パン作りは季節で変わる!11月が初心者に最適な理由と失敗しないコツ

11月に入り、朝晩の冷え込みを感じる日が増えてきましたね。実は、この季節こそパン作りを始めるには最高のタイミングなんです。

「パン作りって難しそう…」と思っている方も多いかもしれません。でも、季節を味方につければ、初心者の方でも驚くほど簡単に美味しいパンが焼けるんですよ。

この記事では、なぜ11月がパン作りに最適なのか、そして季節ごとのパン作りのコツを詳しくお伝えします。読み終わる頃には、「今すぐパンを焼いてみたい!」と思っていただけるはずです。

それでは、パン作りと季節の深い関係を一緒に見ていきましょう。

ウインナーパン

私がこの記事を書ける理由

まず、簡単に自己紹介させてください。

パン作り講師としての実践経験

私はパン作り教室を主宰しています。春夏秋冬、それぞれの季節でレッスンを行ってきました。

生徒様たちを見ていると、季節によって失敗のパターンが驚くほど違うんです。夏に始めた方は「発酵しすぎて生地がベタベタになった」と悩み、冬に始めた方は「全然膨らまない」と困っています。

でも、秋に始めた方は?不思議なことに、初回からふっくら美味しいパンを焼き上げる確率がとても高いんです。これは偶然ではありません。

季節による失敗と成功を身をもって体験

実は私自身、パン作りを始めた頃は失敗の連続でした。真夏に始めたこともあり、こねている間に生地がどんどん発酵してしまい、焼き上がりはペシャンコ。何が悪かったのか全くわからず、「私にはパン作りの才能がないのかも…」と落ち込んだこともありました。

でも、季節が秋に変わった途端、同じレシピなのに驚くほど上手に焼けたんです。この経験から、パン作りと気温の関係を真剣に研究し始めました。

温度計を使って季節ごとの仕込み水温度を記録したり、室温と発酵時間の関係をデータ化したり。この試行錯誤の末にたどり着いたノウハウをお伝えしますね。

温度計

パン作りで最も難しいのは「発酵」のコントロール

パン作りの工程は、材料を計る、こねる、発酵させる、成形する、焼く…とシンプルに見えますよね。でも、実は発酵のコントロールが一番の難関なんです。

発酵とは何か?初心者が知るべき基礎知識

パンの材料に含まれる酵母(イースト)は、自然界に存在する微生物です。つまり、小さな生き物なんですね。

この酵母がパン生地の中で活動することで、パンが膨らんでいきます。酵母は糖分を食べて、炭酸ガスとアルコールを出します。この炭酸ガスがパン生地の中に閉じ込められて、ふっくらとした柔らかいパンになるんです。

ここで重要なのが、酵母は温度によって活動速度が大きく変わるということ。人間も暑いと活発に動けたり、寒いと動きが鈍くなったりしますよね。酵母も同じなんです。

発酵の適温は25〜30℃

私の経験から、酵母が最も心地よく活動できる温度は、25〜30℃です。この温度帯だと、緩やかに、でも確実にパン生地を膨らませてくれます。

逆に、温度が高すぎると酵母が活発になりすぎて、発酵スピードが速くなりすぎてしまいます。温度が低すぎると、酵母の動きが鈍くなって、なかなか膨らみません。

だからこそ、パン作りでは温度管理が何より大切なんですね。

発酵はこねている間も進んでいる

ここが初心者の方が見落としがちなポイントです。

発酵は、一次発酵や二次発酵の時間だけ進んでいるわけではありません。

材料を計量して、こね始めた瞬間から、酵母は活動を始めています。こねている最中も、成形している最中も、ずっと発酵は続いているんです。

特に夏場は、こねている間にどんどん温度が上がって、生地が緩くなってしまうことも。成形に時間をかけすぎると、発酵が進みすぎて、焼き上がりが残念な結果に…なんてこともよくあります。

だからこそ、季節に合わせた工夫が絶対に必要なんです。

潰れたハムエッグパン
ハムエッグパン

季節別パン作りの難易度と特徴

それでは、具体的に季節ごとのパン作りの特徴を見ていきましょう。

夏(6月〜9月):時間との勝負になる季節

夏のパン作りは、正直言って上級者向けです。

室温が30℃を超えることも珍しくない夏場は、酵母が活発になりすぎてしまいます。こね上げ温度はどんどん上がるし、成形中もみるみる発酵が進んでしまう。

時間との勝負になるんですね。こねる時間を短縮したり、成形をスピーディーに行ったり、かなりの技術と経験が必要になります。

対策としては、仕込み水を冷蔵庫でしっかり冷やしておく、氷水を使うなどの工夫が必須。それでも、エアコンで室温を下げないと厳しい日もあります。

初心者の方が夏に始めると、「パン作りって難しい…」と挫折してしまう確率が高いのも納得です。

冬(12月〜2月):発酵不足に注意が必要な季節

一方、冬は夏とは逆の問題が起こります。

室温が10℃台、場合によっては10℃以下になることもある冬場。酵母の活動が鈍くなって、なかなか発酵が進みません

水道水もキンキンに冷たいので、そのまま使うとこね上げ温度が低すぎてしまいます。仕込み水を30〜40℃のぬるま湯に温める必要があるんですが、この温度調整が初心者には意外と難しい。

さらに、一次発酵や二次発酵も基本のレシピ通りの時間では足りず、長めに取る必要があります。発酵器やオーブンの発酵機能があれば便利ですが、ない場合は工夫が必要です。

冬もまた、初心者には少しハードルが高い季節と言えます。

春・秋(3月〜5月、10月〜11月):パン作りに最適な季節

そして、春と秋。特に11月は、パン作りに最高の季節なんです。

室温が20〜24℃程度で安定していて、人間にとっても過ごしやすい気温ですよね。酵母にとっても、この気温はとても心地よい温度帯なんです。

水温調整もほとんど不要。常温の水をそのまま使えるので、手間も減ります。

発酵速度が緩やかなので、多少成形に時間がかかっても焦る必要がありません。初心者の方でも、落ち着いて一つ一つの工程に取り組めます。

これが、私が11月をおすすめする最大の理由です。


11月がパン作り初心者に最適な3つの理由

ここで、11月が初心者におすすめな理由を改めて整理してみましょう。

理由①:発酵がゆっくり進むから失敗しにくい

11月の気温は、発酵速度がちょうど良いんです。

気温が低めなので、夏のように発酵が暴走することがありません。かといって、冬のように発酵が進まなすぎることもない。ちょうど良いペースで、緩やかに発酵が進んでくれます。

過発酵のリスクが少ないということは、失敗する確率が大幅に下がるということ。初心者の方でも、レシピ通りに作れば、まず失敗しません。

この「失敗しにくい」という安心感が、パン作りを続けるモチベーションにも繋がるんです。

理由②:仕込み水の温度調整がほぼ不要

夏は水を冷やして、冬は水を温めて…この温度調整が、実は初心者にとって大きなハードルなんです。

でも11月なら、常温の水をそのまま使えます。温度計で細かく測る必要もほとんどありません。

この手軽さが、「ちょっとパンを焼いてみようかな」という気持ちにさせてくれます。準備のハードルが低いと、パン作りが日常に溶け込みやすくなるんですよね。

理由③:成形に多少時間がかかっても大丈夫

パン作り初心者が最も時間をかけてしまうのが、成形の工程です。

生地を丸めたり、伸ばしたり、形を整えたり。慣れないうちは、どうしても手間取ってしまいますよね。

でも11月なら、室温が低いので発酵しすぎるリスクが小さいんです。多少時間がかかっても、焦る必要はありません。

ただし、乾燥にだけは注意が必要です。濡れ布巾をかけておくなど、基本的な対策は忘れずに。それさえ守れば、初心者の方でもゆっくり丁寧に作業できる時間的余裕があります。

生地

季節に合わせた「こね上げ温度」の調整方法

ここからは、少し踏み込んだ内容をお伝えします。でも、難しくないので安心してくださいね。

こね上げ温度とは?

こね上げ温度とは、こね終わった時の生地の温度のことです。

理想のこね上げ温度は、26〜28℃程度。この温度に仕上げることができれば、その後の発酵がスムーズに進みます。

逆に、この温度から大きくズレてしまうと、発酵速度が速すぎたり遅すぎたりして、失敗の原因になるんです。

つまり、こね上げ温度の管理が、パン作りの成功を左右すると言っても過言ではありません。

温度

こね上げ温度を調整する「仕込み水温度」の決め方

では、こね上げ温度をどうやってコントロールするのか?

答えは簡単。仕込み水(パン生地に加える水や牛乳)の温度を調整するんです。

  • 夏(6月〜9月):冷蔵庫で冷やした水、または氷水を使用します。できれば5〜10℃くらいの冷たい水がベスト。
  • 冬(12月〜2月):レンジで温めた30〜40℃のぬるま湯を使用します。熱くしすぎると酵母が死んでしまうので、必ず温度を確認してください。
  • 春・秋(3月〜5月、10月〜11月):常温の水でOKです。水道水をそのまま使えるので、本当に楽なんです。

この仕込み水の温度調整だけで、こね上げ温度のほとんどをコントロールできます。

仕込み水以外の温度管理ポイント

仕込み水の温度調整が基本ですが、他にも気をつけたいポイントがあります。

室温の影響も考慮する:エアコンや暖房で室温が変わると、発酵速度も変わります。できれば、パン作りをする部屋の温度を把握しておきましょう。

こね作業は手早く行う:こねている間、手の温度や摩擦熱で生地温度が上がります。特に夏場は、できるだけ手早くこねることを意識してください。

成形中の乾燥防止:成形に時間がかかる場合は、濡れ布巾をかけて乾燥を防ぎましょう。生地が乾燥すると、焼き上がりに影響します。

これらのポイントを押さえておくだけで、パン作りの成功率がぐっと上がりますよ。


初心者が11月に作りやすいおすすめパン

最後に、11月から始める方におすすめのパンをご紹介します。

シンプルな丸パンから始めよう

最初に作るなら、シンプルな丸パンがおすすめです。

成形は生地を丸めるだけなので、初心者でも簡単。特別な技術は必要ありません。

そして、丸パンは発酵の見極めを学ぶのに最適なんです。生地がどれくらい膨らめば良いのか、触った感じはどうなのか。基本をしっかり体感できます。

まずは丸パンで基礎を固めて、それから色々なパンに挑戦していくのが、上達の近道です。

秋の味覚を使った季節のパン

基本の丸パンが焼けるようになったら、次は季節を楽しむパンに挑戦してみましょう。

さつまいもパン:さつまいもを角切りにして生地に混ぜ込むだけ。ほんのり甘くて、子どもから大人まで大人気です。

かぼちゃパン:かぼちゃを練り込むと、生地が綺麗なオレンジ色に。見た目も楽しいパンになります。

栗入りパン:甘露煮の栗を使えば、簡単に秋らしいパンの完成。ほっこりとした優しい甘さが魅力です。

季節の食材を使うと、パン作りがもっと楽しくなります。「次は何を入れてみようかな」と考えるのも、パン作りの醍醐味ですよね。


まとめ:パン作りは季節選びから始まる

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

パン作りと季節の関係、少しでも理解していただけたでしょうか。

11月は、発酵がゆっくりで初心者に最適な季節です。仕込み水の温度調整もほぼ不要で、成形に時間がかかっても焦る必要がありません。

そして、季節ごとの特徴を理解すれば、一年中美味しいパンを焼くことができます。夏は夏の、冬は冬の工夫をすれば良いだけなんです。

でも、最初の一歩は、失敗しにくい季節から始めるのが一番。だからこそ、今この11月こそが、パン作りをスタートする絶好のタイミングなんです。

焼きたてのパンがある暮らしって、本当に幸せですよ。部屋中に広がる香ばしい香り、オーブンから出したばかりのふわふわの食感。これは、買ってきたパンでは味わえない特別な体験です。

まずは週末に、シンプルな丸パンから始めてみませんか?

この記事が、あなたのパン作りの第一歩を後押しできたら嬉しいです。

美味しいパンが焼けますように!


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