発酵を失敗するとどうなる?原因と対策

パン

こんにちは!こだわり酵母パン教室フリーゼの服部仁美です。

突然ですが、「パン」と聞くとどのようなイメージをお持ちですか?

・ふわふわ

・膨らんでいる

・柔らかい

・しっとりもっちり

大抵の人が、このように答えるのではないでしょうか。

では、これらのイメージ通りのパンはどのようにしたらできると思いますか?

パンを作るには、【こねる】⇨【一次発酵】⇨【分割・成形】⇨【二次発酵】⇨【焼成】と5つの工程があります。 

一つ一つが大切な工程なのですが、特にふわふわなパンに関係する、「発酵」について今回はお話ししたいと思います。

発酵とは何か

パンの発酵とは、酵母が糖分を分解して二酸化炭素やアルコールを生成する過程を指します。この時に発生する二酸化炭素が、生地の中に気泡を作り、パンが膨らむ原因となります。

要は風船が膨らむようなもの。

小麦粉と水が合わさると、グルテンというものを生成します。これを風船だと仮定してください。

発酵によって発生した二酸化炭素がこのグルテンという風船に包まれることで、どんどん膨らんでいく。そういうイメージです。

また、発酵によって風味や香りが生まれ、パンに独特の旨みが加わります。

発酵には、一次発酵と二次発酵があります。

一次発酵というのはこねた後に行う発酵の工程です。パンのふんわりとした食感や風味、成形時の生地の扱いやすさに大きく影響します。ですので、パン作りの工程としては、一番肝になるところです。

二次発酵とは、風味の向上、気泡が均一に広がり焼き上がりがふんわりする、オーブンに入れた際の釜伸び(生地の急激な膨らみ)が適切になり型崩れや割れを防止するなど焼成時に与える影響が大きくなります。

ちなみに、二次発酵のことを別名「ホイロ」「最終発酵」とも言うんですよ。

では、この発酵が失敗するとどうなるのでしょうか?

発酵を失敗するとどのようなパンができる?

一次発酵の場合

一次発酵でしっかり膨らんでいない場合は、その後も膨らまず、小さく焼き色の悪いパンになってしまいます。

例えば、成形をしようとしても伸びが悪く思ったような形が作れない。ずっしり重いパンになる。などふわふわのパンを焼くことが難しくなってしまいます。

逆に、発酵させすぎた(過発酵)パンは、膨らまないパンになり酸味が出ます。また生地からはアルコール臭がします。

要するに、味と食感がとても悪くなるということですね。

二次発酵の場合

二次発酵が足りないと焼いた時に形が崩れたり、変なところから割れたり、硬いパンになったりします。

逆に発酵させ過ぎてしまうと、生地がダレて平らになってしまったり、焼いた時に焼きムラができる、パンがしぼむ、パサパサした食感になる、など見た目も食感も味も悪くなってしまうのです。

私も、食パンを作った時に二次発酵させ過ぎてしまい、焼いたらしぼんでしまった経験があります。焼き色も全然つかなくて周りがバリっとしていて中身はパサっとしていました。

とても悲しい思い出・・・

それでは、これらの原因とそれに対する対策をお話しします。

原因と対策

一次発酵の場合

「発酵不足」

  • 材料の配合は正しいか

少しの誤差はあっても大丈夫というものの、大雑把すぎるのは良くありません。

特に水と塩は発酵に影響を与えやすいので注意が必要です。

 →対策としては、デジタルスケールを使いましょう。理想は、0.1g刻みで測れるものが良いですが、0.5gごとに表示してくれるものでも大丈夫です。

粉や水分は1〜2gほどは許容できますが、少量しか入れない塩やイーストは、少しの誤差が味や食感に影響してくるので、分量通りに計量しましょう。

  • 発酵温度が適切でない

発酵に大切になってくる酵母は微生物。生き物なのです。ということは、適した環境においてあげることが必要になります。人間も暑過ぎても寒過ぎても活動に影響がでますよね?酵母も同じです。特に発酵不足につながる場合は、発酵温度が低すぎることがあげられます。

→対策としては、25〜30度くらいの環境が適温です。温度が低すぎると、酵母の活動が弱まってしまいます。人間が活動しやすい温度が酵母にとっても活動しやすいのです。

  • 酵母が古い

安いからと言ってイーストを大量買いしていませんか?酵母は生き物だと言いましたね。やはり時が立ちすぎていたり保管状況が悪いと劣化していきます。

→対策としては、小袋に入っているタイプがお勧めです。また、開封した酵母の管理としては蓋がしっかり閉まる瓶などで冷蔵庫保管すると劣化を遅らせることができます。

「過発酵」

  • 発酵温度が高い

30度を超えてくるような環境では、酵母の活動が活発になり過ぎて発酵が早く進み過ぎてしまいます。

特にインスタントドライイーストは、パンの発酵に特化している最強酵母なので注意が必要です。

→対策としては、25度〜30度で発酵させましょう。低い温度でゆっくり発酵させることで、熟成が進み小麦の風味をより感じられるパンが作れます。

  • こね上げ温度が高い

こね上げ温度が高いと、こねている最中からどんどん発酵が進むということになります。そのため、レシピ通りの温度と時間で発酵させても過発酵になってしまうのです。

→対策としては、仕込み水の温度で調整してあげましょう。夏の暑い日には生地の温度が上がりやすいので、その場合は仕込み水を冷蔵庫で冷やしたり氷水にしたりと工夫してみましょう。

逆に、冬の寒い日には仕込み水を40度くらいのぬるま湯にして加えてみてください。酵母の活動を促進させることができます。

  • 発酵時間が長すぎる

酵母は、糖を餌にして活動します。そのため酵母が生地の糖を食べ尽くしてしまうと活動をやめてしまうのです。過発酵になった生地は少しの衝撃でもすぐしぼんでしまいます。

→対策としては、しっかりタイマーを使用し、時間管理をすることです。生地のこね上がり温度を確認して、発酵温度の調整と時間管理をしましょう。

二次発酵の場合

二次発酵で失敗する原因は、主に次の2つです。

温度管理と時間管理

発酵には温度管理が大切だということは、もうみなさん理解していると思います。

温度が低いと発酵が進まないことがあります。また高すぎると、気づいたら発酵し過ぎちゃったなんてことにも。

温度管理ができれば、時間管理も必然的にできます。「〇〇度なら〇〇分くらい」のように。

発酵温度は、パンの種類によっても違う場合がありますので、まずはレシピ通りに作りましょう。

→対策として、オーブンの発酵機能を使う場合は良いのですが、それ以外の方法で発酵させる場合には温度計があると便利です。私は、温度と湿度が見られるものを使っていますよ。

また、見極め方法を知っていると失敗を防げます。

二次発酵の見極めは、元の大きさより一回り大きくなっているか。ここを通り過ぎてしまうと焼いた時にしぼんでしまうので注意してくださいね!

まとめ

パン作りにおける発酵という工程は、とても重要で味と食感に大きく影響します。

特に一次発酵は、抑えるポイントが少し多いですが、今回の内容を理解していれば、かなり失敗は防げるのではないかと思います。

とは言え、パン作りは楽しく作るのが大切!!

あまり考え過ぎないで、まずはレシピ通りに進めてみてください!

コメント