パンの材料を買う時、「いったいどれを選べばいいんだろう?」「種類があり過ぎてわからない」なんてことありませんか?
私も今だに悩みます^^;
小麦粉ひとつにとっても膨大な種類があるし、塩も種類が豊富で、少量しか使わないのに、お試しで買うのってお金もかかるしキリがないですよね。
そんな時は、真似をすると良いです!
例えば、教室で使っている材料、パン屋さんで使っている材料、製菓製パン材料のお店が出しているレシピを参考にするんです。
自分が気になったレシピの材料(品名やメーカーなど)をまずは試してみると、悩む時間も金銭的にも無駄にならなくて済むかと思います。
今回は、私の教室で使っているパン作りの基本的な材料について、材料選びで困らないよう、特徴と上手な選び方をご紹介します。
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高校卒業してから23年勤めた、航空自衛隊を41歳で退職。2024年に自宅教室「こだわり酵母パン教室フリーゼ」をオープン。
“自分時間を大切に”“職場でも家でもない場所に居場所を作る”そんな教室作りをしています。
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美味しいパン作りが難しい理由:材料選びのポイントとは?
材料が違うと、食感や味が変わります。
例えば、小麦粉でも国産はしっとりもっちり、外国産はふわふわ食感。砂糖も上白糖はあっさりした甘味、きび砂糖ではコクが出るなどの味わいが変わります。
同じ材料でも、何を使うかでかなり味わいが変わってきます。
もちろん、レシピ通りの材料を、家にある有り合わせの材料で作ってもパンはできるし、それなりに美味しくはできます。
材料次第でこんなに変わる!理想のパン作りが叶う理由
私も以前は、家にあった材料をかき集め、スーパーで手に入る安い材料でよくパン作りをしていました。
材料の特徴も意味もわからないまま、適当に選んで使っていたんです。
でも、パン教室やパン屋さんで教えてもらった材料を使ってパンを焼いた時、「全然違う!!」と感動したんです。
味も香りも一気にプロ級の味に近づいたんですよ!
例えばなんですけど、バターを発酵バターに変えただけでもの凄く風味が増したんです。
それから、砂糖も上白糖からきび砂糖に変えました。するとコクが出て私好みの味に。
塩だって、たかが塩。されど塩!種類によって、ただしょっぱいだけでなく、まろやかさが加わったりします。
材料次第でこんなにも変化し、一気にお店のような味わいに大変身するんです!食べる喜びも倍増です!
パン作りに欠かせない基本の材料とその特徴
では、簡単に代表的な製パン材料とその特徴、選ぶポイントを解説します。まず、パン作りの基本材料は、「小麦粉」「酵母」「塩」「水」の4つです。これらは『主材料』です。
また、「砂糖」「バター」「卵」などは『副材料』となります。
今回は、『主材料』と一部の『副材料』についてご紹介します。
小麦粉:最強力粉・強力粉・準強力粉・中力粉・薄力粉の違いと選び方
小麦粉はタンパク質の量によって、5つの種類に分けられています。
少しの差ですが、粉の種類が変わるだけで、食感がかなり変わってきます。
タンパク質量が多いということは、グルテンが作られやすくふわふわ食感になります。タンパク量が少ないとその逆で、歯切れの良い食感になります。
- 超強力粉(タンパク13%前後)…ふわっふわ食感。食パンなどのボリュームを出すパンに向いている。
- 強力粉(タンパク12%前後)…オールマイティに使える。一般的なパンはほとんどが強力粉。
- 準強力粉(タンパク11%前後)…グルテンの形成が少ししずらい。フランスパンやカンパーニュなどの歯切れの良さを売りにするパンに向いている。
- 中力粉(タンパク10%前後)…うどんなどのむっちりした生地作りに向いている。
- 薄力粉(タンパク約9%以下)…グルテンがほとんど作られないため、クッキーのようなザクザク生地に向いている。
また、国産と外国産でも違いがあります。
- 国産…甘味がありしっとりもちもち生地になる。日本人好みの味。国産ということで信頼感もあり。
- 外国産…スーパーなどでも購入しやすい。さっぱりとした味わいでタンパク量が少し多めなのでふわふわ感が出る。
これから小麦粉を買うときは、成分表などに書かれている、「タンパク質量」をチェックしてみて!
作りたいパンによって種類を変えて自分好みの粉を選んでみてください!
酵母:インスタントドライイーストと自家製酵母の使い分け
酵母には色々種類があります。天然酵母を自家培養して作る酵母やパンの発酵に特化した酵母菌を工場で培養したドライイーストなど。
酵母についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
手軽に作りたいのであれば、インスタントドライーストがおすすめ。発酵が安定していて失敗しずらい。インスタントドライイーストは、世界シェアNo.1の「サフ」が有名です。
自然派の方には、自家製天然酵母がおすすめ。果物や野菜などから、一から酵母を起こしパンを焼いていきます。
塩:天然塩の風味がパンを美味しくする
塩は食卓塩を置いているご家庭が多いかと思います。
食卓塩と天然塩の違いは、塩化ナトリウム含有量や製法などがあります。食卓塩は塩化ナトリウムの純度を高めたもので純度99%以上、天然塩は約80%で残りの20%はマグネシウムやカリウムなどのミネラル分です。
天然塩は、ピリッと辛い感じはなく、ほんのり甘味や旨みがあり、まろやかな美味しさがあるので、パン作りには、天然塩がおすすめです。成分表の食塩相当量の数値をチェックして、90%に近いものを探してみてくださいね!
水分:パン作りに向いてる水とは?
パン作りに向いている水は、pH6.0〜7.0の弱酸性とされています。これは、酵母の活性化する数値です。
日本の水道水はpH5.8〜8.6のため、比較的パン作りに向いています。しかし、塩素などのニオイや味が気になる場合は浄水器を利用することをおすすめします。
また、スーパーなどで売っているミネラルウォーターもおすすめです。その場合、成分表に書かれているpH値をチェックしてくださいね。
砂糖・バター:パンの風味と食感を左右する調味料
- 砂糖
砂糖には、生地に甘味を加える他にも、発酵を助ける、保水作用によりしっとりした生地にする、こんがりとした焼き色をつけるといった役割があります。
「上白糖」…甘さにクセがなくしっとりソフトな仕上がりになります。
「三温糖」…上白糖よりも強い甘さとコクがあります。
「きび砂糖」…サトウキビから作られており、黒糖に近い風味やコクがあります。
「てんさい糖」…サトウダイコンから作られ、程よいコクと優しい甘さがあります。
一般的なパンにはクセのない上白糖が使われることが多いですが、コクや風味を出したい場合には三温糖やきび砂糖がおすすめです。自家製酵母で作るパンには優しい甘さのてんさい糖が合います。
- バター
バターは無塩バターを選びましょう。有塩バターは生地の塩分量の計算が複雑になるからです。バターには製法の違いにより種類分けされています。
「発酵バター」…乳酸菌で発酵させて作るバターです。芳醇な香りとコクが特徴です。特にヨーロッパでバターといえばこのタイプです。
「非発酵バター」…日本で売られているほとんどのバターがこのタイプで、クセが少なく使いやすいです。
私のパン教室で実際に使っている材料リスト
実際に私の教室で使っている、おすすめ材料をご紹介しますね!
- 小麦粉
「北海道産中力粉 エペ」…タンパク質10.5%前後。フランスパンに向いています。米麹が入っているのが特徴。私の教室で使っている発酵種「麹種(こうじだね)」を作る際に必要になるので、常に常備しています。
「北海道産強力粉 ゆめちから100%」…タンパク質13.5%前後の超強力粉に分類され、食パンなどのボリュームのあるパンに向いている小麦粉です。
私の教室では、強力粉は「エペ」と「ゆめちから」をブレンドさせて作り出しています。
- 酵母
自家製の発酵種「麹種」とインスタントドライイーストを併用したパン作りをしています。
「麹」…教室の特徴でもある麹種は、北海道産中力粉エペ+麹菌+水で発酵種を自家培養させます。麹はスーパーでも売っているような乾燥麹を使用します。
- 塩
「沖縄の塩シママース」…食塩相当量は約93.2g。スーパーなどでも手に入りやすく、家庭に優しい価格帯。しっとりと甘みがある。
「ゲランドの塩」…食塩相当量は約91.7g。フランスの100%自然の力で生まれた天日塩。ゲランドの塩は塩田の土質が粘土質のために少し灰色がかっています。食材のうまみや甘みを最大限に引き立ててくれる塩として愛されています。少し舐めてみると塩味がまろやかで甘味を感じますよ。
- バター
「無塩明治発酵バター」…香り高い発酵風味が特徴のバターです。風味がとてもよくいつものパンがプロ級の味に大変身しますよ!
「アンカーグラスフェッドバター」…一般的な穀物を食べている牛ではなく、大自然の草や草原の植物を主食として育てられた牛の乳から作ったバターです。ミルク感が強くコクのある味わいです。
どちらのバターも、一般的なスーパーでは売られていないため、製菓製パンの専門店などで購入しましょう。
- 砂糖
「きび砂糖」…優しい甘さとコクのあるので、パンの風味が増し美味しく作れるのでおすすめです。スーパーなどでも手に入りやすいのが嬉しいポイント!
失敗しない材料選びのコツを実践
スーパーで手に入るもの以外は、製菓製パン専門店での購入がおすすめです。大手だと通販購入もでき、欲しい材料が大抵手に入ります。また、発送が早いという特徴もあり、地域によっては翌日に届くのでとても助かるんですよ!
以下は大手で有名な専門店です。
- 富澤商店
- cotta
- mamapan
ぜひ活用してみてください!
また、それでも種類がありすぎてよくわからない!という場合は、教室に通ってみるのもおすすめですよ!
実際に使ってみる、味わってみると色々な発見がありますし、購入の参考になります。
上達のポイントは、プロと同じ材料を使ってみる!です。
パン作りに慣れてきたら、自分好みの材料を揃えてみてもいいですね♪
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