
9月も終わりに近づいているというのに、毎日暑い日が続いていますね^^;
季節のパンレッスンでは、秋の味覚を取り入れたくて「ぶどうといちじく」を食材に選びました。そして今回は、たまにはパン以外のものを作りたいなということで、「スコーン」を作ろうと企画したんです。
ただのスコーンレッスンではありません。パン教室として、やはり発酵にこだわりたい。そこで思いついたのが、一般的なベーキングパウダーのスコーンと酵母を使った発酵スコーンの食べ比べです。
作る工程や味わい、食感の違いを楽しんでもらえたら、きっと面白いレッスンになるはず。そんな想いから始まった今回のスコーンレッスンをレポートします。
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高校卒業してから23年勤めた、航空自衛隊を41歳で退職。2024年に自宅教室「こだわり酵母パン教室フリーゼ」をオープン。
“自分時間を大切に”“職場でも家でもない場所に居場所を作る”そんな教室作りをしています。ホームベーカリーで叶える“無理しない”パン生活で、ふんわり美味しいパンをいつでもそばに。『簡単に、でも本格的に!』をモットーに、生活にワクワクをお届けします!
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2つのスコーン、それぞれの個性
手軽で失敗知らず!基本のスコーン

まずは一般的なスコーンから。ベーキングパウダーを使い、オーブンの熱によって膨らませる、イギリス発祥の伝統的なお菓子です。何といってもその手軽さが魅力で、1時間ほどで出来上がってしまいます。現代の忙しい生活にぴったりの、失敗しにくい現代的な手法といえるでしょう。
材料もシンプル。小麦粉、バター、砂糖、ベーキングパウダー、そして少しの塩と牛乳。これらを手早く混ぜ合わせ、生地をまとめて型で抜くか包丁で切り分けて、オーブンで焼くだけ。生地を捏ねすぎないのがポイントで、ざっくりと混ぜ合わせることで、あのサクッとほろほろとした軽やかな食感が生まれます。
完成したスコーンを口に入れると、小麦粉とバター、砂糖などの味をダイレクトに感じることができます。素材の味がストレートに伝わってくる、シンプルながらも奥深い美味しさです。
時間をかけて生まれる深い味わい、酵母スコーン

一方、今回の目玉である酵母スコーン。こちらは酵母を使って発酵させて作るため、どうしても時間がかかってしまいます。レッスンでは時間の都合上2〜3時間で作りましたが、私個人としては48時間冷蔵庫で熟成させるのが一番のおすすめなんです。
なぜそんなに時間をかけるのか。それは、時間をかけることでしか得られない特別な味わいがあるからです。酵母特有の奥深い風味と、熟成によって生まれる芳醇な味わいが重なり合い、基本のスコーンとは全く異なる濃厚な美味しさが生まれるのです。
当教室では、麹種(こうじだね)とインスタントドライイーストを併用して作ります。麹種を加えることで、より一層の旨味や自然な甘み、そして複雑で奥深い味わいが生まれます。これは、パン作りで培った技術をスコーンにも応用した、当教室ならではのアプローチです。
食感も基本のスコーンとは大きく異なります。しっとりとしていながらもザクザクとした歯ごたえがあり、若干パン寄りの少し重みのある食感。一口食べると、じんわりと口の中に広がる深い味わいに、思わず「これは別の食べ物だ」と感じてしまうほどです。
今回は秋らしく、一つはラムレーズンを混ぜ込んで、もう一つは洋酒に漬けたいちじくを混ぜ込みました。どちらも酵母スコーンの濃厚な味わいとよく合い、大人の味わいに仕上がります。
レッスン当日の流れ
まずは時間のかかる酵母スコーンから
レッスン当日。酵母スコーンは発酵に時間がかかるため、まずはこちらから仕込みます。生徒様には、「今日は2つのスコーンを作るので、まずは発酵時間の必要な酵母スコーンから始めましょう」とご説明。
全粒粉もブレンドし、栄養面と食感、香ばしい味わいにもこだわりましたよ!

麹種と牛乳を準備しておき、小麦粉、砂糖、塩、イーストと混ぜ合わせていきます。ここで大切なのは、パン作りとは違って捏ねないこと。スコーンとしての食感を残すため、生地がひとまとまりになったらそこでストップです。

ラムレーズンといちじくをそれぞれ混ぜ込み、生地を冷蔵庫で休ませます。この間に、基本のスコーンを作っていきましょう。
サクサク食感を楽しむ基本のスコーン
酵母スコーンを発酵させている間に、基本のスコーンの作業に入ります。こちらは本当に手早くできてしまうので、生徒様にも驚かれます。
冷たいバターを小麦粉に混ぜ込む作業では、「バターが溶けないように手早く」がコツ。指先を使ってバターを小麦粉に馴染ませていくと、だんだんとそぼろ状になってきます。この段階で牛乳を加え、ざっくりと混ぜ合わせて生地をまとめます。

「こんなに簡単でいいんですか?」と生徒様。そうなんです、基本のスコーンは本当にシンプル。生地をまとめたら厚さ2センチほどに伸ばして、丸い型で抜くか、包丁で四角く切り分けます。
オーブンに入れること約15分。あっという間に、ふっくらと膨らんだ美味しそうなスコーンの完成です。焼き上がりまで1時間程度。生徒様からは「こんなに早くできちゃうなら、ちょうどいいおやつになりますね!」という声が。
焼きたてスコーンでティータイム
出来上がったばかりの基本のスコーンを、まずは何もつけずにそのまま味わってもらいます。サクサクほろほろの食感と、バターの風味がしっかりと感じられる優しい味わい。その後、いちごジャムをつけて召し上がっていただきました。
「バターの風味がいいですね。甘さ控えめだから、いろいろなトッピングを楽しめそう」と生徒様。確かに、基本のスコーンはジャムやクリーム、はちみつなど、さまざまなトッピングとの相性が良いのも魅力の一つです。
この間、酵母スコーンはじっくりと発酵が進んでいます。冷蔵庫の中で、時間をかけてゆっくりと味わいが深まっているのです。
いよいよ酵母スコーンの仕上げ
基本のスコーンでお腹が満たされた頃、いよいよ酵母スコーンの登場です。冷蔵庫から取り出すと、ほんのりと発酵の香りが。
今回は四角に切り分けました。もちろん丸い型や花型を使ってもいいのですが、四角く切ることで断面がきれいに見えるんです。ラムレーズンやいちじくの具材も美しく配置されて、見た目にも食欲をそそります。
天板に並べてオーブンへ。焼いている間、なんとも言えない芳醇な香りが部屋に充満してきます。基本のスコーンとは明らかに違う、複雑で深みのある香り。「まるでカフェみたい」と生徒様もうっとり。
そんな時、夫が挽きたてのコーヒーをドリップしてくれました。豆から挽いたコーヒーの香りが酵母スコーンの香りと重なって、本当にカフェのような贅沢な空間に。生徒様からは「豆から挽いて入れてくれるんですか〜?嬉しい〜カフェみたい♪」と大喜びの声が上がりました。
感動の食べ比べタイム
オーブンから取り出した酵母スコーン。外はほんのりと焼き色がついて、中はしっとりとした仕上がり。少し冷ましてから、いよいよ食べ比べの時間です。
まずは一口。生徒様の反応は想像以上でした。
「さっき食べた基本のスコーンと全然違う!!」 「すっごい濃厚で味わいが奥深いですね!」 「これは本当に同じスコーンなんですか?」
基本のスコーンのサクほろ食感とは対照的に、酵母スコーンはしっとりとしながらもザクザクとした歯ごたえ。そして何より、その味の深さに皆さん驚かれていました。発酵によって生まれた複雑な風味と、麹種による自然な甘みと旨味が重なり合って、一口食べると口の中に広がる豊かな味わい。
ラムレーズン入りは大人の味わいで、ラムの香りと酵母の風味が絶妙にマッチ。いちじく入りは、洋酒に漬けたいちじくの上品な甘さと酵母スコーンの深い味わいが美しく調和していました。
「お友達にプレゼントしたい!私こっちの方が好き!」という生徒様も。お腹いっぱいのはずなのに、「食べちゃう〜」と言いながらたくさん召し上がってくださいました。気に入っていただけて、本当に嬉しかったです。
スコーンの新たな可能性
今回のレッスンを通して改めて感じたのは、酵母スコーンとベーキングパウダーのスコーンは全く別の食べ物だということ。同じ「スコーン」という名前でも、製法が違うだけでここまで異なる味わいと食感が生まれるのは、本当に興味深いものです。
最近では、スコーン専門店も増えており、酵母を使って発酵させて作るこだわりのスコーン屋さんも見かけるようになりました。それだけ、時間をかけて作る酵母スコーンの美味しさが認められてきているということでしょう。
スコーンの楽しみ方も多様化しています。具材を練り込むだけでなく、例えばあんことバターをサンドしたり、ピスタチオクリームをサンドしたり、さまざまなバリエーションが楽しめるのもスコーンの魅力です。基本のスコーンなら手軽におやつとして、酵母スコーンなら特別な日のお茶時間にと、使い分けも楽しそうです。

まとめ
今回のスコーンレッスンは、同じ食材でも製法によってこれほどまでに異なる美味しさが生まれるということを、生徒様と一緒に実感できる貴重な体験となりました。
基本のスコーンの手軽さと素直な美味しさ、酵母スコーンの深い味わいと特別感。どちらにもそれぞれの良さがあり、その日の気分や時間、シーンに合わせて選べるのも素敵だなと思います。
機会があればぜひ、皆さんも酵母スコーン作りに挑戦してみてくださいね。時間はかかりますが、その分得られる感動と美味しさは格別ですよ。
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