こんにちは!埼玉県入間市で麹種を使ったパン教室を主宰している、こだわり酵母パン教室フリーゼの服部仁美です。
突然ですが、「パンは焦げてるから美味しい!」
私が妙に腑に落ちた、メイラード反応についてお話ししたいと思います。
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高校卒業してから23年勤めた、航空自衛隊を41歳で退職。2024年に自宅教室「こだわり酵母パン教室フリーゼ」をオープン。
“自分時間を大切に”“職場でも家でもない場所に居場所を作る”そんな教室作りをしています。
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焼き色と香ばしさの秘密|メイラード反応の科学
突然ですが、「パンは焦げてるから美味しい!」
私が妙に腑に落ちた、メイラード反応についてお話ししたいと思います。
みなさん、パンってなんでこんなに美味しいんだろう?
そんなこと思った事ありませんか?急にどうした?と思うかもしれませんが、これから書くことを読んでいただければ、少し腑に落ちてもらえるかも?です^^/
パンがオーブンの中でこんがりと焼け、香ばしい香りが広がる。これってとっても幸せな瞬間ですよね!
実は、この現象を引き起こしているのが「メイラード反応」です。
パンだけでなく、焼肉やクッキー、おせんべいなど、日常の食卓で目にする多くの「焼ける」おいしさの裏には、この反応があります。
今回は、メイラード反応について少し詳しく、その仕組みや魅力を解説します。さらに、普段の料理やパン作りで意識することで、おいしさを引き出すコツもご紹介します。
メイラード反応とは?
メイラード反応は、食材中のアミノ酸と糖が加熱されることで化学反応を起こし、香りや色、風味が生まれる現象です。
この名前は、反応を発見したフランスの化学者ルイ・カミーユ・マヤール(Louis-Camille Maillard)にちなんでつけられたと言われています。
たとえば、パンの焼き色やステーキの焦げ目、お米のおこげやクッキーの表面の美しい黄金色は、すべてメイラード反応の結果です。
高温で加熱することで、「香ばしい」「焼けた」「深みのある」おいしさを作り出します。
また、味噌や醤油の褐色の色合いは、実はメイラード反応によるもの。
メイラード反応は、加熱だけでなく「熟成」でも引き起こされるんですよ。
メイラード反応とカラメル化の違い
メイラード反応はよく「カラメル化」と混同されますが、実際には異なるプロセスです。
- メイラード反応:アミノ酸と糖が反応
- カラメル化:糖のみが高温下で分解して色や香りを生む
例えば、玉ねぎを炒めて甘さを引き出すのはカラメル化ですが、パンの焼き色や肉の香ばしさはメイラード反応によるものです。
身近なメイラード反応の例
ここまで読んだだけでも、メイラード反応は結構身近な存在だと驚かれたのではないでしょうか。
私も、この化学反応のことを知った時、「あれも、これも、だから美味しいんだ!」と妙に納得しちゃいました。
確かに、焼けて茶色くなっている肉って、香ばしくて味わい深いですよね。おこげやお餅の色づいてる部分って味が濃くて特別感ありますよね。
ではでは、日常で出会うメイラード反応を少し紹介しちゃいましょう。
トーストしたパン
朝食の定番であるトースト。焼くことでパンの表面にアミノ酸と糖が反応し、香ばしい香りときれいな焼き色が生まれます。
焼き加減によって香りや味が変わるのも、この反応が温度や時間に大きく影響するためです。
焼肉の焦げ目
鉄板や網で焼いたお肉に現れる茶色い焼き目。これもメイラード反応です。
あのお肉のカリッとして香ばしいのは、アミノ酸が豊富なお肉だからこそ起こる現象です。
クッキーやビスケット
お菓子を焼くと、部屋中に甘い香りが広がります。この香りと美しい焼き色もメイラード反応のおかげです。
特にクッキーのカリカリした食感や深い味わいは、この反応が大きく関わります。
コーヒー豆の焙煎
意外かもしれませんが、コーヒー豆の焙煎時にもこの反応が起こっています。さらにいうと、メイラード反応とカラメル化も同時に起こっているんです。さらにさらにいうと、炭化も活用した、何とも凄まじい食品なんです。
これらの絶妙な化学反応により、コーヒーは特有の深い香りと味を生み出しているんです。
メイラード反応を引き出すコツ
それでは、せっかくメイラード反応の魅力をお伝えしたので、次に、メイラード反応が促進される条件を簡単にご紹介します。
適切な温度管理
メイラード反応は120℃〜160℃で活発に進みます。高すぎると焦げてしまい、苦みが出るので注意してくださいね!
パンの場合、表面が適度に乾燥し、この温度帯に達することで綺麗な焼き色がつきます。
食材の表面を乾かす
メイラード反応は水分が少ない環境で進みやすいため、焼く前に表面を軽く乾かすのがポイント。
例えば、お肉を焼く前にキッチンペーパーで水分を拭き取ることで、香ばしさがアップしますよ!
砂糖や乳製品を活用
砂糖や乳製品(バター、牛乳など)は糖分が豊富でメイラード反応を促進します。
パン生地に少量の砂糖を加えたり、バターを塗って焼くと香ばしい仕上がりになります。
例えば、クリスマスシーズンによく食べられるシュトーレン。最後の仕上げでバターをコーティングするのですが、いわゆる焦がしバターを使うんです。
バターをフライパンで加熱させメイラード反応を起こさせます。少し茶色く色づいたものを濾して上澄の透き通った液体の部分が焦がしバターです。香ばしく、ナッツのような風味がするんですよ。
このように、メイラード反応によって変化した香りは食材の風味付けや味に深みを与えます。
パン作りでの応用例
パン作りでも、メイラード反応を活用することでおいしさを引き出すことができます。
- トッピングで香りをプラス:生地にバターを塗る、砂糖やチーズを振ることで焼き色と香りが増します。
- 焼成時の温度調整:表面の焼き色を均一にするため、オーブンの予熱をしっかり行いましょう。
- 水蒸気の活用:焼成時にオーブンにスチームを入れると、表面が適度に湿りながら乾燥し、とても綺麗な焼き色がつきやすくなります。
メイラード反応で日常に感動を
メイラード反応は、ただの化学反応ではなく、食卓に「香ばしさ」や「おいしさ」という感動を届ける魔法のような現象です。
パンや料理の焼き加減に注目するだけで、いつもの食事がもっと楽しく、おいしくなりますね!
次回トーストを焼くとき、クッキーを作るとき、あるいはお肉を焼くとき、このメイラード反応のことを思い出してみてください。
きっと、その香ばしい香りや黄金色がより特別なものに感じられますよ☆
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