せっかく時間をかけて作ったバゲットが、焼き上がったら底からパックリ割れていた…そんな経験はありませんか?
私も先日、冷蔵発酵で作ったバゲットが見事に底割れして、しかも酸っぱくて食べられたものじゃない!という大失敗をやらかしました^^;
でも、この失敗のおかげで「なぜバゲットが底から割れるのか」その原因がハッキリ分かったんです。
この記事では、私の失敗体験をもとに、バゲットが底割れする原因と、二度と失敗しないための具体的な対策をお伝えします。
特に冷蔵発酵でバゲットを作っている方、石窯ドームなどの高性能オーブンを使っている方には、きっと役立つ内容だと思います!


*‥…‥*‥…‥*‥…‥*‥…‥*

自己紹介
高校卒業してから23年勤めた、航空自衛隊を退職。2024年に自宅教室「こだわり酵母パン教室フリーゼ」をオープン。
“自分時間を大切に”“職場でも家でもない場所に居場所を作る”そんな教室作りをしています。ホームベーカリーで叶える“無理しない”パン生活で、ふんわり美味しいパンをいつでもそばに。『簡単に、でも本格的に!』をモットーに、生活にワクワクをお届けします!
対面レッスン・オンラインレッスンご希望の方は、ホームページからお問い合わせください^^
メールマガジンを受け取りたい方はこちらからご登録ください。
*‥…‥*‥…‥*‥…‥*‥…‥*
【実録】冷蔵発酵バゲットが底割れした失敗体験
まずは、私がどんな風に失敗したのか、詳しくお話しますね。
今回の製パン条件と結果
今回のバゲット作りは、こんな感じで進めました。
- 冷蔵発酵時間:丸48時間(2日間)
- パンチのタイミング:1日目の最後に1回
- 復温時間:冷蔵庫から出して1時間
- 室温:24℃
- 焼成温度:250℃(いつもは300℃)
- 使用オーブン:東芝の石窯ドーム(MAX350℃出るモデル)
いつもは予熱も焼成も300℃に設定しているのですが、今回は「もうちょっと低い温度でじっくり焼いてみようかな」と思って、250℃で焼いてみたんです。
そして焼き上がったバゲットは…
今回失敗したバゲットの特徴
- 焼き色が悪い(全体的にうすーい茶色)
- 気泡が大きすぎる(なんか不均一)
- 酸味が強い(麹種の甘みや小麦の旨みが全く感じられない!)
- クープが開かない(クープからじゃなく、底から割れてる…)
トーストすれば誤魔化せるかな?と思ったんですが、焼いても酸っぱいままで「酸味のあるバゲット」って感じでした^^;
この時点で「あ、これは完全に失敗だな」と悟りました。

バゲットが底から割れる3つの主要原因
失敗した後、冷静に考えてみたんです。「なんで底から割れたんだろう?」って。
そして、原因は大きく分けて3つあることに気づきました。
原因①:復温不足
これが一番大きな原因だったと思います。
冷蔵庫から出したバゲット生地って、表面は少し温まっても中心部分はまだ冷たいんですよね。
私は1時間しか復温させなかったので、生地の中心温度がまだ低いまま焼成に入ってしまいました。
生地が冷たいままだと、生地に十分なゆるみがないんです。
すると、オーブンの熱で急激に生地内のガスが膨張するんですが、生地が硬くてクープ(表面の切れ目)からガスが逃げられない。
結果、一番弱い部分=底のとじ目から割れてガスが逃げてしまうんです。
復温の目安は、生地の中心温度が20℃以上になることです。室温24℃なら、最低でも2〜3時間は復温させたほうが良かったですね。
原因②:焼成温度が低すぎることによるクープの開き不足
バゲットって、高温・短時間で一気に焼き上げるのが基本なんです。
高温で焼くことで、生地が爆発的に膨らむ「オーブン・スプリング」が起きて、クープがパカッと開きます。
でも今回、いつもより50℃も低い250℃で焼いたことで、オーブン・スプリングの勢いが弱くなってしまいました。
クープが十分に開く前に生地の表面が焼き固まってしまって、ガスの逃げ場を失ったガスが底から抜けてしまったんですね。
もし復温がしっかりできていれば、250℃でもある程度は焼けたと思います。
でも、生地が冷たい状態の時は、しっかり高温で焼くべきでした。


原因③:過発酵によるグルテンの弱化
実は今回、味が酸っぱかったのも大きなヒントでした。
バゲット生地が酸っぱくなるのは、過発酵(発酵しすぎ)のサインです。
冷蔵発酵を48時間(丸2日間)やったのが長すぎたのかもしれません。麹種が入っている生地は糖をより多く必要とするため、生地中の栄養がなくなってイーストが栄養不足になり過発酵になってしまったのかもしれません。
過発酵すると、生地のグルテン(パンの骨格を作るタンパク質)が弱くなって、生地の保持力が低下します。
そうすると、焼成中にガスを閉じ込めておけなくなって、気泡が不均一に大きくなったり、底割れしやすくなったりするんです。
冷蔵発酵の最適な時間は、24〜36時間くらいだと改めて実感しました。(チルド室などの1〜3℃くらいの空間なら48時間は大丈夫です)
底割れを防ぐための具体的な改善策
じゃあ、次回はどうすればいいのか?具体的な改善策をまとめました!
改善策①:適切な復温時間の確保
これが最重要ポイントです!
冷蔵庫から出したバゲット生地は、室温24℃なら2〜3時間はしっかり復温させましょう。
復温が十分かどうかを確認する方法は、
- 生地の中心部分を触ってみる(冷たくないか確認)
- 温度計を使って正確にはかる
- 2倍にしっかり膨らんでいるか、ガスは発生してるか
季節や室温によって復温時間は変わるので、時間だけじゃなく生地の状態を見て判断することが大切ですね。
改善策②:最適な焼成温度の設定
石窯ドームのような高性能オーブンを使っているなら、迷わず300℃で焼きましょう!
予熱もしっかり完了させてから、生地を入れます。
バゲットは高温で一気に焼くことで、
- クープがパカッと開く
- 表面がパリッと焼ける
- 中はもっちりふんわり
という理想の状態になります。
低い温度でじっくり焼くのは、食パンやソフト系のパンには向いていますが、バゲットには向いていません。

改善策③:冷蔵発酵時間の見直し
今回の48時間はちょっと長すぎました。
冷蔵発酵の最適な時間は24〜36時間です。(特に麹種の場合、温度管理をしっかりしないといけない)
もしそれ以上発酵させたい場合は、
- 冷蔵庫の温度をもう少し低くする(理想1〜3℃前後)
- 冷蔵庫に入れる前の一次発酵を短めにする
- パンチを入れるタイミングを調整する
といった工夫が必要ですね。
過発酵を見極めるサインは、
- 生地の表面がだれてきている
- 生地を触るとハリがない
- 酸っぱい匂いがする
- 成形で形が維持できない
こんな状態になっていたら、過発酵の可能性が高いです。
ここまでの改善策を表にまとめると、こんな感じです。
項目 | 失敗例 | 改善後 |
---|---|---|
復温時間 | 1時間 | 2〜3時間 |
焼成温度 | 250℃ | 300℃ |
冷蔵発酵 | 48時間 | 24〜36時間 |
石窯ドームでバゲットを美しく焼くコツ
せっかく良いオーブンを持っているなら、その性能を最大限に活かしたいですよね!
東芝石窯ドームの特徴を活かす
今回使った東芝の石窯ドームは、MAX350℃まで出せる高性能オーブンです。
庫内の熱循環システムが優秀で、ムラなく高温で焼けるのが特徴。
バゲットのような高温焼成が必要なパンには、本当にピッタリなんです。
プロ並みの焼き色をつける温度設定
私がいつも使っている設定は、
- 予熱温度:300℃
- 焼成温度:300℃
- 焼成時間:15分〜(バゲットの大きさによる)
この設定で、パン屋さんで売ってるようなきつね色の焼き色がつきます。
スチーム投入のベストタイミング
バゲットを焼く時、スチーム(蒸気)を入れるとクープがきれいに開きます。
オーブンによってはスチーム機能がない機種もあるので、その場合は霧吹きを使います。
私のやり方はこうです。
極力こないの温度を下げたくないので、先に生地に霧吹きをしてオーブンシートの上に水溜りをいくつか作っておきます。それをそのままオーブンへ!
素早くドアを閉めましょう。

まとめ:バゲットの底割れは復温と温度管理で解決できる
バゲットが底から割れる原因と対策をまとめます。
底割れの主な原因
- 復温不足(生地が冷たいまま焼成)
- 低温焼成(オーブンスプリングが弱い)
- 過発酵(グルテンが弱くなっている)
次回からの改善策
- 復温時間を2〜3時間しっかり確保
- 300℃の高温で一気に焼き上げる(出ないオーブンの方は、オーブンのMAX温度で!)
- 冷蔵発酵は24〜36時間に抑える
この3つを守れば、底割れは防げます!
今回の失敗を通じて、バゲット作りの奥深さを改めて実感しました。
でも、失敗したからこそ分かったこともたくさんあります。
あなたも同じような失敗をしたことがあるなら、ぜひこの改善策を試してみてください。
美しく割れたクープから湯気が立ち上るバゲットを焼けた時の喜びは、本当に格別ですよ!
次回は、この改善策を実践して、リベンジバゲットに挑戦します!

━━━━━━━━━━━━━━━
📣 パンをもっと楽しむ3つの方法
━━━━━━━━━━━━━━━
1️⃣ Instagram:パン豆知識や教室の日常を配信
👉 [@pankyousitu_frise]
2️⃣ メルマガ:電子書籍1000円分を無料プレゼント
メールマガジンでは、「レッスンのご案内」、「パン作りのコツやポイント」、「講師のつぶやき」などを配信しています。
👉 [メルマガ登録はこちら]
3️⃣ 体験レッスン:パン文化を学びながら本格パン作り
👉 [ホームページリンク]
📩 お問い合わせはこちらから
パン教室についてのお問い合わせについて↓
🌸 お問い合わせ前にご参考ください(よくあるご質問例)
当教室へのお問い合わせは、下記のような内容が多く寄せられています。
「こんなこと聞いていいのかな?」ということでもお気軽にどうぞ♪
- レッスン内容について
例)初心者でも参加できますか?どんなパンが作れますか? - 日程・予約に関すること
例)体験レッスンはいつ開催していますか?予定が合わない場合、振替はできますか? - 持ち物・服装について
例)エプロンや道具は必要ですか?手ぶらで参加できますか? - お支払い・キャンセルについて
例)支払い方法は?キャンセルしたい場合はどうなりますか? - アクセス・駐車場について
例)車で行けますか?最寄り駅からの行き方を教えてください。 - その他
例)子どもと一緒に参加できますか?米粉パンや酵母パンはありますか?
最後まで読んでくださって、ありがとうございました!
また次回のブログでお会い
コメント