パン作りをしていて、こんな経験はありませんか?
二次発酵が終わって、天板の上でぷっくり膨らんだパン生地。つやつやしていて、ぷるぷるしていて、思わず「かわいい〜!」って触りたくなっちゃいますよね。
でも、ちょっと待って!そこで触ったらアウトです。
私はパン教室を運営していて、これまで生徒様に「あ!触らないで!」と慌てて止めた経験があります。特に多いのが、隣同士の生地がくっつきそうになって、移動させようとするケース。気持ちはすごく分かるんですが、これが大失敗の原因なんです。
今回は、パンの二次発酵後にやってはいけないことを3つご紹介します。これを知っておくだけで、焼き上がりが格段に良くなりますよ。

私がこの記事を書ける理由
まず、簡単に自己紹介をさせてください。
私は自宅でパン教室を運営していて、主に初心者の方を中心にレッスンをしています。毎回のレッスンで、パン作りの「あるある失敗」を目の当たりにしてきました。
その中でも、二次発酵後の生地を触ってしまう失敗は、本当に多いんです。
生徒様は悪気があるわけじゃないんです。むしろ「きれいに焼きたい」「失敗したくない」という真剣な気持ちから、つい手を出してしまう。でもその一瞬の行動が、せっかくここまで頑張ってきた生地をダメにしてしまうことがあります。
何度も失敗を見てきたからこそ、どうすれば防げるのかを具体的にお伝えできます。今日はその経験をもとに、プロの視点から解説していきますね。
パンの二次発酵とは?基本をおさらい
まずは基本から確認しましょう。パン作りが初めての方も、ここを読めば大丈夫です。
一次発酵と二次発酵の違い
パン作りには「発酵」という工程が欠かせません。これは、パンを膨らませるための大切な時間です。
一次発酵は、こねた生地を最初に膨らませる工程。生地の中でイースト(酵母)が活動して、ガスを発生させます。このガスが生地を大きく膨らませてくれるんです。
一方、二次発酵は成形をした後、焼く前に行う最終的な発酵です。形を整えた生地を、もう一度温かい場所に置いて膨らませます。この工程を経ることで、ふんわり柔らかいパンに仕上がります。
二次発酵後の生地の状態
二次発酵が終わった生地は、見た目がとっても魅力的です。
ぷっくりと膨らんで、表面はつやつや。触るとぷるぷるしていそうで、思わず「かわいい〜!」って言いたくなります。実際、レッスン中も生徒様は「プルプルしてて可愛い〜触りたくなっちゃう」とついつい触ってしまいそうになる方も^^
でも、ここが落とし穴。二次発酵後の生地は、見た目以上にデリケートなんです。
二次発酵後にやってはいけないこと3選
さあ、ここからが本題です。二次発酵後に絶対やってはいけないことを3つ、具体的にお伝えします。
①触ってしまう(最も多い失敗)
これが断トツで多い失敗です。
ぷっくり膨らんだ生地を見ると、どうしても触りたくなりますよね。弾力を確かめたくなったり、かわいくてついつい指でツンツンしたくなったり。気持ちはすごく分かります。
でも、触った瞬間にアウトです。厳密に言えば、触るのは必要最低限に!触る必要がある時もあるので^^;
二次発酵後の生地は、中にたくさんのガスが含まれています。このガスがパンをふんわり膨らませる原動力なんですが、下手に触ってしまうとガスが抜けてしまうんです。
ガスが抜けると何が起こるか?
- 生地がしぼんでしまう
- 形が崩れる
- 綺麗な形に焼けない
- ふんわり感が失われる
せっかくここまで丁寧に発酵させてきたのに、一瞬で台無しになってしまいます。
レッスンでもよくあるのが、「あれ?この生地、隣とくっつきそう…」と思って、移動させようと触ってしまうケース。確かに焼いたときにくっつくのは避けたいですよね。でも、触ってしまったら元も子もありません。
くっついたとしても、焼いた後にナイフで切り離せば大丈夫です。それよりも、生地の状態を保つことのほうがずっと大切なんです。
②生地を移動させる
①と関連しますが、生地を移動させるのもNGです。
「配置を間違えた!」「間隔が狭すぎた!」と気づいても、二次発酵後に動かすのは禁物。生地を持ち上げたり、ずらしたりする動作そのものが、生地にダメージを与えてしまいます。
ではどうすればいいのか?
答えは、二次発酵前に正しく配置すること。
成形した生地を天板に並べるとき、こんなポイントを意識してみてください:
- 生地と生地の間は、指3本分くらい空ける
- 天板の端からも余裕を持って配置する
- 二次発酵でどれくらい膨らむかを想像しながら並べる(2倍ほどに大きくなる)
最初は難しいかもしれませんが、何度か作るうちに感覚がつかめてきます。私も最初の頃は、焼いたらくっついちゃって「あちゃー!」ってなることが何度もありました(笑)。
でも、それも経験のうち。失敗から学んで、次に活かせばいいんです。
③塗り卵を強く塗る
最後は、塗り卵の塗り方についてです。
パンの表面につやを出したり、焼き色をきれいにつけたりするために、焼く前に卵を塗りますよね。この工程、意外と注意が必要なんです。
刷毛を強く押し付けたり、刷毛の先端でゴシゴシ塗ったりすると、せっかく膨らんだ生地が潰れてしまいます。
二次発酵後の生地は本当にデリケート。ちょっとした圧力でも、表面に凹凸ができたり、形が崩れたりします。最悪の場合、生地が潰れてしまって、焼き上がりの形が悪くなることも。
レッスンでも、初心者の方は力が入りすぎてしまうことが多いです。「しっかり塗らなきゃ!」という気持ちが強いんですよね。でも、塗り卵は薄く塗るだけで十分効果があります。
むしろ、優しく扱うことが一番大切です。

正しい塗り卵の塗り方【プロの技術】
では、どうやって塗ればいいのか?プロの技術をお伝えします。
刷毛の選び方
まず、刷毛選びから。
できれば柔らかい毛質の刷毛を選んでください。硬い刷毛だと、どうしても生地に負担がかかってしまいます。
シリコン製の刷毛もありますが、ムラができやすいので、個人的には天然毛や柔らかいナイロン製がおすすめ。生地に優しく、塗りやすいです。
塗り方のコツ
さあ、ここが一番大事なポイントです。
刷毛の腹を使って、優しく撫でるように塗る。
これだけです。本当にこれだけ。
具体的には:
- 卵液を刷毛に含ませる(多い時は余分な卵を落としておく)
- 刷毛を寝かせるように持つ(垂直ではなく、斜めに)
- 刷毛の腹の部分が生地に当たるようにする
- 力を入れず、撫でるように滑らせる
- 薄く塗る
「そんなに優しくて大丈夫?」と思うかもしれませんが、大丈夫です。むしろ、それくらいが丁度いいんです。
刷毛の先端を使ったり、ゴシゴシこすったりするのは絶対NG。生地の表面を傷つけてしまいます。
塗った後も、生地に触れないように注意してくださいね。
二次発酵後の生地を守るための心構え
ここまで読んでいただいて、もうお分かりだと思います。
二次発酵後の生地に対する心構えは、「とにかく下手に触らない」の一言に尽きます。
見ているだけ。観察するだけ。それで十分です。
「本当に膨らんでるかな?」と不安になる気持ちも分かります。でも、ぐっと我慢。生地を信じて、見守ってあげてください。
もし失敗しても大丈夫。パン作りは何度でもやり直せます。失敗から学んで、次に活かせばいいんです。私も最初は失敗だらけでした。でも、その失敗があったから、今こうして教室を開けているんだと思います。
大切なのは、失敗を恐れずにチャレンジし続けること。そして、一つ一つの工程を丁寧に、愛情を持って行うことです。
まとめ:パン二次発酵後は見守るだけ!
それでは、今日のポイントをおさらいしましょう。
二次発酵後にやってはいけないこと3つ:
- 触ってしまう → 焼き上がりに影響
- 生地を移動させる → 形が崩れる原因に
- 塗り卵を強く塗る → 生地が潰れてしまう
守るべきこと:
- 二次発酵後の生地はとにかく触らない
- 塗り卵は刷毛の腹で優しく撫でるように
- 生地の配置は二次発酵前に正しく行う
この3つを守れば、もう失敗知らず。ふっくら美味しいパンが焼けますよ。
パン作りは、時間も手間もかかります。でも、その分、焼きたてを食べたときの感動はひとしお。自分で作ったパンの美味しさは、買ったパンでは味わえない特別なものです。
ぜひ、今日お伝えしたコツを実践して、パン作りを楽しんでくださいね。
何か分からないことがあれば、コメント欄で質問してください。あなたのパン作りを応援しています!

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