不親切は親切?レシピに込めた思い

レシピ本 レッスン

こんにちは。こだわり酵母パン教室フリーゼの服部仁美です。

以前、生徒さんから、「レシピにもっと写真が欲しい」という意見をいただいたことがあります。

私のレシピは、出来上がりの写真と材料、作り方が箇条書きで書いているだけ。

確かに、少し不親切かもしれませんね。

でも、これには理由があるんです。

むしろ、敢えてそうしています。

今回は、「学び」をテーマにお話ししていきます。ちょっと堅苦しいですね(汗)

ちょっと賢いフリをしましたが、勉強や難しい話は嫌いなタイプなので、ややこしい話は一切しません!

安心して、気楽に読んでいただければと思います(^^/

不親切は親切!

パソコンとスマートフォンで調べ物をする人

早速ですが、なぜ「不親切は親切」だと思いますか?

誰だって、親切がいいに決まってるじゃん!と思うかもしれませんね。

今の世の中は、情報に溢れすぎています。

情報はあって当たり前。すぐに手に入る。

そんな価値観になっているんじゃないでしょうか。むしろ、何か足りないと、「なんかこのサービスいまいち。」「満足できなかった」と言ってクレームが来る場合もあるかもしれませんね。

みなさん、目が肥えてきているし、親切すぎる世の中なんです。

しかし、それがかえって学びの力を弱めていると感じています。

与えられることが多すぎると、学ぶ機会が失われ、自己成長が阻害されることがあります。

まず自分で考えてみる

考える女性

うちの小学生の子供は宿題でわからないことがあると、「お母さん、〇〇ってどう書くの?」ってまず聞いてくるんです。

そんな時は必ず、「人に聞く前に、まずは辞書を調べなさい。ドリルを見なさい。それでもわからなかったら、一緒に調べよう!」と言います。

とか言いながら、私もわからない説・・・(苦笑)

普段は優しいお母さんだけど、成長して欲しいと願えば願うほど厳しくなります。

教室のレッスンでも同じです。

生徒さんにはお家で上手に作って欲しい。達成感を味わって欲しい。そう思っているので、わざとレシピは不自然に作っています

もちろん、工程や要点は記載していますよ!(笑)

ただ、必要以上に情報は入れません。

だから、生徒さんはまずレシピをじっくり見て、疑問を持ちます。そして、質問してメモして・・・

これが、私の狙いです!!

こんな不親切な教室に育てられました

私は今まで3つのパン教室に通いました。

その中で不親切な教室は2つ。

残り1つの教室は、ちょーーーーーーーーーーー親切でした(笑)

事細かに、図や写真、説明の文章が書いてあって、親切すぎるほど。メモする必要すらありませんでした。

ところが、明らかに自分のためになった!成長させてもらえた!楽しい!

そう思ったのは、なんと不親切な2つの教室でした。

少し、ご紹介させてください。

天然酵母パン蔵の椿先生

「天然酵母は、失敗はつきもの。それを恐れすぎる人は向いてません!」

講座を受ける前に、はっきりとそう言われます。特に、椿先生の講座は、プロを育成する講座なので厳しめです。

でも、とっても親切で寄り添って、問題解決に取り組んでくれる方なので、全く怖くないんですけどね(^^;)誤解しないでね。

天然酵母は、作り手・環境・状況で出来具合が全然違ってきます。そのため、得意な酵母、いつも失敗する酵母そんなのも出てきます。

そうなってくると、必然的に、レシピなんかも不親切に作ってあります。写真は出来上がりの写真だけ。要点などは書いている。そんな、レシピです。

「これがこうだから、こうしてください。」とは書けないのです。

その人その人の悩みや失敗談、わからないことがバラバラなので、「質問があれば聞いて!」スタイル。

これでいいんです。これこそ最高の親切。だって、個人個人の状況に合わせて相談に乗ってくれるんですよ!環境や状況が違う中、一人ひとりにアドバイスできるなんて、椿先生のなせる技です。

ちなみに、私のレシピも、椿先生のものにほぼ似ています。

ラ・ミラベル(パン屋さん)のシェフ

こちらのレッスンは、美味しいパンをたくさん焼いて持ち帰ろうという、趣味レベルの講座です。

このシェフの講座は、なぜ面白いのか。

もちろん、本場フランスで修行していた時代の裏話を聞いたり、知識や技術を学べたりすることはとても楽しいのですが、レッスン内容的には結構不親切なんです。(笑)

では何が不親切かというと、説明が上級者向け。

やはり職人さんなので、自己流な部分や、感覚で作業する部分もあるので、初心者目線じゃないんですね。

見極めのコツなどは、わざわざ詳しく教えてくれません。

私でも、レシピを見ただけではわからない部分があるので、めちゃめちゃ質問しまくるし、シェフがサラッと言った言葉が重要だったりするので、聞き逃さないよにしたり、メモや動画撮影して記録に残しています。

これをしないで、受け身のレッスンになると、きっと家庭で再現するのは難しいと思います。

結局、後々疑問が出てきちゃうんでね。

だから、私がシェフのレッスンが面白いと感じるのは、学ぼう!シェフの知識・技術を習得してやろう!と取り組むからなのでしょう。

学ぶ楽しさを思い出した感じです。

学びの醍醐味

女性二人が料理を勉強

パン作りって、実は深く考え始めるととても奥が深いんです。

もちろん、最初はレシピ通りに進めていくのが基本。

だけど、その工程を繰り返しているうちに、自分なりの疑問が生まれたり、ふと「これって、もっとこうした方が美味しくなるんじゃない?」と感じたりする瞬間があります。

これこそが、パン作りの面白さであり、学びの醍醐味。

私が敢えてレシピを不親切にしている理由は、生徒さん一人ひとりがこうした瞬間を迎えるためなんです。

「この手順は何のため?」と考えたり、「どうして膨らまなかったのかな?」と試行錯誤したりすることで、パン作りの知識と技術が自分のものになっていきます。

失敗も成功も含めて、経験そのものがあなたの実力になるんですよ!

だからこそ、一緒に成長しよう!

不親切に見えるかもしれないけど、そこには深い思いがあります。

私の教室は、プロ向けではありません。

どちらかというと、初心者向けで、非日常を味わってもらう、自分時間を楽しんでもらう、居場所を作る、夢中になる。そんなコンセプトの教室です。

また、楽しくパンを作ってもらうっていうのは根底にあるんですが、そのパン作りを通して家族や友人とのコミュニケーションを広げて欲しいという願いもあります。

楽しそうにパンを食べる男の子3人

そのためには、少しでも自宅で再現できるよう学んで欲しいのです。

生徒さん一人ひとりが自分の力でパンを作り上げ、自分だけのパン作りの楽しさを見つけ、そして、最終的には私のレシピから離れても、自信を持ってパンを焼けるようになってほしいんです。

これは、子供たちに勉強を教えるのと同じ。

最初は頼りにしてもらってもいいけれど、最終的には自立して学んでいける力を身につけてほしい。

それこそが、私のパン教室が提供したい学びなんです。

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