「パンを手作りしてみたいけど、何から始めたらいいかわからない…」 「こねるってどうやって?どれくらい?」
そんな風に思っている方、実はとても多いんです。私のパン教室にいらっしゃる生徒さんからも、こんな声をよく聞きます。
「初めてパンを作った時はこねないパンを作りました。でも正解がよくわからなくて…」
2024年は確実に「こねないパン」がブームになりましたよね。でも、初心者の方にとっては、こねるパンも、こねないパンも、どちらがどう違うのか、自分はどこから始めたらいいのか判断がつかないのが現実です。
今日は、パン講師の私が「こねないパンブーム」を冷静に分析して、あなたが本当に作りたいパンを見つけるお手伝いをしたいと思います。
この記事を読み終わる頃には、きっと「私にはこのスタイルが合ってるな」って納得していただけるはず。最後まで読んでくださいね。
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高校卒業してから23年勤めた、航空自衛隊を41歳で退職。2024年に自宅教室「こだわり酵母パン教室フリーゼ」をオープン。
“自分時間を大切に”“職場でも家でもない場所に居場所を作る”そんな教室作りをしています。
ホームベーカリーで叶える“無理しない”パン生活で、ふんわり美味しいパンをいつでもそばに。
『簡単に、でも本格的に!』をモットーに、生活にワクワクをお届けします!
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パン作り初心者が直面する「こね」の壁とは?

パンを初めて作る方にとって、まず壁になるのが「こね」だと思います。
レシピには「10分こねる」「グルテン膜ができるまで」なんて書いてあるけれど、実際やってみると:
- 手がベタベタになって大変
- 本当にこれで合ってるの?
- グルテン膜って何?
- 10分って長く感じる…
こんな経験、ありませんか?
私の教室でも「こねるのが怖くて、最初はこねないパンから始めました」という生徒さんが本当に増えました。気持ち、すごくわかります。
でも実は、こねないパンにも「正解がわからない」という別の悩みがあることも事実なんです。
2024年「こねないパン」ブームが起きた4つの背景

なぜこんなにこねないパンがブームになったのか、背景を整理してみましょう。
コロナ禍以降のおうち時間増加がもたらした変化
コロナ禍以降、おうち時間が増えて「自分でパンを焼きたい」という人が急増しました。
でも、いきなり本格的に捏ねるのは大変。そこで「こねないレシピ」にみんなが注目したんです。確かに、初めての人には魅力的ですもんね。
SNS・レシピサイトでの拡散力が加速
クックパッドでの大賞受賞(2024年)が大きな追い風になりました。
「初心者でも失敗しにくい」「材料を混ぜて置くだけ」というキャッチコピーは、短い動画やSNS投稿と相性抜群。あっという間に拡散されました。
私も正直「すごい勢いだな」って思いました。
健康志向・自然志向との相性の良さ
「長時間発酵」「ゆっくり熟成」というキーワードが、“手をかけないのに本格風”と感じられて支持されたんです。
実は、自家製酵母のパンもあまりこねません。7〜8割こねて長時間発酵。こねないパンとは少し違うけど、健康志向・自然志向の方にはこねのハードルは低かったと思います。
令和の米騒動が小麦需要を押し上げ
2024年には米の急激な価格高騰と在庫不足により、スーパーからお米が消えるという現象が起こりました。
猛暑や害虫の影響、備蓄米の放出の遅れなど様々な要因が重なったんですが、お米が高騰したことで、安価な小麦の需要が増え、家でパンを手作りしてみようという方が増えたのだと私は分析しています。
こねないパンの3つの魅力と強み

じゃあ、こねないパンの魅力って何でしょうか?実際に良いところもたくさんあるんです。
誰でもできる簡単さが最大の魅力
力も道具も不要。家庭用キッチンで「失敗しにくいパン作り」が実現できるのは、間違いなく大きな魅力です。
スタンドミキサーも、力強いこねも必要ない。材料を混ぜて待つだけ。これは革命的だと思います。
発酵で引き出す自然な風味
長時間発酵によって、小麦の風味や軽い酸味を自然に引き出せるんです。
これ、実は奥が深くて、時間をかけることでしか出せない風味があるのも事実。職人さんも認めるポイントです。
映えるクラストで満足度アップ
高加水・長時間発酵で、大きな気泡やパリッとしたクラストが出やすく、見た目のインパクトが強いのも特徴。
SNSに投稿したくなる見た目って、パン作りのモチベーションアップに繋がりますもんね。
こねないパンの4つの限界|なぜ物足りなく感じるのか?
でも、正直に言うと、こねないパンにも限界があります。生徒さんからよく聞く「物足りない」という感想には、ちゃんと理由があるんです。
食感の幅が狭い理由とは
グルテン形成が弱いため、しっとり弾力のあるクラム(内相)や、引きのある食感を出すのが難しいんです。
特に、ソフト系(食パンやバターロールなど)では「なんか違う…」って感じやすいのが現実。
「手作りパンの醍醐味って、あのもちもち感じゃない?」って思う方には、やっぱり物足りないかもしれません。
扱えるバリエーションの制約
シンプルなハード系は作りやすいんですが、菓子パンや惣菜パン、リッチ生地には向かないんです。
そして、成形の自由度も低い。ねじり・包み込み・細工パンには不向きです。
「あんパン作りたい」「クリームパン作りたい」って思った時に、壁にぶつかっちゃうんですよね。
風味や香りの奥行きの違い
長時間発酵で小麦の香りは出るけれど、捏ねによって生まれる「生地のまとまり感」や「甘みの引き出し」は出にくいんです。
職人や経験者からすると「もう一歩足りない」と感じやすい部分でもあります。
再現性の課題
室温や発酵時間に大きく左右されるため、失敗は少ないが「安定して同じ仕上がりにする」のは実は難しいんです。
「前回はうまくいったのに、今回はイマイチ…」って経験、ありませんか?
こねないパン vs こねるパン|どちらから始めるべき?


じゃあ、結局どっちから始めたらいいの?って話ですよね。
初心者におすすめのスタート方法
私の結論は:「まずはこねないパンから始めて、物足りなくなったらこねるパンへ」です。
理由は:
- パン作りの楽しさを実感できる
- 発酵の感覚を掴める
- 失敗のダメージが少ない
- 道具投資も最小限で済む
本格パン作りへのステップアップ時期
でも、こんな症状が出てきたら「こね」を覚える時期です:
こんな症状が出たら「こね」を覚える時期
- 「物足りない」と感じ始めた
- もっちり感が欲しくなった
- 市販のパンとの違いを感じたくなった
- 成形パンに挑戦したくなった
- あんパン、クリームパン作りたい
- 可愛い形のパンに挑戦したい
- 同じ仕上がりを安定して作りたい
- 家族に「また作って」って言われる
- プレゼントできるレベルにしたい

プロが教える|パン作り成功の3つのポイント
ここで、長年パンを作り続けてきた私からのアドバイスをシェアしますね。
道具選びで8割決まる
実は、良い道具を使うだけで失敗率がグンと下がります。
特に:
- デジタルスケール(0.1g単位で測れるもの)
- スケッパー・カード(薄型でしなるもの。表面がツルツルのタイプ)
- めん棒(太さ3cm×長さ30cm程のもの)
百均はお勧めしません。この3つは絶対に妥協しないでください。
発酵の見極め方をマスターする
「時間」じゃなくて「状態」を見るのがコツです。
- 一次発酵:生地が2倍に膨らんだ状態
- 二次発酵:天板を揺するとプルプルする。軽く触って弾力がある状態
これができるようになると、パン作りの成功率が劇的に上がります。
生地の状態を理解する基本
最初は「これで大丈夫?」って不安になりがちですが、きちんとポイントを押さえておけば大丈夫!
それは、「グルテン膜のチェック」

グルテン膜というのは、生地を伸ばして、薄い膜ができる状態。
両手で生地を掴み、左右に優しく伸ばしていきます。切れちゃっても大丈夫。恐れずにチャレンジしてみてくださいね。
指が透けて見えるくらいに伸びが良くなっていればOKです!
まとめ|あなたに最適なパン作りスタイルの見つけ方

長くなりましたが、最後にまとめますね。
こねないパンは「入り口」として本当に優秀です。パン作りの楽しさを知るには最適な方法だと思います。
でも、パンの魅力である食感の多様性・成形の楽しさ・奥深い風味を十分に味わうには「こね」が不可欠なのも事実。
ブームの先には、必ず「もっと美味しく作りたい」「もっと自由に成形したい」という欲求が出てきます。その時が、本格的なパン作りを始める絶好のタイミングです。
大切なのは、今のあなたが「どんなパンを作りたいか」を明確にすること。
- とりあえずパン作りを体験してみたい → こねないパンから
- ふわふわの食パンが作りたい → 基本のこねから
- いろんな形のパンに挑戦したい → こねをマスター
あなたはどのタイプでしたか?
本格的なパン作りを学びたい方へ

パン作りの奥深さを体験してみませんか?
私の教室では、ほとんどの方が初心者。こねないパンとこねるパンの違いを理解しながら、一緒に成長すことを目指しています。もちろん上級者も満足いく内容ですよ!
「理想のパン」を一緒に作り上げていきましょう。
「こねないパンから始めたけど、もっと本格的に学んでみたい」 「失敗続きで心が折れそう…でも諦めたくない」 「プロの技術をしっかり身につけたい」
そんなあなたの想いに、真剣に向き合います。
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。あなたのパン作りライフが、もっともっと楽しくなることを心から願っています!

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