いがパンに残ってしまい、臭いの原因となることがあります。

発酵不足の見極めポイント:

  • 生地が硬く、十分に膨らまない
  • フィンガーテストをしても穴が戻ってくる
  • 焼き上がりが小さく、固いパンになる

発酵は「時間」だけでなく「温度」も重要です。理想的な発酵温度は28〜30℃。冬場は特に温度が低くなりがちなので、発酵器やオーブンの発酵機能を使うのがおすすめです。

発酵器

✅ 発酵チェックリスト

  • 発酵時間をタイマーで正確に管理していますか?
  • 発酵温度は28〜30℃を保てていますか?
  • フィンガーテストで発酵状態を確認していますか?
フンガーチェック1
フィンガーチェック2

*フィンガーチェック:
発酵が終わった生地に指を刺して、穴が残ったままなら発酵適正。穴が縮んでくるようなら発酵不足。発酵時間を追加してください。

【原因2】イーストの量が多すぎる

2つ目の原因は、イーストの使いすぎです。

通常のパン作りでは、粉の量に対してイーストの量は1.5%以下で作るのが一般的です。レシピによってそれ以上入っている場合は、通常よりイーストの量が多いので、イースト臭が強く出る可能性があります。

例えば、粉300gに対してイーストは4.5g以下が適正量。これを10gも入れてしまうと、発酵は早くなりますが、イースト臭も強くなってしまいます。

レシピ通りに正確に計量することが、とても大切なんです。特にイーストは少量なので、デジタルスケールで0.1g単位まで測れるものを使うことをおすすめします。

粉の量イーストの適正量(1.5%)
200g3g
300g4.5g
500g7.5g
デジタルスケール

【原因3】こね不足によるイースト臭

3つ目の原因は、意外と見落とされがちな「こね不足」です。

グルテン膜とは?

パン生地を適切にこねると、「グルテン膜」ができます。これは、生地を伸ばしたときに指が透けて見えるほどの薄い膜のことです。

このグルテン膜ができることで、発酵がスムーズに進み、イーストが均一に働くようになります。こね不足だと、イーストが生地全体に均一に働かず、一部のイーストが不活性なまま残ってしまうんですね。

特に手ごねの場合、このこね不足が起こりやすいんです。なぜなら、技量が伴うから。初心者の方は「もう疲れた!」と思ったところから、さらに5分こねる必要があるくらいです。

手ごねとホームベーカリーの違い

手ごね:

  • 技量が必要で、こね不足になりやすい
  • 体力が必要で、グルテン膜を作るまで時間がかかる
  • ただし、生地の状態を感じながら作れる楽しさがある

ホームベーカリー:

  • 安定したこね上がりで失敗が少ない
  • イースト臭予防の観点からも非常に有効
  • 初心者の方には特におすすめ

もちろん業務用のこね機だけでなく、家庭の場合はホームベーカリーで理想のこね具合を目指すことができます。こね不足の心配が激減しますよ。

グルテン

イースト臭を防ぐ!美味しいパンを焼くコツ

ここまでイースト臭の原因を見てきましたが、では具体的にどうすれば防げるのでしょうか?実践的なコツをお伝えしますね。

適正発酵の見極め方

フィンガーテストをマスターしましょう!

フィンガーテストとは、発酵した生地に指を差し込んで、発酵状態を確認する方法です。

  1. 打ち粉をした指を、生地に第二関節まで差し込む
  2. 指を抜いたときの穴の状態を観察

適正発酵: 穴がそのまま残る
発酵不足: 穴が戻ってくる
過発酵: 穴の周りがしぼむ

このテストを毎回行うことで、だんだん発酵の感覚が掴めてきますよ。

また、季節や室温による発酵時間の調整も大切です。夏は発酵が早く進み、冬は遅くなります。レシピの時間はあくまで目安として、生地の状態をよく観察してくださいね。

正しいこね方のポイント

こねの目標は、グルテン膜ができるまでです。

グルテン膜チェックの方法:

  1. 生地を少し取り、両手でゆっくり伸ばす
  2. 指が透けて見えるくらい薄く伸びればOK
  3. すぐに破れる場合は、まだこね不足

手ごねの場合は、以下を意識してください:

  • V字こね、叩きつけ、台に擦りつけなど、多様な動きで
  • 「疲れた」と思ってから、さらに5分頑張る
  • 生地の温度が上がりすぎないよう、適度に休憩を入れる

ホームベーカリーなら、スイッチ一つで理想的なこね上がりになるので、初心者の方には本当におすすめです。

ホームベーカリー

イーストの計量と保存方法

デジタルスケールで正確に0.1g単位で計量してください。1gの違いでも、発酵の進み方が変わってきます。

そして意外と重要なのが、イーストの保存方法

  • 開封後は密閉容器に移し替える
  • 冷蔵庫または冷凍庫で保存
  • 開封から1ヶ月以内に使い切る

古いイーストは発酵力が落ちて、発酵不足の原因になります。「あれ、いつ開けたっけ?」というイーストは、思い切って新しいものに替えましょう。

イースト

💡 プロの技: 一次発酵は冷蔵庫でゆっくり発酵させる「低温長時間発酵」もおすすめです。イースト臭が抑えられ、小麦の旨味が引き出されます!冷蔵庫で8〜12時間ほどゆっくり発酵させる方法です。


天然酵母 vs インスタントドライイースト – どちらを選ぶべき?

ここで改めて、天然酵母とインスタントドライイーストの違いを整理しておきましょう。

インスタントドライイーストのメリット

  • 発酵力が安定していて、短時間でパンが完成
  • ふっくら柔らかい軽い食感
  • 初心者でも失敗しにくい
  • スーパーで手軽に購入できる
  • 保存が簡単

インスタントドライイーストは、忙しい現代人にぴったりの選択肢です。朝起きてから焼きたてパンを食べられるのは、インスタントドライイーストならではですね。

天然酵母・自家製酵母のメリット

  • 深い旨味と複雑な風味
  • 原料由来の独特な香りと酸味
  • 小麦粉の熟成による味わい深さ
  • 無添加で体に優しい
  • パン作りの奥深さを楽しめる

天然酵母は発酵に時間がかかる分、小麦粉の熟成が進み、より深い旨味が引き出されます。この「独特の風味」こそが、天然酵母パンの魅力とされる部分であり、イースト臭とはまた異なる世界です。

いちご酵母

あなたに合ったパン作りの選び方

初心者の方:
まずはインスタントドライイーストで基本をマスターしましょう。発酵の見極め、こね方、焼き方などの基本を身につけることが大切です。

中級者以上の方:
基本ができたら、天然酵母で風味の探求へ進むのもいいですね。自家製酵母を育てる楽しみもあります。

忙しい方:
インスタントドライイーストなら、時短で美味しいパンが焼けます。

こだわり派の方:
天然酵母で、唯一無二の風味を追求してみてください。

繰り返しになりますが、どちらが良い・悪いではなく、「好み」の問題です。私自身も、その日の気分やパンの種類によって使い分けていますよ。


まとめ: イースト臭を理解して、もっと美味しいパン作りを

いかがでしたか?イースト臭の正体と対策について、理解が深まったでしょうか。

イースト臭の原因おさらい

  1. 過発酵・発酵不足 → 発酵管理をしっかりと
  2. イーストの量が多い → 正確な計量を
  3. こね不足 → グルテン膜ができるまでこねる

美味しいパンを焼くために大切なこと

  • 正確な計量と温度管理
  • 発酵状態の見極め(フィンガーテスト)
  • 適切なこね上げ(グルテン膜チェック)

パン作りは科学と感性の融合です。イースト臭の原因を理解すれば、焼きたての香ばしいパンが毎日楽しめます。

最初はうまくいかないことも多いかもしれません。でも大丈夫!失敗を恐れず、何度もチャレンジしてくださいね。失敗から学ぶことは本当に多いんです。

私のレッスンでも、「失敗したからこそ、次は成功できた!」という声をたくさん聞きます。あなたのパン作りが、もっと楽しく、もっと美味しくなることを願っています。

カプレーゼ風ブレッド
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あなたのパン作りがお米を炊くように、身近で暮らしの一部となりますように♪

最後まで読んでくださって、ありがとうございました!

また次回のブログでお会いしましょう^^

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