ある時、パン作りをしている知人からこんな相談を受けました。
「下側が目の詰まったパンになってしまうのはなぜだろう?」
焼き時間も温度もいつも通り焼いているのに、焼きムラが出ると言うのです。
これ、私も経験があります。下の方がしっかり焼けていなくて生地が詰まっていたんです。
見た目はいい感じに美味しそうにできているのに、切って中を見たら、焼きムラが〜(涙)
最後の最後にこんなことになるなんて、ほんとガッカリですよね。
そこで、今回はこの解決策方法についてお話しします。
失敗の原因は主に次の2つだと考えられます。
1 こね不足
2 発酵不足
なぜそう言えるのか、それぞれ解説していきますので、よろしければ参考にして頂ければと思います。
1 こね不足
こねる理由はグルテンを形成させるためです。
パンを捏ねていくと水と粉が混ざり合って、網目状のものが形成されていきます。これが、「グルテン」です。
このグルテンはパンを発酵させて膨らませる際にとても重要になります。
生地が発酵する際に、イーストが発生する炭酸ガスを網目上になったグルテンが包み込んで生地を膨らませるからです。
こねが足りないと、グルテンの形成ができず、発生したガスを閉じ込められなくて膨らみが悪くなります。
2 一次発酵不足
パン作りの工程には、一次発酵と二次発酵があります。
一次発酵はこねた後、初めに行う発酵で、グルテンがガスを包み込み、生地をふんわりと膨らませる目的があります。
二次発酵は、焼く前の最終発酵であり、生地を成形した際にガスが抜けてしまっているので再度十分発酵させる目的があります。
この時大切なのは、一次発酵でしっかり発酵させてあげるということです。
一次発酵で膨らみが十分でないと、二次発酵でもよく膨らまずに目の詰まったパンが出来上がってしまうのです。
このように、ふわふわの美味しいパンを焼くには発酵はとても大切な工程になるということがわかると思います。
そうは言っても失敗しちゃう人は
それでも、時々失敗してしまうという場合は、次のこと実践してみてください。
1 新しく元気の良い酵母を使用する。
2 冬場は、仕込み水をぬるま湯(40度くらい)にする。
3 一次発酵をしっかりとる。
4 レシピより10〜20度高めの温度で予熱をする。
1から3までは、発酵を促す目的があります。
酵母は温かいところが大好きなので、仕込み水をぬるま湯にして元気いっぱいの酵母を使用することで、ふっくらと発酵してくれます。
4はオーブンの庫内温度を下げない目的があります。
家庭用のオーブンは庫内が狭いせいで、扉の開け閉めによる温度変化が大きくなってしまいます。また、生地に熱を奪われ庫内温度が下がるというのも理想の焼き加減になってくれない原因になります。
オーブンの性能にもよりますが、何度か焼いてみて、なかなか思ったような焼き加減にならない時は、予熱温度をあげてみましょう。
私が使っているオーブンは、日立の過熱水蒸気オーブンレンジ(MRO-W1X)ヘルシーシェフですが、レシピより20度上げて焼いています。
フランスパンなどの高温で焼くパンは、予熱300度(オーブンの最高温度)に設定しています。
オーブンの中でパンがどのように膨らんでいくのかという話は、ここでは省略しますが、自分の持っているオーブンの癖を知ることはとても大切です。
最後に
パン作り初心者の時は、失敗が続くと挫折してしまいそうになりますよね。
私も何度失敗したことか。
でも、「なぜ」がわかると失敗が減ります。そして上手に焼き上がった時の喜びと達成感はなんとも言えぬ幸せを感じます。
だから、まだパンを焼いているんでしょうね
成功した時は思わず、「やったー!うまそー!」と独り言を言っています(笑)
早く誰かにこの喜びを伝えたいし、早く誰かに食べてもらいたいと思っちゃうんです^^
失敗は学びです!
少しずつ失敗を減らしていけば大丈夫!
楽しいパン作りをしましょう!
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