自宅でパンを作るようになってから、スーパーで売っているパンを買わなくなりました。なんだかヤケになって、「買ったら負け」くらいのスタンスになってきてしまったんです(笑)
スーパーのパンも確かに美味しいんですよ。でも自分で作ったパンはもっと美味しい!
パン教室の講師をしている私が、久々に100円の食パンを買って食べてみたところ、驚きの発見がありました。この記事では、手作りパンが市販パンより美味しく感じる理由を、実体験をもとに詳しく解説していきます。
この記事で分かること
- 手作りパンと市販パンの決定的な違い
- 酵母が生み出す「旨み」の秘密
- 材料選びが味に与える影響
- 初心者でも始められるパン作りのコツ

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自己紹介
高校卒業してから23年勤めた、航空自衛隊を退職。2024年に自宅教室「こだわり酵母パン教室フリーゼ」をオープン。
“自分時間を大切に”“職場でも家でもない場所に居場所を作る”そんな教室作りをしています。ホームベーカリーで叶える“無理しない”パン生活で、ふんわり美味しいパンをいつでもそばに。『簡単に、でも本格的に!』をモットーに、生活にワクワクをお届けします!
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【実体験】久々に買った市販の食パンで気づいた衝撃の事実
娘のリクエストで6枚切り100円の食パンを購入
先日の夜、スーパーに買い物に行ったときのことです。娘が「明日の朝食はフレンチトーストを作りたい」と言い出しました。
もう夜遅いし、今からパンを作るのは難しい…ということで、久々に市販の食パンを買うことにしました。しかも、6枚切り100円。めちゃくちゃ安いですよね!
今のご時世、こんな価格で大丈夫なのか?と思うような値段でした。
パン講師の職業病?夫婦で食べ比べした結果
パン教室の講師をしていると、職業病でなんでも食べ比べしたくなるんです。
ということで、次の日、フレンチトーストで余った食パンを1枚試食してみました。私の作るパンをいつも食べている夫と2人で半分こ。
そして出た感想がこちら。
「なんだか味がしない」
これは私も同感でした。なんだか、「味の深みがないというか、あっさりしすぎているというか、満足感がない」んです。
まるで、出汁を入れ忘れた味噌汁のような。
この瞬間、手作りパンと市販パンの決定的な違いに改めて気づかされました。
手作りパンが美味しい理由①:こだわりの材料を自由に選べる
市販パンはコストとの戦い
大手企業が作っているパンは、とても美味しいと思います。本当によく出来ている。しっとりふわふわで、小麦の旨みも感じます。
でも、大量生産で作る大手のパンはいかにコストを下げた上で消費者に満足してもらうかという課題があります。
味、価格、手に取りやすさ。そのバランスを考えるとなると、どうしても高級な材料は使えませんよね。これは企業として当然の選択です。
手作りなら選べる!バター一つでも違いは歴然
一方、手作りパンの最大の魅力は、材料をこだわることができる点にあります。
たとえば、バター一つとっても、いろいろな種類があります。
- 一般的なバター:スーパーで手軽に買える定番品
- 発酵バター:乳酸菌で発酵させた、豊かな香りとコクが特徴
- グラスフェッドバター:牧草だけで育った牛のミルクから作られる、風味豊かなバター
それぞれ使うバターによって、パンの風味は大きく変わります。発酵バターを使えば深いコクと香りが生まれ、グラスフェッドバターなら自然な甘みとまろやかさが加わります。
小麦粉も同じです。国産小麦、石臼挽き全粒粉、フランスパン専用粉など、選択肢は無限大。砂糖も、上白糖ではなくきび糖やはちみつを使えば、優しい甘みと複雑な味わいが生まれます。
この「自分で選べる自由」が、手作りパンの美味しさの土台になっているんです。

手作りパンが美味しい理由②:酵母が生み出す「旨み」の深さ
日本人の味覚が求める「旨み」とは
日本人の味覚には「旨み」を感じる特徴があります。要するに味の深みですね。
甘い、塩辛い、酸っぱい、苦いという4つの基本味に加えて、第5の味覚として「旨み」があります。お出汁の味、昆布や鰹節から感じる「じんわりと広がる美味しさ」です。
市販の食パンを食べたときに感じた「なんだか味がしない」という感覚。これは、まさにこの「旨み」が不足していたからだと思います。
酵母の働きがパンの味を決める
私はパンに深みを与えるのは、酵母の影響が大きいと考えています。
酵母とは、パンを膨らませる微生物のこと。生き物なんです。
この酵母たちの働きによって、パンは大きく膨らみます。それと同時に、味わいにも大きく影響するんです。パン生地の中で酵母が糖を分解し、アルコールや有機酸、香り成分などを生み出します。
これらの成分が複雑に絡み合うことで、パン独特の風味や旨みが生まれます。
発酵のバランスが味を左右する
ただし、酵母は生き物なので、扱い方次第で味が大きく変わります。
- 適切な発酵:ふんわりしっとりとした食感で、豊かな風味が生まれる
- 過発酵(発酵しすぎ):アルコールの発生量が増え、酸っぱい発酵臭の原因になる
- 発酵不足:味わいが薄く、硬い食感になってしまう
上手に発酵したパンは、ふんわりしっとり食感が良くなり、味わい深くなります。
大量生産の市販パンは、効率や安定性を重視するため、発酵時間が短く設定されていることが多いんです。それに対して、手作りパンや個人のパン屋さんでは、じっくり時間をかけて発酵させることができます。
この発酵時間の違いが、味の深みの差になって現れるんですね。

手作りパンが美味しい理由③:酵母の種類で味わいが変わる楽しさ
酵母はあらゆるものに存在している
実は、酵母はいろいろなものに付着しています。道端の草木、フルーツやハーブ類、全てのものに存在しているんです。
その中から、パン作りに特化した酵母を抽出したり、パン酵母とその他の菌も一緒に培養してパンを作る自家製酵母など、様々な酵母の形があります。
パン作りに使われる主な酵母の種類と特徴
そのため、味わいも様々。酵母の種類を変えるだけで、まったく違うパンができあがります。
イースト(パン酵母)
一般的に「ドライイースト」や「生イースト」と呼ばれるものです。
パン作りに特化して純粋培養された酵母で、安定した膨らみと扱いやすさが特徴。クセのないシンプルな味わいで、初心者にも使いやすい酵母です。

フルーツ酵母
りんご、レーズン、いちご、桃など、フルーツから起こした酵母です。
フルーツが持つ味わいや香りがパンにも移るため、華やかで個性的な風味が楽しめます。りんご酵母なら爽やかな香り、レーズン酵母ならほんのり甘い香りがパンに加わります。いちご酵母はまるでいちごジャムを塗っているかのように、ほんのりいちご風味のするパンが作れます。

米酵母(ご飯種)
日本米から起こす酵母です。
米の甘味と旨味がパンに移り、優しい味わいになります。もっちりとした食感も特徴で、和のテイストを感じられるパンが作れます。

ライ麦酵母(サワー種)
ライ麦から起こす酵母で、少し酸味が強いのが特徴。
ヨーロッパのパン、特にドイツのライ麦パンなどに多用されます。重厚で深い味わいが魅力です。

【酵母別の味わいの違い】
- イースト:シンプル、クセがない、万能型
- フルーツ酵母:華やか、甘い香り、フルーティー
- 米酵母:優しい、もっちり、ほんのり甘い
- ライ麦酵母:酸味あり、重厚、深い味わい
手作りパン(家庭製パンやパン屋のパン)は、酵母の特徴を活かしたり、独自性のあるパンを作れるメリットがあります。
今日はりんご酵母で爽やかなパン、明日は米酵母でもっちりパン…なんて楽しみ方ができるのも、手作りパンならではの醍醐味ですよね!
手作りパンと市販パン、決して優劣ではない
市販パンの企業努力と品質の高さ
ここまで手作りパンの良さをたくさん語ってきましたが、決して市販のパンがまずいと言っているわけではありません。
大手メーカーは企業努力を重ね、とても品質の高い美味しいパンをたくさん作っています。安定した品質管理、全国どこでも同じ味が楽しめる流通網、そして手軽に買える価格設定。
これらは、プロの技術と企業としての努力の結晶です。
忙しい朝、さっとコンビニやスーパーで美味しいパンが買えるのは、本当にありがたいことですよね。
手作りパンの醍醐味は「自由な創造」
一方で、手作りパンの魅力は「自由な創造」にあります。
- 材料を選ぶ楽しさ
- 酵母で味を変える面白さ
- 香り・食感をコントロールできる満足感
- 家族に「美味しい!」と言ってもらえる喜び
材料にこだわってみたり、酵母の種類を変えて味や香り、食感を変えて楽しむことができるのは手作りパンの醍醐味です。
市販パンと手作りパンは、それぞれに良さがあります。忙しいときは市販パン、時間があるときは手作りパン。両方を上手に使い分けるのが理想的だと思います。


まとめ:手作りパンが美味しい理由は「こだわり」と「酵母」にあり
改めて、手作りパンが美味しい理由をまとめます。
✅ 材料を自由に選べる手作りの強み バターや小麦粉、砂糖など、好きな材料でこだわりのパンが作れる
✅ 酵母が生み出す旨みと風味の深さ じっくり発酵させることで、市販パンにはない味の奥行きが生まれる
✅ 酵母の種類で無限に広がる味わいの可能性 イースト、フルーツ酵母、米酵母など、選ぶ酵母で全く違うパンができる
✅ 市販パンと手作りパンは共存できる それぞれの良さを理解して、使い分けることが大切
「買ったら負け」と思うほどハマる手作りパンの世界。材料にこだわり、酵母の個性を楽しむパン作りを、あなたも始めてみませんか?
最初は失敗するかもしれません。でも、焼きたてのパンの香りに包まれる幸せ、家族が「美味しい!」と笑顔になる瞬間は、何にも代えがたい喜びです。
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最後まで読んでくださって、ありがとうございました!
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