
「あんぱんの元祖」として知られる木村屋總本店。明治天皇に献上されたという歴史あるあんぱんを、ずっと食べてみたいと思っていました。そんな憧れのあんぱんに、たまたま立ち寄ったデパートで出会えたんです!わざわざ銀座まで行かなきゃと思っていたので、この出会いは本当にラッキーでした。
今回は、木村屋總本店の「酒種(さかだね)五色あんぱん」を実際に食べてみた感想を、詳しくレポートします。桜・小倉・けし・うぐいす・白あんの5種類、それぞれの味わいの違いや特徴をお伝えしますね。
実は私、酒種酵母を使ってパン作りをしているんです。だからこそ、酒種で作られた木村屋のあんぱんがどれほど特別なのか、その魅力を深く理解できると思います。パン作りをする立場から見た木村屋のあんぱんの凄さも、一緒にお話ししていきますよ。
木村屋總本店とは?明治天皇に献上されたあんぱんの歴史
木村屋總本店は、明治時代から続く老舗のパン屋さんです。銀座に本店があり、「あんぱん発祥の店」として知られています。
特に有名なのが、明治8年(1875年)に明治天皇に献上されたという逸話。当時、西洋から入ってきたばかりのパンを、どうにか日本人の口に合うように改良できないかと試行錯誤した結果、生まれたのが酒種酵母を使ったあんぱんだったんです。
桜の花びらを添えたあんぱんが天皇陛下に気に入られ、それ以来「桜あんぱん」は木村屋の看板商品となりました。140年以上も愛され続けている伝統の味なんですね。
【筆者紹介】私がこの記事を書ける理由
少し自己紹介をさせてください。私は趣味で酒種酵母を使ったパン作りをしています。
酒種酵母というのは、一般的なイースト菌とは全く違う、日本独自の発酵方法なんです。お米と麹を使って作る自家製酵母で、管理にも手間がかかります。でも、その分できあがるパンの味わいは格別なんですよ。
だからこそ、木村屋總本店のあんぱんがずっと気になっていました。プロが作る酒種あんぱんは、どんな味なんだろうって。実際に食べてみて、その技術の高さと伝統の重みを感じることができました。
パン作りをする立場だからこそ分かる、原材料へのこだわりや製法の工夫についても、この記事でお伝えしていきますね。
木村屋のあんぱん最大の特徴「酒種酵母」とは

酒種酵母の製法と原料
木村屋のあんぱんを語る上で、絶対に外せないのが「酒種(さかだね)」という酵母です。
酒種酵母は、日本酒を作る工程からヒントを得て開発された、日本生まれの自家製酵母なんです。主な原料は麹とお米。これらを発酵させて作ります。
日本酒造りと似た製法だからこそ、ほのかにお酒のような風味が感じられるんですね。でも、アルコールはほとんど飛んでいるので、お酒が苦手な人や子供でも安心して食べられますよ。
酒種酵母で作るパンの特徴
酒種酵母で作ったパンには、他の酵母にはない特別な魅力があります。
まず、甘みと旨みがとても強いこと。麹やお米の自然な甘さが生地に移るので、砂糖を加えなくてもほんのり甘く感じるんです。木村屋のあんぱんにも砂糖は使われていますが、酒種ならではの深い甘みが加わって、他のあんぱんでは味わえない独特の美味しさになっています。
そして食感も特徴的。ふわふわなのにしっとりしていて、口の中でほどけるような柔らかさがあります。パサパサ感が全くないんですよ。
一般的なパン酵母との違い
スーパーで売っているパンの多くは、イースト菌を使って作られています。イースト菌は発酵が早くて扱いやすいので、大量生産に向いているんです。
でも酒種酵母は違います。発酵に時間がかかり、温度管理も繊細。手間がかかる分、パン職人の技術が試される酵母なんです。
味の違いも明らか。イースト菌で作ったパンは、どちらかというとシンプルで軽い味わい。対して酒種で作ったパンは、奥深い甘みとコク、ほのかなお酒の風味が特徴です。日本人の味覚にぴったり合う、和を感じる味わいなんですよ。
デパートで偶然発見!木村屋の酒種五色あんぱんを購入

購入場所と価格について
本当は銀座の本店に行きたかったんですが、なかなか遠くて。そんな時、たまたま立ち寄ったデパートで木村屋のあんぱんを見つけたんです!
デパートの食品売り場で期間限定の催事をやっていて、そこに木村屋總本店が出店していました。銀座まで行かなくても、デパートの催事で買えることがあるんですね。これは嬉しい発見でした。
今回購入したのは「酒種五色」というセット。桜・小倉・けし・うぐいす・白あんの5種類がセットになった商品です。価格は一般的なあんぱんと比べると確かに高め。でも、食べてみればその価値が分かります。
木村屋のあんぱんに使われている原材料のこだわり

パッケージの裏を見て驚いたのが、原材料へのこだわりです。
まず注目したいのが「バター」の使用。市販のパンの多くはショートニングやマーガリンを使います。これらは価格が安いので、コストを抑えられるんです。
でも木村屋のあんぱんは違いました。しっかりとバターを使用しています。バターは風味も豊かで、体にも優しい。でも価格は高い。それでもバターを選ぶというのは、味へのこだわりの表れですよね。
砂糖もしっかり使われていて、酒種の自然な甘みに加えて、砂糖の甘さも感じられるように作られています。甘党の人にはたまらない味わいです。
サイズは一般的なあんぱんよりやや小さめ。でもこの大きさが、上品さと食べやすさのバランスが取れているんです。ペロリと食べられちゃいますよ。
【実食レポート】木村屋酒種五色あんぱん全5種を徹底レビュー

さあ、いよいよ実食です!5種類それぞれの味わいを詳しくレポートしていきますね。
桜あんぱん|塩漬けがアクセントの春の味わい

まず最初に食べたのが、木村屋の代名詞とも言える「桜あんぱん」。
中身はこし餡。なめらかで口当たりがとても良いです。甘い生地に甘いこし餡、そこに桜の塩漬けが乗っているんですが、この塩味が絶妙なアクセントになっているんです。
甘じょっぱい、という言葉がぴったり。桜の風味も相まって、春を感じるような爽やかさがあります。明治天皇が気に入られたというのも納得の味わいです。
塩漬けの桜がほのかに香って、普通のあんぱんとは一線を画す上品さがあります。個人的には5種類の中で一番印象に残った味でした。
けしあんぱん|プチプチ食感のこし餡

「けしあんぱん」は、表面にけしの実がたっぷり散りばめられています。
中身はこし餡で、桜あんぱんと同じくなめらかな舌触り。けしの実のプチプチとした食感が楽しいんです。噛むたびにプチプチと弾ける感覚が、食べていて飽きさせません。
味わいはシンプル。酒種生地の甘みと、こし餡の上品な甘さが主役です。華やかさはないけれど、だからこそ素材の良さが際立つあんぱんだと思います。
けしの実の香ばしさも良いアクセントになっていて、お茶との相性も抜群ですよ。
小倉あんぱん|小豆の風味が際立つつぶ餡

「小倉(おぐら)あんぱん」は、こし餡に煮た粒々のあずきを混ぜ込だ小倉あんを包み込んでいます。
小豆の粒がしっかり残っていて、食べ応えがあるのが特徴。こし餡のなめらかさとは違う、つぶつぶとした食感が楽しめます。
特に感じたのが、小豆本来の風味の強さ。小豆の味わいがしっかりと感じられて、「あんこ好き」にはたまらない一品だと思います。
しっとりとした口当たりで、生地との一体感もばっちり。酒種生地の優しい甘さと、小豆の深い味わいがマッチしています。
うぐいすあんぱん|上品な甘さの青えんどう餡

「うぐいすあんぱん」は、少し珍しいあんこを使っています。
うぐいす餡の原料は青えんどう。小豆とは全く違う、独特の風味があります。色も緑がかった優しい色合いで、見た目からして上品なんです。
味わいはとても上品で優しい甘さ。小豆のような力強い味わいではなく、すっと口の中に溶けていくような繊細さがあります。
酒種の優しい甘さの生地と、うぐいす餡の上品な甘さが本当によく合うんです。和菓子のような洗練された味わいで、大人の女性に特に好まれそうだと思いました。
白あんぱん|小豆が苦手な人にもおすすめ

最後は「白あんぱん」。
原材料には「白つぶあん」と書かれていましたが、見た目も食感もこし餡のようになめらかでした。白あんは白いんげん豆などから作られることが多く、小豆が苦手な人でも食べやすいのが特徴です。
味わいはとても優しくて、万人受けする甘さ。小豆特有のクセがないので、あんこ初心者の人にもおすすめできます。
口当たりがとてもなめらかで、酒種生地のふわふわ感と合わさって、口の中でふわっと溶けていくような食感が楽しめました。
木村屋總本店のあんぱん全体の味わい評価

生地の特徴
5種類すべてに共通して言えるのが、生地が本当に甘いということ。
酒種酵母特有のお酒っぽい風味が少し残っていて、それでいて甘みもしっかりある。この絶妙なバランスが、木村屋のあんぱんの魅力だと感じました。
ふわふわなのにしっとりしていて、パサつきが全くありません。次の日に食べても、まだしっとり感が残っているんですよ。これは酒種酵母ならではの特徴ですね。
サイズ感と価格のバランス
正直に言うと、一般的なあんぱんと比べるとサイズは小さめで価格は高めです。
でも食べてみれば納得。原材料へのこだわり、伝統の製法、職人の技術、すべてが詰まった一品だからこその価格なんだと分かります。
高級なお菓子を買うような感覚で、特別な日のおやつとして楽しむのがおすすめです。自分へのご褒美にもぴったりですよ。
どんな人におすすめか
木村屋のあんぱんは、甘みが強いので子供や年配の方に特に好まれそうだと思いました。
また、伝統的な和の味わいが好きな人、日本の文化や歴史に興味がある人にもおすすめです。「明治天皇に献上されたあんぱん」という背景を知った上で食べると、また違った味わい方ができます。
そして何より、酒種パンを味わってみたい人には、ぜひ試してほしいです。酒種で作られたパンを食べる機会は、実はそんなに多くないんですよ。
まとめ:木村屋總本店のあんぱんで酒種の魅力を体験しよう
明治天皇に献上されたという歴史ある木村屋總本店のあんぱん。実際に食べてみて、その伝統の重みと美味しさを実感しました。
酒種酵母ならではの深い甘みとコク、ふわふわしっとりとした食感は、他のあんぱんでは味わえない特別なもの。日本人の味覚に合うように作られた、まさに「和のパン」だと感じました。
5種類それぞれに個性があって、どれも美味しい。でも私の一番のおすすめは、やっぱり「桜あんぱん」。塩漬けの桜が効いた甘じょっぱい味わいは、一度食べたら忘れられません。
価格は確かに高めですが、特別な日のおやつや、自分へのご褒美として、ぜひ一度は味わってみてほしいです。
もし酒種のパンを味わってみたいと思っている方がいたら、木村屋總本店のあんぱんから始めてみてください。きっと、日本のパン文化の奥深さに気づけるはずですよ。
次はぜひ、銀座本店で焼きたてを味わってみたいと思います。みなさんも機会があれば、ぜひ木村屋總本店のあんぱんを楽しんでみてくださいね!
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